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【夏だなぁ。】2021-07-19

・部活。普段より早めの時間の電車に乗ったせいでめちゃめちゃ混んでいた。

・というのも、今日は陸上競技場に行って時間計測をやっていた。
通称「TT(Time Trial)」である。200mの時間を計った。

・思ってたより速くて、自分でもびっくりしている。こういうタイムとか公表してしまうとプレッシャーになるので言わないが、自分の100mのベストの2倍より何秒も速くなっている。

・やっぱ競技場は走りやすい。タータンという、赤くて粘土質な地面で、スパイクをはいて走れる。

・ただ、このタータンが光を反射して、あっちぃ。気温より5℃くらい高い。

・高温+反射=激熱 により、まじで熱中症になりかけた。

・休憩を頻繁にするようになったこの部活では、日陰のことを「神域」と呼んでいる。陸上競技場あるあるかもしれないが、神域から見る競技場は絶景だ。

・この地で何人もの人が汗をかき、何人もの人が涙をのんだこの競技場。思い返せば自分にも語りたいことは多くある。

・青い空に白い雲。境界線がくっきりとしているその空は、何とも夏を感じられる空模様だ。

・誰がこの夏のイメージを刷り込んだのだろうか。生まれた時には無かったはず。いつ、誰が、なぜ「モノに対するイメージ」を入れたのだろうか。

・小さいころ、暑い、まぶしい、虫の鳴くこの期間を「夏」と言うことを学んだ。そのうち、暑さが嫌いになり、それが世論だということを知り、夏に対するイメージが明細になってきた。

・しかし、夏=くっきりとした空 を刷り込まれる余白がないではないか。

・おそらく「暑いな。夏なんだな。あ、空がくっきりとしている。これも夏なんだな。」とどこかでなったのだろう。

・人間が情報と記憶を結びつける能力はすさまじい。
壁にかかった丸いものを、多くの人が「とけい」と呼んでいる。しかし、テレビの下にあるものも、パソコンの右下にある数字も、スマートフォンの右上にある数字も、皆「とけい」と呼んでいる。じゃあ、とけい=時刻がわかるもの全般なのか、となる。

・固有名詞から普通名詞への転換。それは人間が文明を作り、社会を作ってきた一つの原因なのだろう。人間の脳はすごい。


・競技場の話。200mの記録をとった話。部活の先輩(東京都の大会で上位に入ってくる先輩)と並んで走った。

・仮に、僕がここで先輩より速くゴールしてしまったら、先輩は、同級生は、後輩はどう思うだろうか。

・先輩は、後輩に負けてしまい、悔しいだろう。少なからずプライドがあっただろう。

・同級生は、あいつが先輩に勝った、と驚愕するだろう。みんなも先輩が勝つ、と思っていたが、まさかのどんでん返しだ。そして、先輩の悔しそうな顔をして、僕が悪いみたいな雰囲気へ徐々になってくるだろう。

・後輩は、そういうもの、としてなっていくだろう。そうしたら、先輩は僕より遅い、というイメージがついてしまう。


・結局、僕は先輩より遅く走ることが吉なのだ。

・先輩に華を持たせる、そういう役割を僕は担ってしまっているのだ。


・通知表はまだ出てこない。この社会風潮に失望し、これからも失望させてしまう自分に、夏の日差しがさんさんと照りつけた。


・コーヒーを飲むとき、「いい水」と言っておくと、それっぽい感じになります。

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