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527 83歳ゆらぎの中を

(2)草むしりと溝掃除

 3月3日、今日は桃の節句。ひな祭りというだけで心温もる。娘達は順当に結婚し、子供にも恵まれ、今やその次の代にまで命をつなげている。
 独り暮らしの13年、活力に満ちた日々を楽しみ、不安も寂しさも特に感じず、のびのび歳を重ねた。
 気がつけば、あれれ?!
あっという間に様変わり、言いたくないけど、後戻り不可能な実態が次々押し寄せている我が身。
 いやさ、町内の草むしりである。一宮でいちばん大きな住宅地、870世帯の住人の大方は、地元の人少なく、殆どがよそ者の集まり、景気の良かった時代に、たまたま一宮に勤務していたサラリーマンがこの地に簡単に家を立て、住み着いた。
 40代平均、子供二人、小学校も中学校も新設、ニュータウンの内外、活気に満ちていた。
町内会の運営は、比較的、民主的に、新しく楽しみを作り上げたり、管理方法にも絶えず改良加え、またたく間の50年。子どもの成長とともに、車一家に4台という賑やかな時を超えて、いまや、オールドタウン。
夫婦二人か、独り暮らしの世帯が殆ど、若い世帯は、いるににはいるらしいが、どこに潜っているのやら。
 いやさ、草むしりの話である。屈んだり、力出したり、手指差へ無理はきかないので、みんな同じ状態の高齢、とうとう頼めることはお金で解決することに方向が決まった。
 人間の手で、世話している事は見ても優しげで、多少の乱れも気にならないが、ビチっと何物かで抑えられたり区切られたり、しらっとしている様は、見苦しく感じるが、これで草むしりを免れるなら仕方がない。
 せめて自分の家の周りだけは、やれる間、やれるだけ、気の済むように、いじっていたい。
 溝掃除も簡単に終わり、ブロックの三人と、ゴミ入れの袋を持ってきてくれたブロック長と4人で立ち話。もうひとりのメンバーは若い男一人所帯で、不規則な勤務でもあり、もう何年も、一回も掃除等でたことなし。
彼の両親がいたころは、ずっと仲良くやってきたのに、
人はいいけど、協調性はなし。
それでも、雨降りなど私が外を歩いていると、足元大丈夫か?などと普通に優しいから憎めない。
女四人、掃除道具持ったまま、立ち話は、問題続出でとどまる所なし。
 近くに巨大な物流センターができるせいで、影響は相当広い範囲まで及び、ニュータウンのそばの道に渋滞が起これば、静かな住宅地の中の道にまで入りこまれるのではと戦々恐々。
 歯医者に行くたび、工事が着々進んでいるのを見て、既に一部見えなくなっている山脈の姿や、今は緑の田や畑も直ぐ灰色か、茶色に様変わりだろうと、暗い気持ちになる。
 住宅の中の目下の話題は、カラス対策の網、上げたり下げたりゴミ出しのときが大変だから、ボックスを置くという案。
置き場所によっては、下の溝掃除ができなくなり、流れなくなったらそれも問題、今の処、話し合いの段階で、答えはいずれ出るとのこと。4月からの新役員に引き継がれて行く事案であるらしい。
 まだしも、話し合いが積み重ねられ、変化もゆっくりな在り方の、わが住宅は、いいなあと思っている。
 
#共同作業
#節度を保つ工夫

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