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519 82歳の暮らしの断片

 (60)新年早々の騒ぎ

 2024年1月5日の出来事である。朝から穏やかな晴天、郵便局に出かけた。閑散どころか、誰もいない。局員だけが静かに。
本日の要件は、少しまとまったお金が、最低の利率で預けてあるのを、他の銀行に移し替えるのが目的、キャンペーンの間に入金すると、ほんのちょっぴりでも率が上がる。所詮はした金なのだが、最低よりは気が収まる。
若い男性職員に、振替手続きを頼むと、使い道を聞かれたので、キャンペーン中の近くの銀行に預け直す旨話すと、家人に確認せねば出金できないという。
 皆仕事に出てると言えば、確認できない限りお金は出せないと。
へっ?私のお金をどうしようと、いちいち子どもたちに話しませんよ。こんな事初めてです。
男性局員、今から警察に電話するから、誰か家人に出てもらうことを聞いてくれと。
はぁ、警察ですか?何よ馬鹿らしい。怒っているメの前で
お電話変わりましたのでと受話器を持たされる。
名前と金額と使い道と、確認してくれる家族名と電話を知らせる。ずっと怒っている私。
警察が家人に電話、暫くすると郵便局員が、確認できたらしいのでと、再び受話器を渡される。
私が何者か分かりました?あなたの許可が出て、自分のお金を持ち帰れるのですね!若そうな警察官も、テキパキ口調の婆様にオドオド。
はい、どうぞお持ち帰り下さい、あったりまえだわ!
お許し出たわよ!
こちらの若者は、(ハキハキとお元気なので大丈夫と思いましたが、すみません)と言って、出金終了。
 ここで局長が出てきて(つい先日もここらで1件、詐欺事件があったんですよ、お達しがあったので、こんな具合で申し訳ないです)と。
 私も、あたりに相変わらず誰もいないのを幸い、郵便局の人達に言ったことは。
 誰が、何が、どうして、こんなことになるのか、事実を有りの儘、文にまとめておくわね。一幕終わり。

 信用金庫は大体、年に2回、ボーナス時期に合わせて、キャンペーンを張る。
おろしたてのお金を持って、急いでやってきた。スーパーの隅に出先のある信用金庫。
速く現金を渡してしまいたくて、手早く作業。無事に入金してやれやれ。
ここの所長に、来るまでの経過を簡単に伝えたら、壁に貼ってあるチラシを指して
(そうなんですよ、詐欺が実際に増えているし、面倒なことになりましたが、申し訳ないですね)とのこと。
思いもかけず時間もかかり、腹の虫がおさまらない気分で、そのままスーパーへ。
 握り寿司、ステーキ、お刺身、ロールケーキ、焼き鳥、その他細々買い込んで、お昼すぎ帰宅。
やけ食いのような、品のない食べ方で、やっと、腹を心を無理やり沈めた感じ。

 後で家人として電話を受けた娘、言ったことは、私の方こそいきなり掛かった警察なる者、本当かどうか、信じられなかったよ。巧妙な詐欺の手口があるらしいからビクビクしたわ。
それはないよ、私の眼の前で警察に電話してたし、返事もあったわけで。
とにかく、おこれるし、ざわざわ心乱れ、ビクビクまでして、やってられないわ。
災害やら、事故やら、ろくなことのない新年に、私の初体験は、詐欺防止の一幕だった。
かつて無い混乱、激動の幕開け。どっちを見ても、何を聞いても、かつて経験したことのない話がゾクゾク出てくる。振り回されないで、なるべく沈着冷静、正常心を保つ努力を惜しまずに暮さねば。


#令和5年
#真っ当な暮らし

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