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529 83歳ゆらぎの中を

(4)込められているもの

二期会の声楽家T先生率いる歌う集団、25年にもなるそうだ。(山査子の会)には、主に、中高年の女性が多数集まって来る。
伴奏のピアニストに女性一人。構成はシンプルだが、内容は濃さを増している。
私はお茶クラブの友だちに誘われて、もとより歌は大好きだし、すぐに仲間入りした。
5.6年になるのかな?
 肝心の歌唱力は、40年前声帯を壊し、ソプラノは全く駄目、メゾでも半分怪しく、アルトなら大丈夫。
 みんなでコーラスしても、男声のような低音でしか歌えない。それでも好きは好き、兎に角行って、人が気持ちよく声を出しているのを半分羨ましく、半分仕方なく、小さな声でハモりながら、半分は聞いている。
妙な参加の仕方なれど、それでも歌うことを捨てるわけには行かない。
 本日の会、3月初旬、先生はいつも季節に合わせた選曲で、日本のうた、世界の歌、昭和歌謡など、実にみんなの気分にあった曲を勧めてくれる。
今日は、春満開、童謡、唱歌、次々と世界の歌の中からも、春の歌を選んで、まさしくスプリング!声弾ませたり、うらら、うららとのどかに歌ったり。あまり雰囲気につられてしまい、音程がずれてしまったり、メリハリを失った間抜けなメロデイになったり。
そこはそれ、先生は、人にも教えるが、舞台に立つためのたゆまぬ訓練を絶やさぬ、精進ゆえ、ついだらりと春めくおばさん軍団に、さりげない注意を喚起して、レベルの低下を許さない。
つまずいたところを指摘され、照れ笑いしながらも、一生懸命やり直す、憎めないおばさん集団でもある。

  自分は若き日、愛があればと、何もかも捨てた花嫁だった。幸いにも三人の娘に恵まれ、彼女らはそれぞれ、にこやかな花嫁姿の写真がある。更に三人の孫娘の晴れやかな花嫁姿も。
 (花かげ)と言う日本歌曲。
十五夜お月さま一人ぼち、お姉様は車に揺られていきました。姉さまとお別れ惜しんで泣きました。お姉様、私は一人になりました。
 花嫁姿のお姉さん
大村主計の作詞をみて、豊田義一の曲を歌うと、何故か、どうしても涙が滲んでくる。
一音の強弱も気をつけてと、そんなテクニックは、お呼びでなくなってしまう。
抒情が過ぎて、遂には、鼻水まででそうになる。
 ほんの少しの心がけでぐんと違ってきますよ!
 今日のポイントはここですよ!
この濁点はソフトにね!
 
 作詞作曲の経緯や背景、一曲の歌がどんな環境から生まれでてきたのか、周辺の事情にも触れながら、理解を深めていく。無意識に声を出すのではもとよりなくて、歌うたびにふくよかな歌唱になっていく。

 古くから歌い継がれた童謡や唱歌だけでなく、メンバーからのリクエストで昭和歌謡など、若いときから歌いこんでいる気に入りの曲は、先生の注意は必要なし。誰もが情感込めて、ほんとに、しみじみ上手に歌う。すごい表現力。自分達の歌声に酔ってしまいそう!(忘れな草を貴方に)
これは皆さん、お上手ねと、先生も笑ってしまう。

 もう一つ時間をかけて物にするのは、比較的新しい、今人気の曲を取り上げて習う。
 光の軌跡
 アルデバラン
 未来へ
由紀さおりの(初めての今日を)の、お稽古が先日より始まっている。
 幾千の出会い、幾千の別れ、幾千の流した涙、受け止めて前を向いて、初めての今日を生きていきたい!
譜を見て歌うと、結構、難しいかと思ったが、スマホで曲を出し歌ってみたら、割と直ぐ歌えそう。この歌、気に入った。最初から最後までちゃんと歌えるように、練習しなきゃ。

#歌えば楽し
#発声練習も真面目に
 


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