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522 82歳の暮らしの断片

(63)感想文は難しい

 名演会員手帳2024.サークル名はくろまつ君、今年最初の舞台鑑賞、(連鎖街のひとびと)は、既に捺印されている。
 代表者、世話役の、真寿美さんから封書が届く。
会員数1526人中当日の観劇者1357人。
アンケートによれば、大変良かったが7割に及ぶ。良くなかったは1割に満たない。女性の高齢者の評価が高いようだ。
こまつ座40周年の間には名だたる戯曲目白押し、井上ひさし作とあらば、見ないうちから期待で心あふれかえる。
それぞれ、演技達者な俳優の贔屓もあるらしく、たいへんよかったとの評価Aでは、其々生々しく興奮の声。
曰く、敗戦直後の満州の状況が深く掘り起こされていること、待っていた俳優さんの名古屋出演を喜び、出演者のセリフ、動き、歌などに痛く共感。
ロシア語中国語、日本語のとびかった大連に思いを馳せ、今の非常な現実の中、芝居や愛を語る登場人物に愛しさを感じたと。
評価の低かった点は、舞台そのものではなく、観客の少数のマナーの悪さなど。
脚本を丹念に吟味し、個々の俳優の名演技に迄話された方もいて、自分一人では思い至らない鑑賞の奥行きに、しみじみとした満足感を得られた。
次の3月公演は、オペラシアターこんにゃく座の、公演。
今までに、馴染のない劇団なので興味津々。ピアノに合わせて役者の歌とパフォーマンス、迫害、差別、分断の物語とは?!愛と希望の物語とあるので安心して鑑賞できる日を待つ。
本来ならみんなの集まりに参加して、感想も生で述べ合うその場に居合わせたいのだが、とにかく体調衰えて、歩調を合わすこと困難。せめて見せてもらうのみ。口惜しいことだが、やむを得ない。
 話変わって、クロマツくんのメンバーに(海へ砂漠へ)の拙著を無理やり押し付けた所、又もや真寿美さんの労で、7人の方の感想文が寄せられた。
◯一人旅の勇気と行動力
◯楽しむ光景
◯お元気な旅好きな母上の話を聞いておきたいとのこと
◯度胸のよさをほめてくれた方
◯寝た子を起こされたという方
◯当の真寿美さんは、クルーズに興味を持たれた様子、何より偶然から演劇鑑賞会で繋がれたことを喜んでくれた。
 感想文なんか、なかなか、書きにくいところを、さすがは演劇で結ばれている皆さん、サラサラと文にして届けてくれたこと、本当に嬉しい。
 感想文絡みでいうと、つい最近、(死ぬまでジャズ)という、鈴木良雄の自伝を読んだ。これもFBがらみで紹介文を見たと同時に発注して本を手に入れる。
クラシックとジャズがこの上なく好きで、揺り椅子に揺れながらオンザロック片手に目をつぶったり首を振ったり、溶け込んでいる夫の側でいつも一緒にいた妻の私。
中でもジャズは、ジャズ漬け、ジャズ三昧。本のなかにも有名なミュージシャンのなまえが数珠繫ぎ。
まるごとの陶酔の世界を、言葉になんか表せない。頭の中には楽器の音が回る回る。
感想文を書くなんてはすぐ諦めた。せめて、FBに、此の本を見たとだけ、発信しておいた。書けないよ。
恵まれた音楽環境から出発して、日本を飛び出し世界に足跡を残した。故郷の木曽に山荘を持ち、次々湧き出る音楽を表現し続けている鈴木良雄の、生を聞きたいと切望している。
感想持てなくても、エキスだけは、取り込みたい、何事からも。

#感じることは感じるが
#言葉にするのは難しい
 

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