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528 83歳ゆらぎの中を、


(3)支えられること

 晴れやかな春の朝、花好きの友人が、小さな花束を胸に、にっこり玄関に立っている。
欲しいという人がいて、いま、クリスマスローズを切ったから、貴女にもと思って持ってきたよ!
赤いのもあるんだけど今年は花の付きが悪くて、白ばっかり。
 良いよ良いよ!かわいい。今、家の庭を一廻りしてきても、これといった花がなくて、淋しいと思ってた所。
 もともと押し花の先生をしていた彼女と、立ち話でしばし花談義。
早速、小瓶に活けて、写真を取り、メールで送る。
綺麗に活けてくれてありがとう。あなたはすぐ、喜びを表してくれるからと、彼女もご満悦。
二人の今日一日は、機嫌良く過ごせるだろうとわかる。
八十路ともなれば、小さな事にも歓びを感じるし、二人で話す中身も味わいが深い。
気の合う者同士のしみじみした会話は、生きる活力を静かに生み出してくれる。
テンポが合うし、共通項の多い話題は、穏やかに語れる。
わかいひととの話は時として、たまげたり、言葉を失ったり、柄にない、はしゃぎ方に我ながら内心恥じたり。
 有り難いことに、友達の多い私は、一人で暮らしていても、周りには、何や彼や手作りの好きな人がいて、万事下手の横好きの私に、自分の作った良きものを惜しげなく持ち込んでくれる。
 例えば
お菓子作りの上手なパティシエ、山が故郷の彼女は、佃煮とか保存食とか、漬物とか、お惣菜も1人分を取り分けて持参してくれる。
有り難いプレゼンターは、畑を借りて野菜を作っている人達、何や彼や旬の野菜がどっさり。皆んな作るものが同じのもあり違う種の
もあり彼女らの、時としてお連れ合いのまで、
労力と愛情と、しっかり貰い受け、隅々まで残さず消化して、幸せ度最高になる自分。
喜びは直ぐ伝えて、様々な映像を送り、感激を知らせる。
花の友は息子さんと同居で、何かと私に持っていってやれと言ってくれるそうな。
引っ込みがちの母親が、私のところにはいそいそと足を運ぶのを、息子も大事に思って、青々と新鮮ブロッコリーなど持たせてくれるのらしい。仲間と共同での、農家。農薬を使わず、こまめな世話をして、良心的な農業に一生懸命。そんな大切なものを、私だって大事に味合わないと。ありがたく頂いているわけである。
 ものばかりでは無い。この頃とみに感じることがある。
実際に会って話のできる友達ばかりではない。FB友達ではあちこちに住んでいるものが、友達から友達に、範囲を広げて、それぞれの塊のようになってコミュニケーションを取る。
 気が合って頻繁にやり取りする人もあれば、頭数の欲しい人がいたり、一方的な自分の発信にのみ忙しく、他のことには一切知らん顔の人もいる。意見の合う小さな塊の中で他を寄せ付けない人もあれば、やたら毎日同じ挨拶ばかり言ってる人もいる。
 私はというと、人好きで気が多く、相手の力量や立場など意に介せず、時に恥知らずの厚かましいコメントなど連発している。これは、顰蹙ものだなと、反省するもつかの間、直ぐ口を挟む横着さ。我ながら品のないことである。
どの分野においても、自分の至らなさは自覚しているのだが、人好きの甘えが勝って、レベルの低いことを口走り、一人で内心照れている。
今更遅いかもしれないが、自分磨きを休んではならない。
尊敬しているあの人や、にくいけれど捨て置け無いあのひと、どうしたって好きな人、ほれぼれ仰ぎ見ている人とか、教えを請いたい人や、色々の個性がきらめいている。
 生きていく支えになる最大の要素は、未来につずくエネルギッシュな生命体。食べて、あそんで、笑って、眠る。無邪気な瞳を持つ、おチビたち。令和生の曾孫たち。秋には、5人目が生まれてくるようだ!

#支えは大切
#支えられたり支えたり


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