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536 83歳の日々
(11)人それぞれの旅
図書館にこってり縁のある娘が、時々、私用に本を見つけてきてくれる。私はと言うと、老齢のくせに、何かと忙しく、本を選びに図書館まで足を運ぶゆとりなし。
これお母さんどう?と持って来てくれたのを借りて読む。
角田光代の(いつも旅のなか)というのが届けられた。
ずらりとならんだ外国名が24。私が未経験の国は5カ国のみ。
長く心に温めて、やっと訪ねた国や、たまたま家族が住んで
535 83歳の日々
(10)男達
歩いて5分のところに、行き付けのクリニックがある。
血圧の薬を貰いに出かけた。
住宅は静かだが、どのオタクも何かしら花が咲いていて、つい見とれて立ち止まったり。ツツジが見事に咲いているのに、スマホを取り出しにかかったが、やめた。
一人の男性が歩いてくる。
あら!一人暮らしで年も同じくらいのひと。奥様がいらしたときは、家と裏表なので行き来があったが、最近は道で会うときの立ち話くら
534 83歳の日々
(9)タイトル変更
誕生日を迎え、ひとつ年を取り、noteに記録する題を、ゆらぎの中をとして、書き始めた。
今までの延長で、日々の身辺事情を書き留めるだけなのに、何故か、此の、揺らぎという言葉が、気に入って採用した割に、本当にフラフラ揺らいでしまい、たくさんあるはずのネタが絞りきれず、流れ去る。投稿できないまま日が過ぎて、このまま有耶無耶に書けなくなりそうな、焦りを感じた。
たかだか身の回りの
533 83歳ゆらぎの中を
(8)的が絞れず
前回投稿してから、あっという間に20日間が経ってしまった。
つい先日、noteに投稿4周年の記念バッジをゲットしたところ。計算すると年に130篇は書いている勘定になる。
思い出のあれこれ記録を書いた後は、八十路になって、身辺事情を書き残しておけば、時代の特徴も残るかと、せっせとネタを拾っている。
混乱の世の中なればこそ、狙い定めて、いくらでも話の種は尽きない。ひらめいたら
532 83歳ゆらぎの中を
(7)来年はわかりません
雨の日が続く、春、3月も下旬。花たちも咲きそうになったり引っ込んだり。
生協を通じて頼んでいる灯油、今日が今期の最終日。本来なら、3缶まとめて一箇所に配られるのだが、私は一人で頼んでいるので、月によって注文にばらつきがある。長年のお付き合いゆえ、便宜を図ってくれて、1缶でも2缶でも、玄関先に空き缶を出しておけば、注油満杯。
今年も最後は1缶のみ。
寝坊の私がやっと
531 83歳ゆらぎの中を
(6)お家カフェ
春の雨の日、私は機嫌よく、インスタントコーヒーを飲んでいる。甘いものか、軽いお菓子をなにか、ほしいところだが、生憎無さそう。ま、良いか!
予定もなし。ねばならないやることとて、気にするほどのことはなし。
あっ!あったあった、ちょうどいい加減の一口が。
生協でパンを頼んだはずが、届いたのは、小さなお菓子風。超薄干しブドウパンの4切れ。手作り柚子ジャムと、気に入りのクリームチーズ
530 83歳ゆらぎの中を
(5)春の雨の日
春雨というより暗く重い雨が朝からずっと、今日は一日雨の予報。
自分は晴れ女で、陽気な行動派なのだが、八十路に入ってからは、徐々に様子が変わってきた。表見は、まだ、誰にも気づかれないのだが、己はごまかせない。身体的な衰えに引きずられて、精神には、様々な揺れが生じている。
まあ、しかし、基調が晴れやかな性格であるゆえに、ゆつくり進行中の内面の変化は、黙っていれば、あまり気づかれ
529 83歳ゆらぎの中を
(4)込められているもの
二期会の声楽家T先生率いる歌う集団、25年にもなるそうだ。(山査子の会)には、主に、中高年の女性が多数集まって来る。
伴奏のピアニストに女性一人。構成はシンプルだが、内容は濃さを増している。
私はお茶クラブの友だちに誘われて、もとより歌は大好きだし、すぐに仲間入りした。
5.6年になるのかな?
肝心の歌唱力は、40年前声帯を壊し、ソプラノは全く駄目、メゾでも半分怪しく
528 83歳ゆらぎの中を、
(3)支えられること
晴れやかな春の朝、花好きの友人が、小さな花束を胸に、にっこり玄関に立っている。
欲しいという人がいて、いま、クリスマスローズを切ったから、貴女にもと思って持ってきたよ!
赤いのもあるんだけど今年は花の付きが悪くて、白ばっかり。
良いよ良いよ!かわいい。今、家の庭を一廻りしてきても、これといった花がなくて、淋しいと思ってた所。
もともと押し花の先生をしていた彼女と、立ち
527 83歳ゆらぎの中を
(2)草むしりと溝掃除
3月3日、今日は桃の節句。ひな祭りというだけで心温もる。娘達は順当に結婚し、子供にも恵まれ、今やその次の代にまで命をつなげている。
独り暮らしの13年、活力に満ちた日々を楽しみ、不安も寂しさも特に感じず、のびのび歳を重ねた。
気がつけば、あれれ?!
あっという間に様変わり、言いたくないけど、後戻り不可能な実態が次々押し寄せている我が身。
いやさ、町内の草むしりであ
526 83歳 ゆらぎの中を
(1)誕生日
3月1日と言えば光の春!暦の春なのにウキウキしてくるのが常だった。
83回目の誕生日、申し分なく晴れやかな陽光である。
しかし心の中は、今までのワクワク気分とは違い
、ほんの少し、陰りのようなものがたゆたう。
機嫌は悪くない。
人からは、声や顔や体が大きいからか、陽気だからか、100まで生きるなんて良く言われる。
いやいや自分では、80歳を超えてからは、全く思ってない。生きの良い
525 82歳暮らしの断片、
(66)初体験は続く、
いつも誘われることの多い私が、珍しく自分から誘った。
日頃バイトや家族の都合やで、一緒にでかけたりすることの少ない三女。
一日だけならどうかと思い、それも、落語の会というので、声をかけてみた。
お出かけ成立。
朝日新聞の招待で、応募すると残念、でも半分自分持ちの優待券が送られてきた。
感謝特別優待価格は2.000円。場所が豊橋なので交通費がいるけど、プチ旅行のつもりで
524 82歳暮らし断片
(65)早春の哀感
徐々に話の向かう先はわかっていた。当事者にとっては、重苦しい現実と同時進行で、いずれ、その日が来ることは承知していて当然である。
煮詰まって、あれよあれよと、高齢男性の落ち着き先が決まった。
父や夫や大好きな男友達との別れの時より、ぐっと胸に来た。80代半ば過ぎてから、生まれて育ったこの屋を、知ってか知らずか、彼は、今日、出て行く。代々からの
広い田地田畑と屋敷を引き継ぎ
523 82歳の暮らしの断片
(64)ケジメは否応なく
2月半ばに受け取りました。
伸びやかな立派な字の封書。
中身は分かっていました。
3の4の会開催案内。
日時、会場、会費、交通案内。
これもまた大きな字で、目が悪くなった私でも、はっきりわかりました。
飯田君の頼もしさと優しさが伝わります。
行きます行きます!ハガキのもま
出席するにチェック!
近況報告とな!
2月16日、
83才にもうすぐなります(3月1日)、82才の
522 82歳の暮らしの断片
(63)感想文は難しい
名演会員手帳2024.サークル名はくろまつ君、今年最初の舞台鑑賞、(連鎖街のひとびと)は、既に捺印されている。
代表者、世話役の、真寿美さんから封書が届く。
会員数1526人中当日の観劇者1357人。
アンケートによれば、大変良かったが7割に及ぶ。良くなかったは1割に満たない。女性の高齢者の評価が高いようだ。
こまつ座40周年の間には名だたる戯曲目白押し、井上ひさし作
521 82歳の暮らしの断片
(62)ある日の朝刊
国の内外の戦争はとどまることあらず、火種はそこここに。平和だとどっぷり浸っている傍らで、なんということ!日本だけでなく、もはや地球存亡の危機の如く。
新聞のニュースにしても、詐欺だ、交通事故だ、殺人差へも、載せる余地がないほどに、大きな災害の経過を知らせることで埋められる。
被災したのは誰も同じだが、自治体の職員は自分の家や家族をそのままにして、連日被害と向き合い格闘して