エピソード3 査読依頼のこと
紀要の論文審査もそうですが、研究費の給付審査や出版助成の審査など、研究活動には「査読」がつきものです。
個人的には、学内の紀要には査読が無いものがあってもよいのでは?と思います。査読審査無しにして、論文の評価は世間に任せつつ、いろいろな原稿を掲載することがその紀要の個性になるように思います。
実際には、すべての紀要で、少なくとも論文については、査読を行なっています。
査読周りの事務
自分が担当している業務としては、
①投稿があった論文を編集委員と共有する
②編集委員が選んだ査読候補者に査読依頼の連絡をする
③査読候補者の返事次第で、原稿を渡すか、次の査読候補者の選定を編集委員に依頼する
④査読者から報告書が戻ってきたら、編集委員に共有する
このような感じです。①〜④をシステム上でやれたらどれだけ楽でしょうか…査読依頼がもっとドライにできるはずです…
②の段階で、編集委員経由で査読候補者から内諾をいただいている場合があります。その場合は正式な依頼を自分がして、原稿データを送るだけです。
もっとも、それは本当にレアケースです。
基本的には②の段階で、事務局がはじめて査読候補者に依頼します。
タイトなスケジュールで、原則は査読料無しで、依頼します。
そのため、断られることも多々あります。
その際、基本的には交渉することはしません。次の査読候補者を編集委員に選んでもらい、また依頼します。
(それがなかなかメンタルにきます。)
査読事務の効率化(依頼メールのサンプル)
ネット上で査読依頼のメール文面のサンプルを調べると、なかなかそのまま使えそうなものが出てこないので困っていました。
以下の文面案は、編集委員(研究者)ではない事務職員が、査読者に送るメールを想定しています。
日常的に査読依頼をされている方からの添削をいただければとてもうれしいです。
また、日常的に査読をされている方にも、どんな依頼ならうれしいか、引き受けたくなるか等のアドバイスをいただければ、こちらもとてもうれしいです。
査読依頼のメール文案
①査読の依頼
件名:『〇〇ジャーナル』査読依頼について
本文:
〇〇先生
いつもお世話になっております。〇〇大学の〇〇です。
〇〇研究所〇〇編集委員会からご依頼がありメールいたしました。
先生に、「〇〇」第○号へ寄稿された原稿の査読をお願いしたくご連絡いたしました。
お忙しいところ恐縮ですが、○月○日(○)までに
添付の「査読報告書」のご提出をお願いできればと存じます。
添付の査読報告書内に論文のタイトルを記載しております。
①査読の可否および②原稿のお渡し方法について、ご連絡いただけますと幸いです。
ご不明な点がございましたら、〇〇までご連絡願います。
どうぞよろしくお願いいたします。
添付:(査読報告書のWordファイル)
②査読受諾のお礼と原稿データ送付
件名:査読受諾のお礼
本文:
○○先生
査読についてご快諾いただきありがとうございます。
査読依頼文書と原稿のPDFファイルを添付いたします。
パスワードは次のメールでお送りいたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
添付:(査読依頼文書のPDFファイルと原稿のPDFファイル)
(原稿のPDFファイルにパスワードをかける)
(査読依頼文書には査読期限や査読料の支払いがある場合は金額を記載している)
③査読報告書の受領
件名:査読報告書の拝受とお礼
本文:
○○先生
いつもお世話になっております。○○です。
ご依頼申し上げておりました,投稿論文の査読結果を,本日確かに拝受いたしました。
お忙しいところ,大変迅速にご審査いただき,誠にありがとうございました。
今後とも,何卒よろしくお願い申し上げます
もう少し気の利いたひとことを入れられたらいいのですが、平均的な事務職員が査読の内容を読んで理解できるわけではないので、「的確な指摘で、執筆者本人のためにもなると思います」的なことは書けません。研究者・編集委員に直接返信していただければよいかもしれません。
ちょうど今、次の号の査読依頼をしており、査読を断られたところでした。進捗があれば、このnoteの内容も更新するかもしれません。
また
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