#科研費のコツ 11~20
コツ11 申請書にはストーリーが必要だ
レイアウトに型があるように、内容にも型があります。
✓ この分野はどんな分野か(広い背景)
✓ 本研究に関連して何がわかっているのか(当該分野の背景)
✓ 何がわかっていないか(問題点の指摘(複数))
✓ 特に本研究ではどの問題を扱うのか(問題点の絞り込み)
✓ なぜそれが問題なのか(問題点の重要性・顕在化している弊害)
✓ どうすればその問題を解決できると考えたのか(研究のアイデア・独創性)
✓ そう考えた根拠は何か(アイデアの根拠・予備データ)
✓ アイデアを通じて何を明らかにするのか(研究目的)
✓ 具体的に何をするのか(研究計画)
✓どうなればこの研究は成功したと言えるか(どこまで明らかにするのか)
✓それにより、指摘した問題のうちのどの部分がどのように解決するのか(位置づけ)
コツ12 「XXXの研究は初めてだから独創的だ」のロジックは危険(再び)
研究の独創性に苦労する方は多いです。「同じ課題のライバルがいたとして、その人ではなくあなたがこの研究を遂行するのにふさわしいと言える根拠を教えて下さい。」と考えれば、わかりやすいです。
コツ13 申請額の謙虚さは評価されない。
研究費を少なめに申請する方がいます。予算枠の余りに滑り込める可能性が高いからという考えかもしれませんが、実際には採否にほとんど関係ありません(たぶん)。大多数の人は満額申請ですので、あなたも同じで良いのです。
コツ14 科研費FAQ 【Q2202】
科研費申請書はモノクロで評価されますよ!あなたのカラーの図はモノクロ印刷に耐えられますか?
https://jsps.go.jp/j-grantsinaid/01_seido/05_faq/index.html
コツ15 エフォートはその都度変更する
エフォートが足りない?
エフォートとは「研究者の全仕事時間に対する当該研究の実施に必要とする時間の配分割合(%)」です。全体に対する割合ですので、他の研究費を申請するのであれば配分を下げることができますし、そうすべきです。
コツ16 読みたくなくても頭に入る文章を
人間の脳はすぐにさぼりますので、良い申請書の条件のひとつは「頭を使わずとも理解できる」ことです。その功罪はともかくとして、わかりやすい主張は響きます。
全ては読んで・理解してもらうための工夫です。そのうえでの内容評価です。
コツ17 独自性は比較しながら説明せよ
「これまで誰もXXXしていないから独自である」というのは変な理屈です。
独自性≒オリジナリティ・先進性・優位性ですので、「他はXXXだけど本研究はYYYだからすごい」のように、比較が基本です。そのために、国内外の関連研究を書きます。
コツ18 創造性の背後には「他に影響を与える=良い研究」という前提あり
創造性に遠い未来のことを書いても実現可能性が低く響きません。比較的近い未来について、
✓ 当該分野の他の研究に対するインパクト
✓ 関連分野・社会に対するインパクト
を分けて書くと良いでしょう。
コツ19 手段の目的化は避けよ
「XXX(研究手法)をする」という目的を書く人がいますが、これは目的を達成するための手段です。例えば「XXXによりYYYを明らかにすることで、ZZZを解明する」のように、「何のためにするのか」や「その結果、何が言えるか」までを含めてください。
コツ20 美しい書き言葉で
文章を書きなれていない人の文章には、倒置、体言止め、口語、やたらと凝った(大仰な)言い回し、が溢れています。
今まで読んだ中で一番衝撃的だったのは「なんでかとゆうと、…」でした。
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