#科研費のコツ 21~30

コツ21 それって漢字で書くべき?

漢字で書かないほうが良い言葉(敢えて、於ける)
どちらでもいい言葉(下さい/ください)
漢字で書くべき言葉(大多数の言葉)
があります。

行政の使用ルールとは異なりますが、私自身は
及び、並びになどはひらがなで書くようにしています。

行政の使用ルールとは平成22年11⽉30⽇の内閣訓令第1号「公⽤⽂における漢字使⽤等について」のことです。
https://bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/sanko/koyobun/pdf/kunrei.pdf

行政文書における漢字・かなの使用ルールがまとまっています。

個人的には漢字で書かない方が良いと思うものも多いのですが…


コツ22 シンプルに書こう

同じ内容なら短く表現することを意識してください。
✓ 重要なものとなっている→重要である
✓ 明らかにしていくことの意義を…→明らかにする意義を…
✓ りんごは赤いと言われている→りんごは赤い

長い(くどい)とそれだけで読む気が失せます。


コツ23 伝えてからがスタートライン

難しい言葉や概念を振り回しても、申請書に箔がつくわけではありません。わかる人から見ればむしろバカっぽく見えます。伝えてからが勝負です。

うまく伝わらない → 書き方の問題
伝わったが納得してもらえない → 見せ方・内容の問題


コツ24 「ローリング・サンダー・えーと・トルネード・パーンチ」はわかんないし、ダサい

先日の内容とも重複しますが、”オリジナル語”は極力避けましょう。あなたの中では合理的な語句かもしれませんが、読んでいる側は意味がわからないか、全く別の意味で捉えるかもしれません。

一般的に使われている用語かどうかはGoogle検索でわかります。
”調べたい言葉”のようにダブルクオーテーションで括った上で検索して、用例を調べてみてください。
ヒットした数が極めて少ないか違う使い方がされているなら使わないようにしましょう。


コツ25 砂時計を意識せよ

いきなり自分の研究の話から始めても、読み手は理解できません。また、この研究がどのように周囲に対して影響を与えるのかを示さないと意義が見えません。
広い背景から話を絞って具体的な目的へと誘導し、また話を広げて結果を一般化するのが理想的です。

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コツ26 ”わかった気”にさせる

論文:興味のある人が読む
申請書:興味のない人が読む

分野外で興味のない審査員に、あなたの研究を100%理解させることは不可能です。最低限わかって欲しいところだけを、わかりやすく。
多すぎると理解を妨げるので、情報量は減らしましょう。

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正確性を追い求めると複雑になります。
「白鳥は白いが、実は黒いものもいる」と言われるより「白鳥は白い」と言い切ってくれた方が理解しやすいです。
さまざまな例外は書き手側でわかっていたら良い問題であり、短い中でそこまで伝える必要はありません。


コツ27 この研究はどんな研究であるかを明確にする 

「本研究の位置づけ」とは国内外の他の研究と比較した時の本研究の立ち位置です。
✓これまで別々であった潮流を統合する
✓新しい潮流を生み出す
✓既存の潮流をさらに押し進める
✓同じ対象を全く違う側面から見る
etc

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コツ27の補足です。
本研究の位置づけは、独自性・創造性と内容的に重複することも多いですが、同じことを繰り返して書くほどの余裕はありません。
申請書における両者の役割を自分なりに明確に区別した上で、書き分けるようにしてください。


コツ28 概要は10行程度(12行くらいまで)

申請書の「概要」は忙しい審査員にざっと内容を伝えるためのものですので、長く書かないでください。
科研費の公募要領 別冊(応募書類の様式・記入要領)
にも「概要については、10行程度で記述すること。」と明記してあります。

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コツ29 申請書はプレゼンとは違うんやで

本研究の目的はXXXである。と冒頭から目的を書く方がいます。これは賛否あるかと思いますが、個人的にはわかりにくいと思っています。

専門分野で無い人に対して、背景説明なしに目的を説明したところで、わかってもらえるとは思えません。

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コツ30 話は極力シンプルに

審査員はあなたの研究分野に詳しくありませんので、「登場人物」は極力少なくするべきです。遺伝子名、具体的な日時、細かい手順etc それらは申請書の内容を大体理解する上で本当に必須ですか?多すぎる情報は、本当に伝えたいことを隠してしまいます。

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