#科研費のコツ 41~50

コツ41 虎の威を借りるな

独創性に「研究分野の重要性」を書く方は多いです。
XXX疾患の治療法開発は重要であるから独自である。

しかし、そうすると、その対象を扱う全ての研究が独自となってしまい変です。聞かれているのは「あなたの研究」のどこが他より優れているか? です。

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コツ42 波及効果・インパクト

創造性とは、本研究が
(1)当該領域において議論となっている点をどう解決するか
(2)将来の研究の方向性にどう影響するか
(3)研究成果・データ・アイデア・技術は関連周辺領域にも利用できるか
(4)どう社会に影響するか
についてです。

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コツ43 シンプルに言い切る。

一番知っているはずの申請者が曖昧な表現だと、研究に対する自信のなさと受け取られかねません。過度な強気も問題ですが、多くの場合は言いきった方が
×「良い結果になる可能性が高いと考えられます。」
○「良い結果になります。」


コツ44 意識して批判的に見る

研究は予想通りになる方が楽しいので、誰もが自分のアイデアや結果を都合の良いように評価・解釈しがちです。
しかし、それは科学的な態度ではありません。
常に自分の中に批判者を置き、そうではない可能性を意識し、研究しましょう。

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コツ45 仮説ドリブンでいこう

コツ19でも述べましたが、研究目的を書けない方は意外に多く、そういう方々は目的欄に研究計画を書きがちです。

「本研究ではXXXの調査を行う。さらに、XXXについて調べる。」

こうなる理由は明白で、仮説(問い)が無いからです。

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コツ46 前者は独りよがり、後者は手段の目的化

仮説ドリブン vs データドリブン
は、しばしば持ち出される対比構造ですが意味があるとは思えません。

データが無いのに、仮説を立てることは無意味ですし、
仮説が無いのに、データを解析することも無意味です。


コツ47 読み手に、行間を推察してあげる義理はない

申請者はXXXがXXXであることを示してきた。本研究ではXXXを行う。

これだと「なぜその考えに至ったのか」が説明されていないため、伝わりません。
書かずともわかってくれるという考えは傲慢です。
丁寧に論を進めてください。

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コツ48 科学的な文章であっても、まとまった「お話」です。

桃太郎がおばあさんに提出した、きび団子の申請書

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コツ49 研究のイメージがわく程度には具体的に!

「XXXにおけるYYYの関係を明らかにする」

✓ XXXにおけるYYYの関係って具体的に何のこと?
✓ 具体的に何を・どうするの?
✓ どうなれば関係が明らかになったと言えるの?

など、短いながらにツッコミどころが多い罪な文章です。


コツ50 何が求められているのかを考えよ

逆に具体的すぎるのも問題です。

「本研究ではXXX(XXX社製)を用いてXXXを25℃で30分間反応させ、その後XXXを用いてXXXを検出し、XXXで定量する」

31℃だろうが、YYY社製だろうが、研究計画を審査するうえではどうでも良いことです。

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