供述-7
あー、なんだ、そいつに興味があるのか?
古い文献だよ、土地の神様のもん。
なんだか最近不吉なのがこのあたりうろついてるからな。心配で調べていた。
ああ、女の姿じゃないぞ、男だ。
首をかっ切って周りを呪いに呪って、どこぞかでは霊験あらたかな祟り神として祀られているらしい。
……いつもと口調が違うって? そりゃ中身が別人なんだからそうなる。
ちなみに多重人格じゃないからな。もともとこの見た目は俺ので、これは墨のまねっこなんだよ。
言ってる意味がわからん。まぁそうか。フィーリングで感じ取れ、フィーリングで。
この本屋、いつからあると思う?
太平洋戦争、第二次世界大戦、その前からある。
作家崩れだの、学生だの、他にはよくわからん……なんか……ふよふよした奴だの、妖怪にお化け、果てには神様までなんでも来る、そういう不思議な本屋だ。
それを俺の爺さんも、親父も守ってきて、俺もそうしていて。
今は、墨が守ってる。
……まぁ、そういうわけだから、見守っておくれ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?