白雨と器
ひび割れた命の器に
白雨は絶えず降り注ぐ
僕は満たされないまま
その中身が無いことを知った
雨曝しの器は
いつまでも満たされず
亀裂を埋められないなら
全て片付けて終わりにしよう
小さな器はまだ
生まれた意味さえ知らずに
答えは雨の中遠く霞んでいた
その冷たさも
その匂いも
ひび割れていた事も
僕は知らなかった
器から溢れる雫を
掌で掬えば
その水面には
小さな器が映る
未熟な器はまだ
君の雨を
受けきれなかった
無くした意味を探した
小さな器はまだ
生まれた意味さえ知らずに
打たれた雨の中僕は
廃れた器を受け止めて
迎えた終焉は雨の匂いがした
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