スーパー主婦として活躍する井田典子さんは、著書『「ガラクタのない家」幸せをつくる整理術』の中で、一生の哲学書として『羽仁もと子著作集』を紹介しています。著書では、特に影響を受けた言葉が紹介されている一番目が、書名にもなっている「ガラクタのない家」です。この文章が収録されている『羽仁もと子著作集第9巻 家事家計篇』は家庭科の教科書にしていただきたいくらい、とも書かれています。
井田さんも、著書の中で「はじめからガラクタという名前のモノがありません。モノが勝手に入ってきたのではなく、私たちが何らかの理由で家に入れたはずなのに、こちらの都合で役に立たなくなったり上手に生かせなくなった途端にガラクタと呼ぶのは身勝手です」と書かれています。羽仁もと子の「三度までもそのもののないために不自由を感ずるほどのものであったら、必ずその先もたびたび入用なものにちがいないのです」は、物のあふれる現代にも心に留めたい言葉ですね。