「BASARA 孤高のバサー」に対して情報開示請求をしたらどうなったか
今年2022年1月に、「BASARA 孤高のバサー」(以下バサラ)というバス釣り系ユーチューバーから、KDW並びに自分カケヅカに対して度を超えた誹謗中傷があり、名誉毀損よる侮辱罪、メーカーへの威力業務妨害罪として訴えるために弁護士に依頼して発信者情報開示請求をしました。
BASARA 孤高のバサーとは

去年2021年12月頃、知り合いから「『BASARA 孤高のバサー』というYou Tubeチャンネルがカケヅカさんのクラッチを絶賛してくれてますよ」という事を聞いてアカウントページを見に行ってみたのですが、動画のサムネイルを見ただけで辟易してしまい、正直関わりたくないと思ってしまいました。過激なタイトルの動画ばかりで、所謂炎上系というヤツでした。(バス釣りメーカーやバスプロ個人を名指しで誹謗中傷するタイトルばかりなので画像の添付は控えさせて頂きます)
バサラは自身の顔と名前は伏せていて、それでいて実在するメーカーやバスプロ個人に対して度を超えた誹謗中傷をしてるあたりにヤバさを感じました。下手に関係を持つと自分も同類と見られてしまうのは本当に避けたいというのが正直な気持ちでした。
しかし、間もなくしてその矛先が自分に向く事になります。
製品不具合とその対応について攻撃される
2021年12月にKDWから「SHIMANO21カルカッタコンクエスト100/101用オフセットクラッチ」という商品をリリースしたのですが、その商品を使った事でリールに傷が入るという不具合が見つかり、その事が原因でバサラとその取り巻きから攻撃される事になります。
予め断っておきます。製品に不具合があったのは事実ですが、この時点でリールに傷が入ったという報告は一件しか確認されてませんでした。数百個販売したうちの一個だけで、通常は販売中止やリコール対応までは踏み切れません。(後に数件確認できましたが、実際に傷が入ったという方は少数でした)
その一個に対しても返金対応はしてますし、隠そうと思えばできたところを誠意を持ってメーカー側からアナウンスしたのですが…。
















不具合に対してなんの対応もしないというのは全て嘘です。これまで過去10年全ての商品において、当然返品交換に対応してますし、使用済で傷のあるクラッチや他の製品に対しても返金対応をしてきました。それなのにこの言われよう。
良く調べもしないで嘘を拡散され、この時は本当に対処に困りました。
バサラの逆恨み
少しするとフォロワーさんから、バサラのTwitterアカウントが凍結された事を知らされます。バサラはそれに対してカケヅカのフォロワーにハメられた的な事を言ってますが、完全に逆恨みです。
バサラのTwitterアカウントがバンされた理由は、言葉使いが汚く、名指しで「殺す」「潰す」「ズタズタに切り刻む」など殺人を連想させる単語を連発した事により、関係ない人からも通報されたからです。
しかしフォロワーさんになるべく迷惑をかけたくなかったのもありますが、顔も名前もわからない人たちから身に覚えのない誹謗中傷を浴びせられて発信するのが本当に怖くなってしまいました。
ここから約2週間Twitterを開く事ができなくなります。自分のTwitterフォロワー数は7000人超えで、自社の発信ツールとして貴重なビジネスツールです。新製品の宣伝広告やメーカーとしてのおしらせ等、ビジネスツールとしてTwitterを活用してきましたが、こんなに長い期間運用を停止したのははじめてでした。


威力業務妨害罪
ここまで自分カケヅカ個人への攻撃が中心でしたが、ここでハッキリと公の場で「KDWの商品を買うな」とコメントしてます。これは名誉毀損による侮辱罪に加えて威力業務妨害罪です。

名誉毀損罪・威力業務妨害罪で訴えるために『発信者情報開示請求』手続き
商品の不具合の対応についてはTwitterやホームページなどで正式にアナウンスしたにも関わらず、その後執拗にバサラに粘着されました。当時チャンネル登録者数7000人超え(現在は1万人超え 2022年9月現在)のユーチューバーであり、人に噛みつく炎上系の動画で影響力がある人物だったために、これ以上の誹謗中傷は看過できないと判断。
各方面の方から多大なご心配を頂き、また多くの助言を頂いて、「BASARA 孤高のバサー」の運営者を名誉毀損罪並びにメーカーに対しての威力業務妨害罪で訴える事を決意します。

開示請求に強いという弁護士に片っ端から電話をかけ、一番レスの早かった弁護士に情報開示請求を依頼しました。
情報開示までの長い戦いのはじまり
Twitterのログが残るのが1ヶ月と言うことで、じっくり弁護士を吟味してる時間が無かったのもありますが、現在この手の開示請求が盛んな事で、その時忙しいタイミングの弁護士事務所ではレスポンスが良くない事もあるらしく、とにかく話を聞いてくれる弁護士さんなら誰でも良いというのが本音でした。
釣り仲間の助言で、当初はYou Tubeの方から開示しようと思ったのですが、弁護士のアドバイスでTwitterの方から開示していくことになります。これが戦いの第一歩。
自分でも色々調べましたが、まずはこれまでの誹謗中傷のツイートや動画、You Tube内のコミュニティーのコメントなど、証拠になりそうなものを片っ端からスクショしていきます。
この時大事なのは必ず日付が確認できるようにしておくこと。自分は焦って日付や時間がわからなくなってしまったものも多くあったのですが、そこは一応そのまま弁護士さんに提出しました。
地獄の陳述書作成作業
その後陳述書の草案を作成しますが、これが中々過酷でした。
誹謗中傷の内容をスクショで保存してたものの中から、特に酷かったものを抜粋して、日付と時間などを添付して弁護士事務所に提出するのですが、自分の悪口を言われている動画を何度も見直し、誹謗中傷されているツイートのスクショを延々と精査する作業は地獄です。
「こんな思いをするならもう訴えるのは諦めようか」「放っておけばそのうち鎮火して誰も気にしなくなるかも」という思いが頭をよぎるのですが、それでも散々悪口を言われ、嘘を拡散されてこのまま引き下がったら、この先商売を続けていく上でずっと負け犬のレッテルを貼られてやっていかなくてはいけないような気がして、ここでやめる訳にはいかないぞという気持ちになります。
「なぜ自分がこんな思いをしなければいけないのか」という自問自答を繰り返しながらも、「自分と自分の家族、従業員、KDWの商品を使ってくれているユーザーさん、そしてTwitterのフォロワーさんにまで危害が及んでる事を考えると、トコトン最後まで戦わないといけない」という気持ちでなんとか奮起して草案を書き上げます。
Twitterからの開示請求が頓挫
弁護士に情報開示請求を正式に依頼し、草案を提出して、それを弁護士事務所で英訳したものをアメリカのTwitter社に送ります。そこで一旦Twitter社が開示を拒否し、改めてアメリカの裁判所から開示命令を出してもらうまでが一連の流れのようです。
1月に依頼してから数ヶ月、弁護士事務所から連絡があり、Twitterからの開示は無理だと。理由は色々あるのですが、バサラのアカウントが早い段階でバンされてしまったのも関係あるのかもしれません。こちらの証拠が足りなかったという事になってしまうでしょうか。
Twitterはユーザー情報が少ない場合があり、プロバイダ情報から地域までは特定できたのですが、そこから先は不明なままだと。ただ、d○c○m○の携帯電話を契約してる事まではわかりました。
携帯電話のプロバイダーから開示請求
Twitterからの情報開示が無理となったのですが、そこで終わりという事にはできません。トコトンやります。ここで携帯電話の契約者情報の開示請求を依頼。しかしその結果もイマイチで、住んでる地域の中で本人を特定する情報は得られなかったという答えが。
並行してYou Tubeから情報開示請求
ハッキリ言って最初からYou Tubeで開示請求をすればよかったのかもしれません。でも自分にはその方法や経緯についての知識があまりにも乏しかった。
ここで本丸のYou Tubeから情報開示請求をする事にします。「BASARA 孤高のバサー」というチャンネルは存在してましたし(2022年9月現在も存在している)、自分とKDWを誹謗中傷して嘘を拡散している動画も消さずに存在してました(現在は削除済み)。
ここまでかかった費用は余裕の100万円超え。今回は成果報酬ではなく前払いだったため、これで開示されなくても調査費用は返ってきません。
それでも開示の可能性があるならやるしかない。ここまできて引き下がれるか、と。
携帯電話のプロバイダーとYou Tubeは同時進行で開示請求してましたが、先に携帯電話の方が頓挫しました。あとの望みはYou Tubeだけ。
ここで動きが。
バサラに開示請求の通知が行く
Twitterの時は自分がバサラに対して開示請求してる事は通知されなかったみたいですが、ユーチューブに登録してるメールアドレスにグーグルから、「あなたに対して開示請求してる人がいます」とバサラ宛にメールがあったようです。
この時点ではバサラは誰から開示請求されてるかわかってません。でもこれで相当ビビリ散らかしたようで、過去の動画を削除し、コミュニティーのコメントでいきなり謝罪をはじめます。


コメントの中で謝罪すると言いながら、その物言いは相変わらず高圧的で自分勝手。
これまで散々バス釣りメーカーやバスプロを名指しで叩いてたのが、開示請求されてると分かった瞬間に手のひらを返して、しまいには自分が被害者のような言い草。
このあと事態は急展開します。
バサラから謝罪文が届く
You Tubeに登録してるバサラのアドレスにアメリカの裁判所から、
『開示請求してる人物はカケヅカだ』
と知らされたバサラが、自分からアメリカの弁護士に対して謝罪文をメールで送ってきたのです。


こちらの弁護士宛にもメールが
アメリカの弁護士宛に謝罪メールがあってから一週間後、こちらの弁護士宛にもバサラから謝罪メールが届きます。


数ヶ月前に散々誹謗中傷してきたのは何だったのでしょうか。怒りを通り越して呆れます…。
ついに情報開示!
結局You Tubeからの開示を待つ事もなく、バサラ自身がこちらの弁護士に自らの情報を開示してきました。
2022年1月から始まったバサラの誹謗中傷から8ヶ月。バサラに謝罪させるという一つの目的はクリアした訳ですが、なんともモヤモヤが晴れない結果となりました。
匿名の覆面で壁の向こうから悪口を言ってくる輩
自分の顔と名前は決して表に出さず、実名の相手に対して過激な誹謗中傷を繰り返す。煽り炎上系のブログやSNS、動画などはアンチも巻き込んで短期間で有名になったりします。
バサラもチャンネル登録者がうなぎのぼりに増えて、まるで自分が世界で一番有名人になったと勘違いしてしまったのでしょうか。
でもそれは決して運営者本人が支持されてる訳ではありません。その証拠に誰一人実名顔出しでバサラを擁護する人はいないですよね。タダの炎上系ユーチューバーのために、誰も火の粉は被りたくないですから。
自分もブログやSNSをやってるのでわかりますが、リアルに相手の目の前で言えない事はネット上でも言うべきではありません。
本人の目の前で直接言えないから、顔と名前を隠してキャラを作り上げて、そのキャラになりきって過激な事を言ってるだけです。
他人や世の中に対して誹謗中傷する人は、自分の環境に不満がある、または自分自身へのコンプレックスから別のキャラになりきって行う場合が多いそうです。
結局バサラもその一人だったという事だったんでしょうか。
バサラは無敵の人だったのか

今時ここまで過激な物言いをするのって、もしかしたら反社会的勢力の関係者なのかなと、情報開示請求を決意するまでには悩みました。
しかしネット上で顔と名前を伏せてイキってるヤツに限って、リアルの顔は大人しい普通の人か、もしくは生活困窮者が多いと聞きます。
今の時代に名指しで「殺す」「潰す」「ズタズタに切り刻んでやる」などとネット上に言葉を残せば、スクショを撮られて訴えられるに決まってます。それを堂々とやるあたり、リテラシーが相当低いと言わざるをえません。
もしかしたら、いざ開示請求をされて訴えられても、財産や家族、職や地位など失うものが何もない、所謂無敵の人だと自分の事を思っていたのかもしれません。
こちらとしては、賠償請求をするにしても無いものは取れません。
今後は分割払いで賠償金を払わせる手続きを進めていく事になりますが、法的な強い拘束力はないらしく、途中で逃げられてしまうかもしれません。
それでも自分としてはバサラの素性を突き止めただけでも、今回の情報開示請求をやってよかったと思ってます。
いまのところまだ「BASARA 孤高のバサー」というチャンネルは存在しますが(2022年9月現在)、そこでのサムネイルや動画内での口調も、すべて気の弱い無職のおじさんが必死でキャラを作ってやってるという事なのでしょうか。
今後の活動への自信になった情報開示請求
今年2022年1月から開始したバサラへの情報開示請求ですが、最初の頃は本当に苦しかった。何か発信すればバサラの取り巻きと思われるアカウントから中傷され、それを逐一バサラに報告してるんじゃないかと疑心暗鬼になって心が病みました。
でも今回の事で沢山のフォロワーさんや友人知人の方からご心配の声を頂き、また励ましの声をもらって、このまま泣き寝入りではいけないと奮起。
開示請求をして相手とやりあう覚悟をします。
しかし結果は今回書いたようになりました。蓋を空けてみたら拍子抜けするぐらい普通に謝罪してきて、本当にやりきれない思いです。
日々ネットで発信してるといろんな人がいろんな反応をしてきます。多くは楽しくインターネットの世界を楽しんでるように見えますが、一部心を病んでこちらの意図を誤解し、攻撃的に絡んでくる人もいます。
これまではそう言う人はスルーするか、大人の対応を心がけてきましたが、今回のように度を超えた嫌がらせには法的対処も辞さないという毅然とした態度が大事なんだと実感しました。
最後に
現在しかるべき処分を課してもらうために動いてるところです。
相手の本名や住所・生年月日はわかってるので、弁護士とも連携して動いてもらってるところです(2022年9月現在)。
それにしても、ここまで本当に時間とお金と労力をつぎ込みましたが、経験以外は無駄に終わった感じです(笑。
まあその経験は自分の中でものすごく大きなものでしたけど。
文中でも言ってますが、顔も名前も職業もわからない人から誹謗中傷されてる時は本当に怖いんですよね。でも素性がわかった瞬間に怖さがスッと消えます。
ネットでの発信者情報開示請求をするという事は、自分の日常生活を守る意味でも一度はやっておいた方が良いと実感しました。
不安な日々を送るのは精神衛生上よろしくないですからね。たとえお金を一銭も取れなくても、自分が自分の名誉のために動いたという事実が大事なんだと思います。
今現在インターネット上での誹謗中傷に関する法改正が頻繁に行われてますから、今後は匿名の覆面で何か書き込んでも、開示される確率は高まってると言えるでしょう。
自分はブログやSNSを始めた時から実名の顔出しだったので、発信には細心の注意を払ってきました。
だからこそ、匿名&覆面で実在するメーカーや個人を攻撃する人を許せない思いが強かったんだと思います。
今後も言われのない誹謗中傷を受けた場合は、毅然とした態度でしかるべき方法をとっていこうと思います。
一番良いのは常日頃から誹謗中傷されるような状況にならない努力を惜しまない事だと思いますが、今回のように見に覚えのない嘘を拡散されたりする事は起こり得るので、その時の防衛策として、発信者情報開示請求という手段を覚えておいて損はないと思いました。
それでは。
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