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フォンテーヌの植物図鑑テキストver4.5


マルコット草

真珠のような光沢を持つ、華やかな桃色の花、豊かで複雑な香りを放ち、調香する際の主な材料の一つである。
花言葉は「純潔」「真摯な思いやり」
フォンテーヌでは、調香師になるための最初の授業で、マルコット草の香りの抽出方法を学ぶことになる。また、その花蜜はジャムや酒の香り付けにも使われ、フォンテーヌの日常生活において欠かせない一部となっている。

プリュイロータス

水元素の豊富な所で育つ植物。フォンテーヌの長い雨季の後、至る所にその姿が見られることが命名の由来。
周囲の水元素濃度に異常が発生した時は、この植物の成長にも不可避的に影響がもたらされる。古代フォンテーヌの自然哲学者たちはこの植物を占いに利用したと言われている。プリュイロータスの成長状況に基づき、生き物の運命や未来の出来事を推測したそうだが、具体的な占い方は今日に受け継がれていない。

タイダルガ

波に流されながら生きている藻類。他の植物が排出する養分に頼って生命を維持している。浮遊生物と誤解されることが多いが、その本質は、実のところ浮遊植物である。
文献によると、古代の哲学者たちはタイダルガを絶賛していたという。「自由意志のある動物でありな がら、自らの存続のために命を奪うことはない」ことから、「俗世で最も高貴な生命」と讃えられていたのだ。しかし、生物に関する知識の発展に伴い、その賞賛は最終的に消えていった。

レインボーローズ

すらりと伸びる姿が美しい、柔らかなピンク色の花 。ローズという名前ではあるが、実際は百合により近い。
花言葉は「情熱」「出会い」だ。
古い記録によると、虹色の薔薇はかつて大地の至るとこで見られたという。その鮮やかな色は、第七天の光とも比肩する程だったそうだが、今やその色とりどりの薔薇は絶滅してしまい、それに付き添って育っていた花が時代の終盤の混乱に乗じて「レインボーローズ」の名前を奪い取ったのだ。

ルミドゥースベル

優雅に佇む、紫色の清楚な花。その淡く清らかな香りは繊細にして優しく、貴重な香水の製造に使われることが多い。
花言葉は「離別」「再会への願い」
コペリウスは自身の劇『黄金のヒュベルボレイア』で、この花を「水晶の涙」と呼んでいた。胸いっぱいに想いを秘めたお花が極北の凍り果てた土地に流され、氷の風により永遠の美しさが保たれたという物語である。彼と同時代の評論家は、永遠の美、永遠の愛に対する彼の追及は極端的だという見方が大半だ。この点は、彼の最後の作品で如実に表れている。

湖光の鈴蘭

純粋で清らかな青い花。水脈の集まる場所で育つ。 優しく爽やかな、品の良い香りがする。
花言葉は「待ち望む」「永遠の約束」
古い言い伝えによると、湖のように澄み切った清らかな花は、衆の水の女主人から最後の純水騎士へと贈られた餞別の品であった。フォンテーヌでは、旅立つ人のために鈴蘭を摘んで贈る風習が今でも残っている。その行く先の海が済んだ水面のように穏やかであること、そして大切な人がこの涼しげな微かな光に導かれ、再び自分の元へと戻ってくることを願うのである。

ロマリタイムフラワー

淡い青色が高貴な花。柔らかい花蕊は吸水性に優れ 、弾力があるため、多くの日用品の原材料として使われている。
花言葉は「忠誠」「不変の誓い」
フォンテーヌの民話によると、ロマリタイムフラワ一はかつてエゲリアに恋焦がれる水の精霊だったと言われている。この民話は主に、この花が水元素に触れると咲くという生物的性質から想像されたものだが、乏しい知識と溢れる表現意欲を持つ人類の特徴である。

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