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kakashi

新米の季節である。
近隣の田んぼでは稲刈りが終わり、
黄金色の海は消え、はぜかけされた稲の風景へと変わる。
刈り取られた後の田んぼはいささか寂しい…
が、そんな田んぼに彩を添えてくれる存在がいる。
「かかし」である。
かかしは稲の守り神でもある。
人間に見せかけて鳥獣が近づかないように稲を守っている。
この時期になると各地でお目見えするかかし、
バリエーションに富んだかかしがお目見えし、かかしを一堂に集めたかかし祭りなるものも開催されている。
テレビで目にするだけで実際に行った事はないが、けっこうクオリティが高く、その年の世相を反映したものもあり、年々パワーアップしていると感じる。
そんなかかしに出会える田んぼが近所にある。
ここ3年を振り返ってみる。

2019年


時は平成から令和へ。歴代陛下が田んぼにお目見え。
顔立ちや仕草、それぞれ特徴を捉えている。
車窓から思わず手を振りそうになる。逆パターンで陛下に出会えるなんてめったにない機会である。

2020年

チコちゃんとキョエちゃん。(+娘 両方と手をつなぎたかったのだが微妙に届かず…)
「ねーねーそこのあなた、なんで~お米を干すのか知ってる?」
知らないでいると、チコちゃんに叱られること間違いなし。
「ボーっと生きてんじゃねーよ!」

そんなことも知らないで新米おいしね~などと言ってる日本人の皆さん!


2021年

なおみ。
「一番大切なのは、我慢。」
彼女の名言はいろいろあるが、今回はこの一言がしっくりきた。我慢して我慢してやっとおいしいお米を頂くことができるのだ。こんな時だからこそ、その一言に重みを感じる。

さらにこのかかし、実は抽選で当たる!のである。
そのことを知ったのは去年だ。
娘が通うピアノ教室の先生と話していてかかしの話になった。
その田んぼは先生の同級生の田んぼだという。
先生は御年60才、同級生は男性。学生当時は彼にそのような才能があるとは知らなかったとのこと。
毎年田んぼを通りかかった際に彼とその年のお米の出来栄え、ではなく、かかしの出来栄えを語り合うのだという。
そしてかかしが当たるという情報を得た。
先生と娘が盛り上がり、私の意見も聞かずに「応募しよう!」ということになった。
そりゃね、当たったら嬉しいけどね、置き場所ないよ…庭?無理無理!
娘は自分の部屋に置くから!と言い張る。無理無理!
結果、当たらなくて残念ではあったが、ちょっとホッとした。
娘はたいそう残念がっていたが…

そんなこんなで毎年おいしい新米を頂くことができるのは農家の皆さんとかかしのおかげ、である。さて、今年、なおみは何処へ旅立つのであろうか。

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