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高須光聖 全ては「放送室」で語られている。

■全ては「放送室」で語られているのではないか

放送作家の高須光聖さんが11月3日投稿のカジサックのYoutubeチャンネルにゲストとして出演されました。

高須さんは兵庫県尼崎市出身で、ダウンタウンのお2人と小学校からの同級生です。長年ダウンタウンを裏で支え、ごっつええ感じやガキの使いを始めとするダウンタウンの各番組や、数々のバラエティ番組に携わっています。まさに「3人目のダウンタウン」として精力的に活動されています。

また高須さんは、松本人志と2人でラジオ番組のパーソナリティとなり、2001年から2009年の約9年間に渡って、2人の地元や仕事仲間についてトークしています。これがTOKYO FMで放送された伝説のラジオ番組「放送室」です。

動画内でもカジサックが「NSC(吉本の養成所)にいくより勉強になる」と紹介しており、「笑いの神様」と「放送作家界のレジェンド」が送る「放送室」は、終了から10年以上たった今でも支持する方が多くいます。そして僕もそのうちの一人です。

僕はこの「放送室」を、中学生の頃から約10年以上聴き続けています。いわば放送室フリークの僕が、今回高須さんが出演された動画を観て、あることに気がつきました。それは、高須さんの発言のほとんどが、「放送室」で既に発言されているのではないかということです。

この記事では「カジサックの動画での高須さんの発言の何%が「放送室」で既に話していることだったか」を明らかにします。これにより、いかに「放送室」が高須光聖いわんやダウンタウンのほとんどを網羅しているか確認できるはずです。

■動画内のトピック

【超神回】放送作家 高須さんが語るダウンタウンさんの凄さとは…

38分46秒間の動画で語られていたことは以下の通りです。このうち「放送室」でも語られているトピックは太字にしています。

(1)0:00~4:15 オープニング
(2)4:15~4:26 高須登場、「初めまして」の挨拶
(3)4:26~5:06 「ガキの使い」だけ現場に行く
(4)5:06~5:26 カジサック緊張を伝える
(5)5:26~6:20 YouTubeへの印象
(6)6:20~7:00 相方西野の印象
(7)7:00~11:28 小学校の頃のダウンタウン
(8)11:28~12:55 松本が芸人なると思ったか
(9)12:55~13:23 芸人になろうとは思わなかったか
(10)13:23~14:55 浜田の凄い所
(11)14:55~15:52 小学生の頃の笑いの勝ち負け
(12)15:52~17:32 放送作家になったきっかけ
(13)17:32~21:15 若手の頃の苦労
(14)21:15~24:45 放送作家のやりがい
(15)24:45~26:57 面白い人が集まる場所とは
(16)26:57~29:15 今のテレビの面白さ
(17)29:15~30:33 テレビ以外への進出
(18)30:33~31:01 いつまで現役か
(19)31:01~32:30 松本の影響力
(20)32:30~32:50 松本「俺になりたいか」
(21)32:50~34:18 松本のストイックさ
(22)34:18~37:18 放送作家になるのに大事なこと
(23)37:18~38:46 エンディング

23個のトピックのうち、「放送室」で既に語られていたことは7個でした。秒数にすると836秒です。動画内に高須さんが登場する秒数は2009秒(33分29秒)です。つまり今回のカジサックの動画で、高須さんが発言されたことの約42%が「放送室」で既に話されてることでした。

いかに「放送室」が高須さんの要素を余すことなく網羅しているかお分かり頂けたと思います。

■動画での会話の概要と「放送室」での該当回

ここからは、Youtubeの動画での会話の概要とその会話が「放送室」の第何話で話されているのかまとめていきます。

(1)カジサックのオープニング
放送作家界からの初ゲストとして高須さんを迎えいれることに緊張を隠せないカジサック。「放送室」を持ち上げる発言も。
○「放送室」該当回:なし

(2)高須さん登場
お互い挨拶を交わす。
○「放送室」該当回:なし

(3)「ガキの使い」だけ現場に行く
本来芸人と放送作家はテレビ収録の現場で対面するが、「ガキの使い」のみ現場入りするため、カジサックの出演番組を担当するも直接会ったことはなかった。
○「放送室」該当回:なし

(4)カジサック緊張を伝える
緊張するカジサックに対し「大御所扱いして自分のペースに巻き込むのやめて」と返し、場の空気を和ませる。
○「放送室」該当回:なし

(5)Youtubeへの印象
Yotubeへの印象を聞かれ、「面白いモノが一番伝わりやすいところでやりたい」と発言するも、テレビを守りたい気持ちもある、と背反する気持ちを吐露。
○「放送室」該当回:なし

(6)相方西野の印象
カジサックの相方西野は前から交流があり、突飛な発想が面白いと言い、カジサックが悔しがる。
○「放送室」該当回:なし

(7)小学生のころのダウンタウン
ここからカジサックが用意した質問が始まる。まずは小学生の頃のダウンタウンについて。小学5年の頃、「熊谷と糸田川という近所の2軒の歯医者の院長が道でばったり会って喧嘩する」という漫才を作った松本に対し、高須さんは衝撃的な印象を受ける。また6年の頃には松本伊藤森岡の3人で「コマ第三支部」という名前のトリオ漫才をしていて、これも自分にはない発想で羨ましく思う。
○「放送室」該当回:第2回、第40回
第2回で「歯医者の漫才」について、第40回で「コマ第三支部」について語られている。しかし、ツッコミの際に眼鏡を天糸で引く、コマ第三支部のそれぞれが「木ゴマ君、鉄ゴマ君、プラスチックゴマ君」だった、というエピソードは語られていない。

(8)松本が芸人になると思ったか
「プロの笑いよりも、身内の共通体験の方が面白かったりする」と語り、小学生の頃の松本の笑いが本物かどうか図りかねる。しかし大学生の頃友人と共にダウンタウンの漫才を見に行き、2人を直接知らない友人が2人の漫才で笑う姿を見て、本物の笑いだと認知する。
○「放送室」該当回:第?回
「放送室」でも、このエピソードを確実に話されているが、第何回の放送分だったかは確認できなかった。

(9)芸人になろうとは思わなかったか
松本の存在が絶対であり、相方の浜田でさえも松本についていくのに必死だと推察。変なプライドをもたずに「松本は凄い」と素直に認める高須さんの人の良さが伺える。
○「放送室」該当回:なし
意外にも「高須が芸人になろうと思ったか」という会話はされていない。第2回では、「客観視できないから芸人にはなられへん」と語り、カメラの前では上がってしまうという会話が度々されるため、「高須が芸人になる」という話は、松本との間では話題にすらならない共通認識なのかもしれない。

(10)浜田の凄いところ
心の強さが浜田の良いところだと評価。カジサックが「浜田さんは若い頃クイズ番組でクイズ台の上に跳び乗ってたと聞いた」と発言。
○「放送室」該当回:第2回
第2回で松本の「浜田の図太さに助けられている」というエピソードで「クイズ台の上に乗る浜田」が語られている。この衝撃映像はYoutubeに上がっている。当時27歳の浜ちゃんが台の上に乗ってメンチを切る様子が3:24あたりから確認できる。

(11)小学生の頃の笑いの勝ち負け
小学生の頃に既に「松本には勝てない」と認め、松本が笑うか笑わないかが高須さん自身の指標になる。
○「放送室」該当回:多分なし
「松本人志を常に意識してしまう」といった会話はあった気もするが、「アイツ(松本)が笑ったら嬉しいし、アイツが笑えへんかったらオモロない」といったストレートな発言は無かったと思う。

(12)放送作家になったきっかけ
大学卒業後インポートグッズ屋に就職予定だったが頓挫し、松本に「俺のブレーンやらへんか」と誘われ放送作家になった、と偶然性を認める。
○「放送室」該当回:第2回
第2回で旧友の話の流れで、高須さんが放送作家になったきっかけが語られている。当初は「映画を撮りたい」という気持ちで松本に再会した際に、「ブレーンやらへんか」と誘われたと話す。松本も「ブレーンって言葉使いたかっただけやねん」と笑う。

(13)若手の頃の苦労
当時の東京のテレビ業界は関西人が少なくいじられもしたが、会話の輪に入れることが嬉しかったと、当時の環境を知れる苦労話を披露。
○「放送室」該当回:多分なし
関西いじりをされることや、放送作家始めた当初は全然はまらず辞めようと思ったというエピソードは語られているが、「フジテレビの星野さんに名刺交換させてもらえなかった」や「浜田のコントがきっかけで認められた」といったエピソードはない。

(14)放送作家のやりがい
「恋するハニカミ」という番組で芸能人同士がデートをする企画で「最初に手を繋がせる」案を出したことで、番組がよりリアルになったと語る。
○「放送室」該当回:なし

(15)淀んだ場所におもろい人が集まる
昔のテレビ業界は胡散臭かったため期待感があり、若い人や面白い人が集まったが、今は整備されてしまって集まりにくいとテレビ業界を危惧。
○「放送室」該当回:なし
「放送室」でも、多くの回で当時抱いていたテレビへの不満を話しているが、「昔はよかった」という年長者のボヤキがほとんど。しかし今回の動画では、YoutubeやNetflixなどの強い競合と比べ「テレビは綺麗に整い過ぎだ」と、メディア業界を俯瞰した意見を述べている。

(16)今のテレビの面白さ
「テレビでやってはいけないこと」を視聴者が理解しているから、その淵ギリギリを歩くと面白くなる、と放送作家ならではの分析をし、成功例として「水曜日のダウンタウン」を挙げる。
○「放送室」該当回:なし
いつかの回で松本が「客がテレビで放送できないことを理解してきて、ちょっと過激なことを言うと引いてしまう。放送でカットされても現場では笑って欲しい。」と不満を述べていた。しかし今回の動画では「その理解をもてあそぶことで面白くできる」と前向きに捉えている。

(17)テレビ以外への進出
生活に密着するYoutubeは年齢的にしんどい部分があるが、テレビとは違う笑いが出せるなら他の媒体にも興味ある、と他メディアに対し前向きに意見。
○「放送室」該当回:なし

(18)いつまで現役か
「ずっと自分がやりたい、若手には譲らない」と57歳には思えない姿勢を見せる。
○「放送室」該当回:なし

(19)松本の影響力
松本のせいでやめられないと笑い、若い頃「10年後の芸人がどこの踏み場もないくらい全部やろう」と語り合ったと明かす。
○「放送室」該当回:第?回
「ごっつええ感じ」のコントをやってる際に「笑いの全部をやってやろう」という意欲を持っていたと話されていたが、どの回だったかは分からなかった。

(20)松本「俺になりたいか」
カジサックが松本と食事した際「俺になりたいか」と聞かれたと話す。常に笑いを求められる松本の苦しみを代弁している。
○「放送室」該当回:第364回
「誰に生まれ変わりたいか」というアンケートをNSC在学生へした際、松本人志と答えた人が一番多かったという話題を出している。また、度々松本は「俺より山崎になりたいって人が多いと思う」とも言っている。

(21)松本のストイックさ
ロケバスでの帰り道、笑いが取れていなかった山ちゃんに対し松本が「反省しないのか」と言っていて、笑いの頂点に立つストイックさがあると認める。
○「放送室」該当回:なし

(22)放送作家になるは「違和感」を感じる力が必要
放送作家になるには、ここを突けば面白くなりそうだという「違和感」を感じる力が必要とし、その具体例として「高層ビルのチラシ」を出す。地域ごとにポスティングされるチラシの種類が異なり、高層ビルには、万が一の際に飛び降りるためのパラシュートのチラシが入っていたと、明かす。
○「放送室」該当回:第120回、第162回
第120回で「高層ビルのチラシ」を話すが、ここでは「放送作家に必要な要素」という背景では話されていない。一方第162回では、高須宅に泊まる後輩に対し、シャワーをしっかり止めず、自分のタオル以外をも濡らす様を「放送作家には繊細さが必要だ」と説教をしたと語る。
表現は異なるが、「違和感を感じる力」と「繊細さ」は同じことを指している。

(23)エンディング
「覇気があった」とカジサックが高須との初めての対談を終えた感想をまとめ終了。
○「放送室」該当回:なし

■「放送室」のすごさ

当たり前のことですが、今回の動画には「放送室」で話していることもあれば、話していないこともありました。しかし、2020年に投稿された動画のうち、10年以上前のラジオ番組で語られていたことが44%を占めているのは、中々高い値ではないでしょうか。

「『放送室』を聞いたことないなんて、人生半分損してる」とは思いませんが、「放送室」を聞いた僕の人生は、聞いていなかった人生よりも、確実に楽しいものになっています。

高須さんもダウンタウンも常に笑いを生み続け、これからも更に面白い世界に連れて行ってくれるはずです。「3人のダウンタウン」が作り出す最新の笑いも追いつつ、僕は変わらず「放送室」を聴き続けます。

この記事を書くにあたり、北関東一の「放送室」ファンを自称する方が作った「放送室」の非公式・非公認サイトを参考にしました。全391回の放送分の各々の概要や、名物の挨拶、用語辞典まで網羅された見応え抜群のサイトです。出来過ぎのクオリティに僕以上の「放送室」への狂気じみた愛を感じられます。


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