公文を小学校の宿題にしてほしい

小四の長男の勉強がやばい。本人はやばいと思っていないので詳しく書きたくないのだが、私からするとやばい。漢字テストは100点満点中の40点がデフォルト。さすがにのび太よりマシだと本人は笑っているが、日本語しかできないのに漢字もできないとなると、きついのではないか。それなら3ヶ国語ぐらい堪能でないと今の社会ではできないやつの烙印を押されるのではないか。いや語学でなくてもいい。何か長けているものがなければ生きづらくなるのではないか。
何一つ長けていない、日本語しか使えない私はそう思うのだ。
彼は算数は国語に比べると少しマシではあるが、小学校の通常授業を理解できている、という普通さ。運動も真ん中、音楽は流行りの曲を歌うぐらいのことで、絵はめちゃくちゃ苦手。不器用なので工作関係もイマイチである。ハマっていることはゲーム(フォートナイトやマイクラ)というべたさ。

習い事を何もしていないのでこんなものなのかもしれない。
彼にもいいところはたくさんある。おおらかで友達ができやすい。保育園から始まり、今まで学校を嫌がったこともない。人の悪口を言わない。よく食べる。よく喋る。まだ十歳、十分だ。

周りが幼少期から英語塾やたくさんの習い事をしているのを知っていても、のびのびとした一見無駄な時間を過ごさせるのも必要であろうと正当化していた。ある程度勉強の基礎はできておいた方がいい。素地があれば、学びが早い。これらの理解はしていたが、忙しさにかまけて放っておいた。勉強ができなくても本人が生きる道を見つけるであろうとも思っていた。中学あたりで焦るのだろう、焦るものもまたよし、なんて呑気に思っていた。先月まで。


先月のことである。そんな彼が、中学受験をしたいと言い出した。我が家にはお金がないから中学受験は無理だと言ってあるのに、なんてことを!と思ったが、よくよく聞いて見ると、都立の中高一貫校らしい。3月まで神戸に住んでいたのでそんな学校があるとも知らなかった。さっそく見学に行った。良い学校だった。本当に目指すのであれば、対策をねらねばなるまい。
彼に、中学受験とは特殊なゲームなので、一つずつレベルを上げてそれ用の力をつけて挑まなければならない、と伝えると、ゲームが大好きなのですぐに理解できた様子。

がしかし、漢字は40点、掛け算や割り算の筆算もしょっちゅう間違えているレベルでは受験塾どころではあるまい。だからと言って個別指導の塾で基本を教わるのもなんだか癪に障る。そこで私が選んだのは公文である。

簡単なところからスタートさせて、勉強の習慣をつけて、気がついたら授業より先取りできていて、という段階になったら受験塾にチャレンジしよう、という計画である。彼も、友達が公文に行っていることもあり、すんなり、公文いくわ、とのことだった。

今日から公文の体験が始まる。
先生と相談して、それなら宿題多めにやった方が良さそうだけど頑張れるかな?と聞かれた彼は、うんできそう!と返事をしていた。
その気楽さがいいところなのであるが、果たしてどうなることだろうか。学校の宿題さえまともにやっていない気配なのだが?

いっそ、公文は小学校のカリキュラムに取り入れてくれたらいいのに、と思う。課外活動みたいな感じで、やりたい子はたくさんやってどんどん進めばいいし、やりたくない子はできる範囲でいい。公文だけじゃなくて他にも外部講師を学校に呼んでやりたい子にレッスンすればいいのに、と思うのは安直な考えか。音楽も図工も科学も語学も、みんなで揃ってやる基礎的な勉強は午前中、午後は好きなこと、ってならないもんか。学校の先生も午前中で基本は終わりで午後は外部の委託された先生が対応するってのではダメなのか。この案だと全体の学力が下がるのかもしれないし、税金(大人や人手のリソース)が足りないのかもしれないし、子どものためにならないのかもしれない。知らん。そこまで考えていない。私は私に稼ぐ力がないからこんなことを考えているだけである。

ともかく、今日、彼は新たな一歩を踏み出すのである。
中学受験への道に行くための道に入るというわけ。
ああ、遠くて何もまだ見えない。

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