見出し画像

ARスタートアップMESONが「受託」という言葉を一切使わない理由。

MESONは外部の企業とパートナーシップを結んで、様々なARサービスを作っている。

過去にはARファッションショーや、AR Cloudを使った都市計画サービスを作っていて、世界最大のARアワードでファイナリストに選ばれた。

SnapchatやMagicLeapなどと並んでの選出で、過去10年でソフトウェア領域では日本から初だ。


そうした事業をやっていると外部の人に話すと、「ああ、受託事業を営まれているんですね」と言われることも多いのだが、その度に「受託ではなくクリエイティブスタジオ事業をやっています」と答えている。

契約形態として広い意味での「受託」に含まれるのは理解している。
しかし、日本で「受託」と言ったときに、クライアントが言ったことを忠実に実装する下位組織といったイメージがどうしても付きまとう。

自分たちは、パートナー企業がやりたいことのレベルを100だとしたら、その10倍の1000くらいのレベルのものを考えて作っているという自負がある。

ARは新しい領域で、相談段階でプロジェクトのゴールや作りたいもののイメージが固まっていることはまずない。

だから必然的にコンセプトやサービス設計も含めて0から考えて作っている。

クリストファー・ノーランの監督作品を観て、受託作品だと思った人は皆無だろう。

それと同じで、極限まで自分たちの作品性が詰まったサービスを「受託」という言葉でくくるべきでないと思っている。

だからMESONは自分たちがやっていることを、決して受託制作事業と呼ぶ気は今までもこれからもないし、あくまでクリエイティブスタジオ事業だと呼び続ける。

言われたものをそのまま素直に作ったら格段に利益率は高くなる。
しかし、なぜ0から考えるといった非効率なことをしているのか。

一つはもちろん、パートナー企業のために、彼らと一緒に最高の作品を作りたいからだ。

そしてもう一つは、MESONは最終的に自社サービスで世界で戦っていく組織であり、クリエイティブスタジオ事業はそのためにAR時代のユースケースと最適なUXを研究する活動と位置づけているからだ。

だからどんなに時間がかかっても、「これは本当にユーザーが欲しがるのか?」「これは、はたして本当にARである必然性があるのか?」を問い続ける。

言葉の力


普段使う言葉で、自分たちの仕事意識は形成される。

だから自分自身やチームで普段使う言葉はかなり意識している。

仕事を受注する仕事という広い意味の「受託」という言葉に自分たちの仕事を包含させることはもちろん可能だ。

しかし、自分たちの仕事を「受託」だと呼びながら作った映画と、自分たちの仕事は全く新しいストーリーや表現を開発する仕事だと定義しながら作った映画のどちらが面白くなりそうか?

パートナー企業が求める以上のアウトプットをここまで真剣に考えて、AR時代のユースケースとUXを作りにいっている会社は他にはないと自負している。

だからこれからもMESONは、自分たちのことをAR時代のユースケースとUXをつくる会社だと定義づけ、そのためにクリエイティブスタジオ事業をやっている、と言い続ける。


まとめ

MESONのAll Hands(全体MTG)で、過去2回ほどした話をnoteにしてみました。

おそらく、この話を一度もしていなかったらMESONは全然別のカルチャーの会社になっていただろうなと思います。

さいごに、MESONでは一緒にAR時代のユースケースとUXをつくる仲間を募集しています。興味がある人は気軽にTwitterか会社サイト経由でご連絡頂けると嬉しいです。


AIやXRなどの先端テック、プロダクト戦略などについてのトレンド解説や考察をTwitterで日々発信しています。 👉 https://twitter.com/kajikent