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空間コンピューティング論

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AR/VR/メタバース領域における論考、サービス設計手法、UX+UIデザインの考え方やメソッドなどを発信します
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#メタバース

AppleのMRヘッドセット「Vision Pro」にまつわる謎に関しての解説と考察

Appleが昨日のWWDCでMRデバイス「Vision Pro」を発表しました。 ハードウェアの設計やインタラクション方式の選定などで結構思い切った判断がされていたり、来年末までの発売なのになぜこのタイミングでの発表だったのかなど謎も多い今回の発表。 5年間AR/VR領域のスタートアップを経営してきた自分がそうした選択や謎について勝手な解釈や考察をしてみました。 インタラクションについて思い切ってコントローラーをなくしてハンドジェスチャー、視線操作、ボイスインターフェー

本来のメタバースの定義、構築の道筋、それが作るこれからの世界について

テックの領域において最近最もホットなキーワードの一つが「メタバース」だ。 コロナ下でのFortniteなどでのイベントの成功や、FacebookのMetaへの社名変更、Web3の盛り上がりなどが相まって、新しいインターネットプラットフォームとしての「メタバース」への期待感が募っている。 しかし、これほど話題になっているのにも関わらず、その定義や意義はハッキリしていない。 この記事では2020年のWIRED CONFERENCEで「メタバース」をテーマに登壇した内容をもと

メタバースの土地における価値とユーザー体験のジレンマ、そしてその解決法

メタバースの土地には、価値とユーザー体験のジレンマがあるように思う。 メタバースの土地の価値を釣り上げるには、「有名なあの土地の横にある」「メインストリートにある」などの付加価値が重要だが、ユーザーからしたらそうした空間的な関係性に煩わされることなく面白いワールドを自由にワープで行き来できた方が便利だし、メタバースらしいセカイの楽しみ方という感じがする。 もちろん、DecentralandにもCryptovoxelsにも、そして恐らくSandboxにもワープ機能はある。

メタバースやWeb3とは結局なにか? | 「メタバース」「Web3」「XR」の正体と関係性

「メタバース」や「Web3」は結局なんなのか説明して欲しいと言われたら、あなたはなんと答えますか? それらの言葉を聞かない日がないくらい注目を集めていますが、意外と上記の質問にスパッと答えるのは難しいですよね。 さらに、「関連技術であるXR技術を含めた3つの技術の関係性はどうなっているか?」という問いに答えられる人もまだ少ない状況だと思っています。 私たちMESONは、XRを軸にしながらメタバースやWeb3などの関連領域も含めて事業を行う企業なので、上記の問いの言語化は

メタバースとブロックチェーン | 両者をかけ合わせる意義と主要プレイヤー

先週、Fortniteやどうぶつの森などのサービス上で様々な実験をするMESON Metaverse Labを立ち上げました。 おかげさまで早速複数の会社からご連絡を頂き、メタバースクリエイターとのネットワークも作れつつあるので、近いうちに実験のアウトプットを公開していければと思っています。 リリースnoteの中で、モバイル・SNS・クラウドの3本柱で成り立っている今のテクノロジー環境が、MR・メタバース・+AI+Blockchainの3本柱に切り替わっていく、という話を

Google Maps Platform Gaming Solutionの概要とAR活用の可能性

Googleが先日一般公開した「Google Maps Platform Gaming Solution」がなにやら凄そうだ。 Googleは明らかにGoogle Map、Google Street View、Google Earthなどを通して地球規模のミラーワールド構築を目指しており、今回公開されたこのプラットフォームはそんなGoogleの野心的なデータを活用してサービスをつくることができる、という意味で非常に興味深い。 この記事では「Google Maps Plat