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空間コンピューティング論

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AR/VR/メタバース領域における論考、サービス設計手法、UX+UIデザインの考え方やメソッドなどを発信します
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#MESON

メタバースの土地における価値とユーザー体験のジレンマ、そしてその解決法

メタバースの土地には、価値とユーザー体験のジレンマがあるように思う。 メタバースの土地の価値を釣り上げるには、「有名なあの土地の横にある」「メインストリートにある」などの付加価値が重要だが、ユーザーからしたらそうした空間的な関係性に煩わされることなく面白いワールドを自由にワープで行き来できた方が便利だし、メタバースらしいセカイの楽しみ方という感じがする。 もちろん、DecentralandにもCryptovoxelsにも、そして恐らくSandboxにもワープ機能はある。

メタバースやWeb3とは結局なにか? | 「メタバース」「Web3」「XR」の正体と関係性

「メタバース」や「Web3」は結局なんなのか説明して欲しいと言われたら、あなたはなんと答えますか? それらの言葉を聞かない日がないくらい注目を集めていますが、意外と上記の質問にスパッと答えるのは難しいですよね。 さらに、「関連技術であるXR技術を含めた3つの技術の関係性はどうなっているか?」という問いに答えられる人もまだ少ない状況だと思っています。 私たちMESONは、XRを軸にしながらメタバースやWeb3などの関連領域も含めて事業を行う企業なので、上記の問いの言語化は

SX Designの時代 | ポスト・スマホ時代のUX Design

ポスト・スマホ時代としてのARの波は、すぐそこまで来ている。 今年末から来年頭にかけて発売されるnrealやSpectacles 3は、一般消費者が日常的にARグラスを使い始める時代まであと数歩のところまで来たことを感じさせる。 さらには以下記事のようにAppleもARグラスの開発にかなり本腰を入れてきている。 このペースで行けば自分の楽観シナリオの読みでは、来年末ごろにはイノベーター層が普段使いしたくなるようなデバイスが発表されると思っている。 ではそうしたARグラ

ARの本質的な4つの意義

ARサービスを作る中で、AR技術を使う必然性があるサービスになるようにARの本質的な価値は何かを先にしっかりと理解しておく必要ある。 現時点での自分の整理としては、以下の4つがARの本質的な意義だと思っている。 Everything is Screenスクリーン制約からの開放、全てがスクリーンに。 今までスマホやPCなどの四角い小さな窓に閉ざされていたスクリーンが無限の広がりとレスポンシブ性を持つ。 ユーザーは好きなだけウィンドウやアプリケーションを空間に表示すること

ARサービスにおけるワイヤーフレームのつくり方

ARサービスをつくる上での課題の一つが、「どうやってラフな段階でサービスのイメージを形にしてチームと共有するか」だ。 従来のWEBサイトやスマホアプリのようなスクリーンが固定された体験と異なり、ユーザーが自由に視点を選べるARサービスにおいては、従来のワイヤーフレームではサービスの体験を十分に表せない。 ▼従来のワイヤーフレーム そこで、MESON, inc.ではLillian Warnerの「REALITY SEQUENCE」と「REALITY SKETCH」というテ

ARサービスを0から企画・開発していく際のチェックシート

ARサービスを0から企画し開発していく際に、必ずチェックすべきポイントを1枚のシートにまとめてみました。 ARサービスには「面白いけどこれ何に使えるの?」や「それARでやる意味あるの?」となってしまうサービスが多いですが、そうしたリスクを回避するのに重要な観点をこのシートに盛り込みました。 また、ARサービスはアプリを使い始めてもらうきっかけや動機の設計や、複雑になりがちな操作方法を分かりやすくユーザーに示すことが非常に重要になってきます。それらUX上の観点も漏れないよう

サービス改善の成功率を8倍まで引き上げるユーザーテストの作法

前回記事で本質的なUX改善によってプロダクトを伸ばしていくサイクルについて書きましたが、今回はその中でも特に重要なユーザーテストについて書こうと思います。 UX改善による本質的グロースハックのプロセス グロースハックは10回の施策で1回でも当たれば良い、とよく言われますが、自分はグロースハックのサイクルの中でユーザーテストを実施するようにしてから10回に8回は狙ったとおりに数値を改善することができるようになりました。 本記事ではグロースハックにおいて何故そこまでユーザー