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空間コンピューティング論

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AR/VR/メタバース領域における論考、サービス設計手法、UX+UIデザインの考え方やメソッドなどを発信します
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2021年1月の記事一覧

ARにとっての2020年の総括と、2021年の展望

2020年のAR2020年のARを語る上で、やはり新型コロナの影響は無視できない。一言で言えば、パンデミック下でARは「ごく少数のモノ好きが使う技術」から、「リアルな課題を解決する技術」として社会が求めるようになった。実店舗やECサイトなどでのバーチャルトライオンの利用が大幅に伸び、ARライブ配信イベントでAR演出を目にするのは珍しいものではなくなった。AR,VRを活用した会議サービスであるSpatialも今年追加調達を果たし、今後利便性が改善されるにつれて普及は加速していく

ARはフィルターバブル問題を助長するが、同時に解決策にもなる

フィルターバブルという問題がある。 パーソナライズ、レコメンドのアルゴリズムが普及した結果、各ユーザーが自分が見たい情報しか見えなくなり、偏った思想・考えを持ってしまう問題である。 この問題は、スマートフォン、そしてそのメインコンテンツであるソーシャルのタイムラインが助長したが、ARグラスの普及、そしてその上で動くARクラウドシステム、ミラーワールド的体験によってさらに助長されると思われる。 なぜなら人々がARグラス越しに見る現実世界は、もはやみんなにとっての共通の世界