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リハビリ難民とは?〜2006年の改定から現在までの流れ〜

リハビリ難民という言葉をご存知でしょうか?

私の記憶が正しければ、この用語は2006年に現れたと思います。

では2006年に何があったのか?
という事と、現在使われているリハビリ難民について私見を書いていきます。

■2006年の出来事

この年から医療保険では疾患別リハビリテーションという制度が開始され、疾患ごとに医療保険での個別リハビリテーションが受けられる日数が制限されました。

※参考資料: https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/02/dl/s0215-3v01.pdf

また、集団療法(集団で行うリハビリテーション)が廃止され、全て個別対応となりました。

今までは病院でのリハビリテーションを終わりなく受けることができていた患者さんは、これによりずっと受けることができなくなったため、このような患者さん達をがリハビリ難民と呼ばれるようになりました。

ちなみにこの年に介護保険では、地域包括支援センターが設置され要支援(予防)が誕生し、その後軽度者向けの半日型のデイサービスが世に出始めました。
そして予防事業として地域の会館などで体操教室なども徐々に行われるようになりました。

■2006年~2021年の出来事

2006年以降、医療保険でのリハビリテーションには算定期限が設けられましたが、月に13単位までは医療保険でのリハビリが可能などの条件付きで継続は可能でした。
この間はその他にも単位数の変更や加算の変更などが改定のたびに行われておりますが、細かい経過は割愛します。

医療保険での締め付けが行われていた一方で、介護保険分野でのリハビリテーションを受けられる環境は徐々に増えてきました。

前述した半日型のデイサービスに加え、通所リハビリ、訪問リハビリテーション、訪問看護ステーションの事業数は年々増加し、個別でのリハビリテーションを受けられるようになってきました。

よって、医療機関でのリハビリテーションを受けられない受け皿として介護分野でリハビリテーションの環境は整いつつありました。

しかし、介護保険分野でのリハビリテーションが盛んになるにつれて、医療機関と介護保険分野でのリハビリテーションの併用が原則禁止されていたり、介護分野でも通所リハと訪問リハの併用は原則禁止されていたりするようになり、介護保険分野でのリハビリテーションに対する報酬の低下などがありました。

そんな流れの中、2021年の介護報酬の改定で話題になったのは、訪問看護ステーションでの人員配置を看護師6に対してリハビリ職種4にしようという案でした。

訪問看護ステーションからの訪問リハを受けている利用者は年々増加していたので、この話題のときは、そのような割合にするとリハビリ職種の数が減るためリハビリを行えなくなる利用者が減ることからリハビリ難民というワードが再度出ました。
※参考記事:https://www.japanpt.or.jp/info/20201117.html

ちなみにリハビリテーションの診療報酬と介護報酬はともに改訂ごとに全体的には下がっています。
※加算、急性期など増えている面もあるが。

■今後の話

内閣府のデータによると、総人口は減少してますが高齢者の割合は年々増えています。

※参考資料: https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/html/zenbun/s1_1_1.html


この状況では労働人口に対して高齢者の数が多くなりすぎるため、今後は保険内で社会のリハビリテーションのニーズに立ち向かうのは困難になりそうです。

そんな未来を予測してか否か、私の記憶では2011年頃から保険外でのパーソナルトレーニングや整体のような業態や、集団によるフィットネスジムのような業態が増えてきています。

この辺りは法律的にグレーな部分がありますが、名称や文言を気をつけて上手く行えば今のところ問題ありません。
※この部分は細かいので割愛します。

ちなみに保険外のリハビリのことを一般的に自費リハビリと言いますが、この用語は医療機関で行う保険外のリハビリのことで、民間企業が行う保険外のリハビリは自称リハビリという名称にするという提言がありました。
※参考記事: https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2019FY/000037.pdf

医師会はなんとなく保険外でのリハビリテーションを推奨しない雰囲気がありますが、近年は医療法人附属のジムや自費リハビリも増え始めています。
今後は社会のニーズに応えるためにこの様な流れにならざるを得ない気がします。

訪問看護ステーションの人員配置の件に関しては、次回の2024年の介護報酬改正の時にまた話題になると思います。

■おわりに

ここまで色々書いてきましたが結局選挙ですかね(^_^;)
なんだかんだで法律を決めるにはリハビリテーションに理解のある議員を増やすのが良いですね。

そんなリハビリ難民というワードから波及して色々描いてみました。
以上。


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