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医療費(診療報酬)と介護報酬の請求から支払いまでの流れ

▮はじめに

この記事は、基本的には医療従事者の皆様に向けてのものとなりますが、一般の人で医療費の流れに興味がある人はご覧ください。
ざっと医療費の流れを頭に入れておくと、勤務先に入ってくるお金の流れを理解することができます。

▮診療報酬の請求から支払いまでの流れ

医療機関は以下のような流れで診療報酬の請求から支払いが行われます。

・1日~末日:診療
 ↓
・翌月~10日:前月分を請求(レセプト)
   ~20日:審査 
   ~末日:医療機関ごとに支払額算定、保険者ごとに請求額算定
 ↓ 
・翌々月~5日頃:保険者あてに請求書を送る
    ~20日頃:保険者より審査・支払い機関に振り込み
    ~末日:医療機関に対して前々月の支払いが完了

例えば、1月に働いた分は3月の末頃に医療機関に入金されるのが一般的ということです。患者様の負担額(無料~3割)は窓口で支払いが行われますが、それ以外の診療報酬はすぐには入ってこないんです。

▮審査ってどこでやるの?

審査に関しては、以下の2つの側面があります。

・医療機関からのレセプトを確認➡審査業務
・保険者(健康保険組合)から医療機関への支払いを代行する➡支払い業務

そして、それを行う場所は、

・社会保険診療報酬支払基金(支払基金)
・国民健康保険団体連合会(国保連)

で、被用者保険のレセプトは支払基金に、地域保険(国民健康保険)のレセプトは国保連に提出します。どちらも審査業務と支払い業務があります。

医療費の全体的な請求・支払いの流れは以下の図のようになります。

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保険者は協会けんぽや共済組合および健康保険組合などに当たります。
被保険者から医療機関への支払いは人によって異なりますが、一般的には1割~3割となります。
※生活保護、指定難病、小児・児童に関しては異なります。

▮介護保険は?

介護保険も医療保険とほぼ同じ構造ですが、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターが国保連に給付管理を提出して、それと一致していないとサービス事業所に支払われないところが異なります。
レセプトは翌月の10日まで行い、翌々月の末頃に支払われることになっている部分は同じです。
また、介護保険の保険者は区市町村、審査は国保連というところが異なりますね。

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被保険者からサービス事業所への支払いは、一般的には1割~3割となります。
※生活保護、難病指定の場合は異なります。

▮おわりに

細かい部分は省いていますが、なんとなく分かっていれば良いかなと思います。「お金の流れなんてどうでもいい」と思う人も多いと思いますが、社会人としては知っていた方が良いと思います。

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