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アラ古希ジイジの山歩き帳 都県境尾根(成木尾根 安楽寺~小沢峠)

高齢になると下半身の衰えが目立ってくる。なんとかしないとと思っているうちに齢70を超え、いよいよ危なくなってきた。昔やったことがある山登りを再開し、下半身の立て直しを図ることにした。

昔は沢登りというやや激しい登山をやっていて、一般道の登山を軽く見ていた。高尾山すら昨年初めて登り、奥多摩の山などほとんど行ったことがなかった。手始めに高水三山を登ったのだが、岩茸石山で弁当食べながら地図を見ていて都県境尾根の存在を知った(同時に、一般道でも侮れないことも痛感した)。やや冒険であるが、都県境尾根をたどって最高峰の雲取山を目指すことにした。

さてその都県境尾根の始まりは成木尾根で、飯能市の成木川と直竹川の合流点(標高123m)付近から立ち上がっている。2023年2月19日早朝、飯能駅を出発して都県境尾根へと向かった。

飯能駅

駅前から始まる美杉台通りの坂道を下ると入間川を渡る。矢颪の丘陵を登って下ると本日の隠れたメインテーマである成木川が見えた。

成木川

岩倉温泉へと続く富岡入間線に入ると間もなく、岩井堂観音付近で左の山の手から都県境が降りてくる。

都県境下降地点

その先、岩井堂交差点を右折してしばらく行くと、成木川と直竹川の合流点上流の橋のたもと(標高123m)にファミマがあったので一休み。ファミマからすぐに都県境尾根の立ち上がりが見え、登山口の安楽寺に着いた。
飯能駅 6:34-岩井堂観音 7:19-安楽寺の登山口 8:26(1時間52分・6.4km)

都県境尾根の立ち上がり(標高130m)

都県境尾根は安楽寺の仁王門裏手の標高130mから立ち上がる。これが2017mの雲取山まで続くのかと思うと感慨深い。

大きな老人ホームを左に見て回り込むと登山口の安楽寺の植込みがあった。最近、2万5000分の1の地形図が非常に美しく改変されたが、昔なかった老人ホームの記号(建物にツエ)はなんだか悲しい。

登山口(安楽寺の植込み)

植込みが途切れたところから山道に入ると道標があった。成木尾根ルートは昭文社の登山地図には何も書かれていないマイナールートだが、それだけにこの先、道標やら赤テープがやたらと出てくる。

初めての道標

やや急な坂を登った最初のピークは標高221mで、そこの小さな切株には成木アルプスとあり、地元の方々の郷土愛が伝わってくる。ルート後半には飯能南アルプスとの表示もあった。

郷土愛の小さい切株

しばらく行くと合戦坂と呼ばれる場所で鉄塔(青梅線61番)が立っていて、左手には大きな霊園、右手はゴルフ場で東屋も見え、場違いな格好の私はそそくさと通り過ぎた。

ゴルフ場の東屋

330mの小ピークから都県境は主尾根を一旦北に離れ、堂所(どうどころ)と呼ばれる場所で主尾根に戻ってくる。この変則的な都県境を狙ったように採石場が山を削り取り、地図にある333mの独標の山は消滅してしまった。

消滅した333m独標
345mへの分かれ道

345mピークへの分かれ道を右にとると採石場の崖っぷちに出た。赤テープに沿って崖を下る。

採石場の崖っぷちの赤テープの下り

次いで踏み跡不明瞭な急登を赤テープを頼りに340mのピークに登り返し、そこから一旦、二又の谷に降り、右又を登り返す。この谷の線が採石場の境界線となる予定で、このラインの南側の340mピーク(次の写真の左側の山)は消滅することになっており、付近の350mピークはすでになくなってしまっている。おそれ多いことである。

消滅する予定の山(左側)
赤テープの下りと消滅する予定の山
採石場の航空写真

採石場の端っこが開け広場状になっていたので少し入り込んで昼食とした。
安楽寺(登山口) 8:26-221mピーク 8:44-合戦坂 9:10-345m分れ 10:39-採石場広場 12:00(3時間34分・5.5km)

採石場の広場から40mほど登った堂所(どうどころ)と呼ばれるところで都県境が戻ってくる。さらに上ると390mのピーク。これから先は急な登りと急な下りが交互にやってくる。トヤハケ(鳥屋崖)と呼ばれる450mピークを越えると黄楊峠(つげとうげ)400m。馬頭観音石碑が置かれ、南の都道に下る道は健在であった。

黄楊峠の馬頭観音石碑

次の水口峠へは、天空の集落然とした上直竹上分の細田集落を木々の間にかいま見ながらから下った。峠からは100mの急登で丸屋の頂き504m。途中鉄塔があり、新所沢線43番とのこと。

丸屋の頂き

丸屋の頂から急下降すると大仁田山への道を分ける細田分岐があり、少し登ると大峰山505m。急な登りと下りでへとへと。

大峰山

60mの急下降の後、60mを登り返すと雲ノ峯500m。ここから間違えて南方向に少し下ってしまったが、GPSで確認して事なきを得た。GPSはスゴイ。

道迷いピークの雲ノ峰

久方峠420mを過ぎると登山道に沿って車が通る林道が作られていた。

久万峠

登山道は相変わらず登り下りを繰り返していたが、独標493mを越えるとようやく小沢峠(こざわとうげ)408mに着いた。峠からは次に登る黒山への急登が見えた。

小沢峠

小沢峠から上成木バス停に下山したが、バスは当分ない。入間川方面の小沢に下った方がバス便が多いことがわかったのだが、それは後の祭り。ここまで登山口の安楽寺から12km、8時間42分の山旅だった。
採石場広場 12:00-トヤハケ 13:13-黄楊峠 13:22-丸屋の頂き 14:31-大峰山 14:54-雲ノ峰 15:30-小沢峠 16:48-上成木バス停 17:08(5時間8分・6.5km)

その後5.6kmをとぼとぼ歩き、最寄りの軍畑にどり着いた。

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