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文章を書くーつれづれ起承転結(7)

「毎日1本noteに文章をあげるぞ」と宣言したのが7月23日だった。すでに12日が経過した。

今時点であげた文章は6本。打率は5割ちょうどだ。

なぜ毎日つづけられないのか?

気合いが足りないのか?

こうした問いに回答を与える心理学の一分野に「応用行動分析」というちょっとユニークな学派がある。

「ある行動に引き続いて、なんらかのメリットとなるもの(強化子)が提示されると、その行動はその後高い頻度で出現するようになる。これを行動随伴性と呼ぶ」

「人も含めた動物の学習された行動の大半は、行動随伴性の枠組みで理解し、制御することができる」

「応用行動分析は、膨大な動物実験から導き出された行動の諸法則を指針とし、観察・カウントが可能な行動のみを対象として扱い、行動と環境との相互作用を分析し、望ましい行動の形成に取り組む。やる気、性格、資質といった仮説的構成概念は使用しない」

この学派、めちゃくちゃプロ意識が高い。

例えば「子どもが勉強に取り組む時間を増やす」というミッションがあったとする。仮にそれがうまくいかなかった場合、多くのオトナたちは「この子はやる気がない/知能が低い/怠惰だ」というように、その原因を「子どもの内面」に求めがちだ。

しかし行動分析学は決してこのような考え方をしない。原因は徹頭徹尾「環境にある」と考える。単にその子の行動を促進できるような環境設定になってなかったのだと考え、より適切な設定を再検討する。

当然のことながら、ミッションの担い手であるオトナたちも環境の一部だ。なので、別の言い方をすると「ミッションの失敗はすべて、私たちの不首尾ゆえであり、子どものせいではない」と考えるわけだ。

プロ意識、ヤバい。

まぁプロ意識というくくりも、応用行動分析的には不適切なのだけれど。

この応用行動分析の創始者は、バラス・フレデリック・スキナー(1904-1990)という米国の心理学者だ。

心理学者というより、物理学者と言われた方がシックリくる面構えだ。

物理学者といえば、天才クリスファー・ノーラン監督の新作映画『オッペンハイマー』の予告編が解禁されていた。公開は来年7月だとか。楽しみすぎる。

J・ロバート・オッペンハイマー(1904-1967)は米国の、これまた天才理論物理学者だ。調べてみて初めて知ったが、スキナーと同級生だ。

「天才」という表現も、応用行動分析的には不適切だな...

オッペンハイマーは理論物理学の広範な領域にわたって大きな業績をあげ、第二次世界大戦中にロスアラモス国立研究所の初代所長に任命された。マンハッタン計画を主導し、卓抜なリーダーシップで原子爆弾開発の指導者的役割を果たしたため「原爆の父」として知られている。

ドキュメンタリー映画『The day after Trinity』の中でオッペンハイマーの弟フランクが兄の絶望について語っている。オッペンハイマー自身は原子爆弾の破壊力を世界に知らしめることができれば、その危険性ゆえに誰もそれを使うことができなくなり、戦争そのものを無意味化できると期待していたらしい。ところが、広島・長崎に投下された原爆の破壊力を目の当たりにしたにも関わらず、世界の人々はそれを今までの通常兵器と同じように扱い、むしろ原爆開発競争を加速させた。こうした動きにオッペンハイマーはいたく絶望したのだとか。

オッペンハイマーは戦後、アインシュタインらを擁するプリンストン高等研究所所長を務めつつ、核兵器の国際的な管理を呼びかけ、原子力委員会のアドバイザーとなってロビー活動を行い、かつソ連との核兵器競争を防ぐため働いた。しかしその後、家族や友人、元恋人などが共産党系の集会に参加していたことを理由に、当時強行されていた赤狩りの動きに巻き込まれ、公職を追放されてしまうなど不遇の生涯を送っている。

(以上のオッペンハイマーに関する記述はすべてwikipediaからの引き写しだ)

僕自身は不勉強ゆえ、オッペンハイマーの存在を知ったのは1999年9月のことである。この年に僕は大阪で坂本龍一氏のオペラ『LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999』を鑑賞した。

作品自体は「なんだかスゴかった」という漠然とした記憶しかなく、その内容も理解できなかったのだけれど、その中に、文字通り死んだ魚のような目でうつろな表情をしたオッペンハイマーの顔が大映しになる場面があり、そこだけがものすごいインパクトがあった。あとで調べてみて、僕はその名を記憶した。

「我は死なり、世界の破壊者なり」

この言葉は、古代インドの聖典『バガヴァッド・ギーター』の一節(11章32節)らしい。ヴィシュヌ神の化身クリシュナが自らの任務を完遂すべく、闘いに消極的な王子アルジュナを説得するために恐ろしい姿に変身した。オッペンハイマーはこの映像の中で、核兵器開発を主導した自分をクリシュナに重ねる形で、その後悔を吐露している。

(このあたりもwikipediaからの引き写しだ)

なんの話だっけ。文章の話だったな。

こうやってダラダラと思いつくままに浮かんだことを、調べて、書き連ねるのは楽しい。

これなら続けられそうだ。

応用行動分析については、また改めて。

サラッと読めるオススメ本を三冊あげておく。

どれもオモシロイし使えます。

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