その軽快さ右に出るものなし!Smart & Elegantなイタリア靴・ARTIOLI
はじめに
皆さん、靴のメーカーってどれくらいご存知でしょうか。私はせいぜい30ほどでしょうか。。。革靴の専門誌や本を読むと、それこそ一冊で50~100ほどのメーカーの名前を目にすることもあり、まだまだ私の知らない靴たちがあると思うと、これからが楽しみでしかたありません。
さて、今回はイタリア靴をご紹介いたします。イタリアの革物といえばやっぱりSALVATORE FERRAGAMO(サルヴァトーレ・フェラガモ)が最も有名でしょうか。靴で申しますと、SANTONI(サントーニ)やTOD’S(トッズ)、ENZO BONAFE(エンツォ・ボナフェ)などのメーカーの靴は百貨店などでよくお見掛けするかと思います。では、今回ご紹介するARTIOLI(アルティオリ)は皆さんいかがでしょう。百貨店やシューズショップで新品を見たことがある方はいらっしゃいますでしょうか。居らっしゃったらぜひともご教示ください!!!というのも、ARTIOLIの輸入代理店は既に無くなってしまっているのです、、、ですので、今となってはほとんどがインポートシューズ専門店か、中古靴市場でしか見掛けない品となっております。
イタリア靴の特徴
さて、ARTIOLIの靴について書く前に、イタリア靴の特徴について簡単にご紹介いたします。
靴を評価するポイントは人によってそれぞれ(見た目、履き心地、ブランド、頑丈さetc...)かと思いますが、イタリア靴は何と言ってもデザイン性が特徴です。洗練された立ち姿は他の国の靴と比べても一目瞭然です。
左がARTIOLI、右がJalan Sriwijaya(ジャラン スリウァヤ、インドネシア)
横からARTIOLI
横からJalan Sriwijaya
Jalan Sriwijayaというインドネシアの靴メーカーの靴と比べてみると、イタリア靴の特徴は①二の甲(靴ひものあたり)からの立ち上がりが急であること②トゥ(つま先)からヒール(かかと)にかけての絞り込みがタイトなことが挙げられるかと思います(他にもたくさんありますが、私の印象として)。
ARTIOLIという靴
というわけで、やっと本題のARTIOLIのご紹介です。このメーカーの靴の最大の特徴は、柔らかさと軽さだと思います。これはベジタブルタンニン鞣し技術がベースとなっており、天然植物由来のタンニン鞣しを施すことによって、柔軟性と艶を高めると同時に、軽さと丈夫さを兼ね備えた靴を生み出しています。私の持っている靴の中で最も重さを感じないのがこのARTIOLIの靴です!また、イタリア靴は足を包み込むように靴を作り上げるマッケイ製法が主流で、このARTIOLIもご多分に漏れず、ただ軽いだけではなく、履き心地抜群です。
また、このベジタブルタンニン鞣しという技術によって、ARTIOLIは靴のバリエーションが非常に豊富です。それは色や形だけでなく、いわゆるエキゾチックレザーの靴も数多く取り扱っています(私もオーストリッチ(ガチョウ)の革を使ったARTIOLIの靴を持っているので、また別の機会にご紹介します)。
加えて、今回紹介したARTIOLの靴、紐がゴムでその下にエラスティック加工がなされており、脱いだり履いたりがとっても楽なんです(もちろんすべての靴がエラスティックというわけではありませんが。。。)。要は靴を履くときにや脱ぐときにいちいち紐を結んだり締めたりしなくていい靴、ということです。革靴を敬遠される方の中には紐の扱いがめんどうくさい!という方もいらっしゃるかと思いますが、こういったエラスティックシューズはそういったストレスがないので、とってもおすすめです!
日本人の足って本当に「甲高幅広」なの?
最後に、余談にはなりますが「日本人の足の形」について書かせていただきます。先ほどのARTIOLIをはじめイタリア靴の紹介を読まれた方は、「細身の靴なんでしょ?じゃあ幅広な日本人には合わないんじゃないの?」と思われるかもしれません。ですが、意外とそうでもないんです。日本人が「甲高幅広」といわれるゆえんは、かつての下駄や草履を履く習慣からいわゆる「下駄足」から来ているそうですが、今(というか大分以前から)の日本人で日常的に下駄や草履を履く人はほとんどいらっしゃらないかと思います。革靴やスニーカー、パンプスやヒールを履く機会が増えるにつれ、日本人の足は徐々に「甲薄幅狭」が増えてきているそうです。ですので、日本人だからイタリアやスペインのような細身の靴は合わない!というわけでもなくなっているので、何はともあれ一度履いてみていただければなと思います(もちろん、日本の靴メーカーもそんな日本人の足の変化に合わせて靴の木型を変えているのでご安心を)。
というわけで、今日はこんな具合で。
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