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Mountain stream fishing opening game. #20

5月9日木曜日。やっとこさ準備が整ったので渓流を歩いてきました。ゴールデンウィークが過ぎ人の動きも少しゆっくり。新緑の空気を吸いに水辺にいけたのでその記録を綴っていきます。

川歩きの準備。
山・渓流といった場所はとても神聖な場所だと思います。「山には神が宿る」
日本の山岳信仰は、古くから山々に宿る神様や霊地に対して、敬意を払い信仰を寄せるひとつ。山々は、日本人にとって神聖な場所であり、山岳信仰はその山々に宿る神様や霊を崇める信仰として、広く日本の文化に根付く。非日常感を感じる部分においても、何か不思議な空気感を渓流釣り限らず、登山をはじめ山々に足を踏み入れた時、感じたことがある人は結構いるんじゃないでしょうか。

私は上州武尊山の麓に居を構えています。少し歩けばその美しい山々を眺めることができます。武尊山は日本百名山に選ばれており主峰は標高2158m。山岳信仰の霊山で、開山は普寛行者であるとされ、川場温泉からの登路は修験道の行場とされているそう。私の実家は尾瀬のある片品村。尾瀬と同じく馴染み深い山が武尊山で、学生時代何度も訪れています。
「山に入るときは神様がいるから清めていきなさい」幼い頃私の祖父からそう言われました。私の父方、母方の祖父2人とも猟師。年間通して山に入る2人の姿を見て幼い頃過ごし、狩猟という文化が身近にある生活をしていました。そんな2人の教えを学び、形は違えど「釣り」といったある種、漁というカテゴリーに入る遊びを行う現在。山には神が宿るといった日本の精神を大切にしつつ、祖父の教えを守りながら山に入るときには日本酒と塩を持って入るようにしています。
私の釣り場は主に武尊山を水源とした水系が中心です。水の豊かな地域には酒蔵も多い。釣りに持っていく日本酒はそんな武尊山の水で作られたものを持っていきます。

「千明千三郎商店」地元片品村で125年続く商店で今シーズンの日本酒を調達します。
創業1898年の歴史史があり、ここ最近、お店もリニューアルとなり外観から店内までなんともおしゃれなお店です。自分自身お酒は全く飲めないのですがお弁当や惣菜なども買えるのでふらっと寄ってしまいそうです。
ここで購入したのは土田酒造さんのお酒。武尊山の伏流水と群馬県産のお米を使っている酒蔵さんで自分の釣行スタイルではここしかないって感じでした。

なんとも惹かれるパッケージ。「尾瀬の木道2024-1」地元尾瀬国立公園の中に渡る木道。ハイカーだけでなく、山小屋へ生活の糧を運ぶ歩荷さんたちも歩くその美しい木道は、時間と共に傷み、歩荷さんたちの足下を脅かす危険もはらんでいます。
そんな尾瀬の木道を守りたい、その一心で歩荷さんたちが始めたのが、「尾瀬の木道修復プロジェクト」だそうです。土田酒造さんには尾瀬の歩荷さんも在籍しており、このお酒を買うことで、売上の5%をプロジェクトの支援金にするそう。地元を離れた今、こんな形でお手伝するの素敵じゃん。ってことでこのお酒を選びました。

さて、準備が整い川を歩ける時間を作ることができたのは5月9日の木曜日。外は昨夜から雨が続いており外の気温は4度。アラームを4時にセットし起きて外を確認した時はちょっと行こうか迷うコンディションでした。それでも雨雲レーダーを確認すると5時30分ごろには止みそう。取り合えず支度をし現場に向かうことにしました。

新緑の渓流は雨に濡れコントラストがいい雰囲気に。しかし寒い。雨と風も強くyetinaを被りながら水量の確認。水色も水量も問題はなさそうなので雨が止むのを待ちます。
5時20分ごろでしょうか、ようやく雨足も弱くなったので装備を整え歩きはじめます。

まずは、用意した日本酒と塩で場を清め山の神様に頭を下げます。
山に入る敬意と魚に対し針を使うことの意味を深く考え、無事に怪我なく帰路につけるよう願います。
一通り済ませ竿を組みます。久々の川歩きは本当に気持ちいい。耳に入る流れの音、足に伝わる水の冷たさ、鼻から入る森の匂い。最高のデトックスですね。

釣りのコンディションは水温も低くイマイチってところ。
釣り上がれる時間は2時間しかないので丁寧にルアーを通していきます。
中々反応は薄いものの、最後にようやく顔を見ることができました。

藤の花が水辺に落ちる中、自作のルアーにイワナが飛びつきました。春らしい魚体に逢うことでき満足。国産の檜を使った器と、地元で取れた花びらを使った鱒釣擬似絵を設てシャッターを切ります。

丸々した魚体はこれからが楽しみ。今シーズン開幕戦を無事に終え、9月までの間どんな魚達に会えるか期待が膨らみます。今シーズンも時間を見つけてはなるべく水辺に立ちたいと思っています。家族の時間も大切にしながら自然・川歩きの魅力を今後も発信していけたらと思っているので今後もお楽しみに。
ではでは。

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