見出し画像

傍聴してみて思う4つのこと

広島市平和の推進に関する条例素案のおかげで、「傍聴」をすることになった私たちの気になっている4つのことについてシェアします。

1、名札は置かない?

3月18日:議員の名札をおいてほしいという要望が複数でる。
主な理由は二つ。「誰が発言しているか知りたい。」「マスクで顔がわからない。」
4月1日:「議員の座る席が決まっていない」「名札だと座る角度で見えない」という理由で、名札は断られ、要望が複数寄せられているので対応協議しますとの事務局の返答をもらう。
4月15日:カラー印刷の顔と名前入り政策立案検討会議名簿が資料とともに配られる。

議員が着席時に置くことにすればいいだけなのに。前例がないから採用されないらしいです。
名簿作っていただいて申し訳ないですが、マスクで顔わかりません。
当メンバーは、声を聞いただけで誰が発言できるようになってしまったので、他の傍聴者から、発言者を確認する質問を受け付けるようになりました。
この顔写真付き名簿配布対応は今も続いております。
名札がそんなにダメな理由を知りたいです。

2、録音・録画不可?

3月18日:撮影は事前申請で可能、録音問題なし。
4月1日:(何故か事前に事務局から連絡があり、)広島市市政記者クラブに加盟する報道機関に所属する方を除き、傍聴される方による動画の撮影及び録音は行うことができなくなる。(許可を得た上での写真撮影は可能です。)

私たちは、3月18日の会議後に、許可を得て撮影した動画を無編集でこのnoteに掲載しても良いか市政調査課に電話で確認しました。
「撮影を許可したのはこちら側なので、あくまでもお願いベースなのですが」という前提で、「意見が二分している案件なので、今後の自由闊達な議論に支障をきたす恐れがあるため、また映像が加工されて発言意図と違うものになって流布する恐れもあるため、公開は控えていただきたい」と言われました。
当初、撮影録音ができるのに発信NGだとは思っていませんでした。念のためくらいな気持ちで確認の電話をしたところ、「お願いベースで」といいつつう、結構必死にお願いされたので、次回以降への影響を鑑み、自粛することにしました。
正直、次回の会議から、撮影どころか録音まで禁止になるとは思いませんでした。

4月1日以降、撮影・録音が、広島市市政記者クラブに加盟する報道機関(新聞とラジオとテレビ)に所属する一部の者に限定されることになりました。
つまり、加盟していない無所属・独立系記者やソーシャルメディアなどには、より正確な報道をする手段である撮影・録音が与えられないことになります。
何らかの形で会議が中継あるいは無修正で発信されない限り、全てを伝えることは不可能。であれば、会議の「主旨」をわかりやすく編集して、報道していることになります。
メディア媒体も多様化し、個人でも発信することができるようになった今、「広島市市政記者クラブに加盟する報道機関に所属する」っていう線引きも議論されてもいいのではないかと思います。

(この条例案のことを広島市内以外でも報道されてほしいという希望も込めて。)

3、会議録は公開する原則ない?

事務局に問い合わせた時に知ったのですが、そもそも、政策立案検討会議は委員会ではなく、協議調整する場なので、会議録はマストで公開されるものではないそうです。
お聞きした時は、条例というルールを作る過程なのに?!と正直引きました。
「広島市初の議員提案の条例作りをしている過程が、市民に公開されないのはおかしいのでは?」「これって、広島市議会初の条例作りだから、「前例」になっちゃうの?」「怖っ!!」て思ってたら、さすがにいろんなところから意見が寄せられたらしく、やっと公開されることになりました。

GW明けに4月1日と4月15日の会議録が、
5月19日に2019年〜2020年までと3月18日の会議録が、
市議会図書館(平日9時〜17時15分・土日祝日休み)での閲覧と広島市公文書館(平日9時〜17時・土日祝日休み)の閲覧と印刷が可能になりました。
(広島市公文書館は「緊急事態宣言」発令に伴う新型コロナ感染拡大防止集中対策として、公文書館閲覧室を一時閉室中です。)

様々な理由で傍聴できない人、音や声が聞こえない、あるいは聞こえにくい人が、政策立案検討会議の内容、条例案の経緯を知りたいと思ったら、「会議録を読む」しかありません。今までほとんどの市民は条例案の経緯と市民意見の対応協議を知ることができなかったのです。市民意見の協議も後半の段になって、ようやっと対応してもらえた感です。

公開された会議録を読んでも、録音などの記録がとれない傍聴者である私たちは、正しく会議録が記録されているかをチェックすることはできません。でも、2019年からの政策立案検討会議の経緯やメモでは追いつけなかった細かい会議内容を確認することがようやっとできるようになりました。

でも、平日の9時ー17時に中区の市議会図書館か広島市公文書館行くことができる人もまた少ないはず。
こういう時ホームページ上に掲載してくれたらいいのに・・・と思うのは私たちだけでしょうか?
広島市公文書館は、広島市議会議会棟の向かいです。
いずれにせよ片道90分で、休みとって行っている筆者にとってもウェブ公開は助かります。
こういう情報公開改革ならどんどんして欲しいです。

ところで、公開されるかどうかわからない4月の段階で、会議録について議会事務局市政調査課に質問したところ、いずれにしても会議録作成には3か月程度はみてほしいとの返答だったのですが、もっと早く公開できたんだなと。少なくとも、2019年から2020年までのものは2021年協議が再開される前に会議録できてたことは公開されたものを見て、確認できました。

今後の公開ぶりも注目していこうと思います。

4、コロナと傍聴

コロナ禍、平日の明るいうちに行われる会議は、必然的に65歳以上の傍聴者になります。被爆者の方もよくいらっしゃいます。
外出自粛中でも会議場に駆けつけなければ聞くことができません。そして、関心が寄せられている条項ほど傍聴者が多くなります。
ワクチンのめども立っていない市民にとっては、毎回ある意味リスク付きの傍聴ともいえます。

緊急事態宣言下、コロナ禍で外出自粛が求められているにもかかわらず、直接会議場に行かなければ傍聴できないのは、安全対策上、如何なものか?「前例」がないことを理由に対策をとらないことは、コロナパンデミックという現状でも適用されるべきなのか、私たちには理解できませでした。
6条の協議の際、換気の努力は垣間見えたが、会場内が密になることが避けられなかったので、マスクを外せなくてお茶も飲めなかった。
その時心から思いました。ウェブ中継などの対応を求めたいと。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?