見出し画像

広島市平和の推進に関する条例(仮称)経緯について馬庭議員から聞きました。

2月22日に広島市議会議会棟で要請書を渡すためにうろうろしていたところ、市政改革・無党派クラブの馬庭恭子議員に声をかけていただき、3月2日に平和推進条例(仮)の経緯をお話しいただけることになりました。
馬庭議員は、政策条例を作るきっかけを作った元平和推進・安心社会づくり対策特別委員会委員でした。

90分に渡ってお話しいただいたので、メンバーまとめでお送りします。

2017年9月議会一般質問
自民党の平野議員(自民党保守クラブ)
「原子爆弾の惨禍を身を以て体験した広島市民が平和の実現を訴え続けなければならない。広島市が平和首長会議を牽引していることを評価する。
現在までの平和運動の先頭は被爆者である。その受け継ぎを伝承者に任せるだけでなく、市民の責務として取り組んでいかねばならない。
被爆者が存命されている間に、このことを明文化する条例を制定する必要がある。」
局長答弁
「ご提案の平和推進条例の制定については、これまでの取り組みの内容や効果、市民の受け止めなどを含めて十分検討した上で返答すべきものと考えられることから、今後の対応は議会とも協議したい」

翌月、同じ会派の議員から質問あったが、同じように「協議したい」との返答のみ
2018年2月 平和推進・安心社会づくり対策特別委員会内
馬庭議員が、過去に子ども条例制定を目指したことがあるが、長期化した上に立ち消えしているので、「議会改革推進委員会でも議会提案の政策立案していないこともあり、政策立案会議を作って揉んだらどうか」という提案をした。
2019年3月 公明党平木議員を委員長の平和推進・安心社会づくり対策特別委員会が引き取ることになり、2年かけて委員長報告まとめる。
平和理念・平和研究・平和交流・平和首長会議などの根拠の明文化を目的に議員提案条例を全会派一致で策定するために、来期の政策立案検討会議設立を提言。

平和推進・安心社会づくり対策特別委員会報告書はこちら

<<2019年4月、広島市議会選挙が行われる>>

2019年8月〜
前期の委員会提言を受けて、政策立案検討会議を作るかどうかの調整会議をし、議長に報告。
その後、各会派幹事長協議を経て、一人会派を含む全会派1名ずつ政策立案検討会議新設

有識者・平和団体・市民アンケートを行う
②アンケートを基に条例素案起草
全会派一致になるまで加筆修正して素案出来上がる(6条2「厳粛」絶対入れ込む、禁止条約は古くなるから入れない?)
素案へのパブコメ実施


600近いパブコメが集まり、現在そのまとめ作業に時間がかかっている(3月2日時点)


他にも、
*ポイ捨て条例(千円罰金)とは違い、平和推進条例は「理念条例」
*条例制定には過半数の議決が必要
*今からパブコメを受けて、全会派のコンセンサスを取るため、折り合いをつけるための作業になる
*条例文が行政用語になって違和感もあるかもしれない。(市民が理解しづらい。)
*みんなの意見を組み合わせて作っているから、綺麗に揃わないところがある
*傍聴してきたが、議員全体の政策立案検討会議への関心が低かった印象がある
*条例案に対して若者で代案を考えて提出してみては?元市長の平岡さんや秋葉さんにこの条例にクリティークしてもらったら?
などの情報やアドバイスをいただきました。


そして、ついつい聞いちゃいました。

Q:平和推進条例はどんな条例だと思ってますか?

馬庭さん:正直、平和都市建設法から始まる平和行政をまとめる条例は壮大すぎて自らやろうとは思わなかった。
平野議員の発言がきっかけで、平和推進条例制定を考えるようになり、それならば市民に近い議員提案の平和推進条例を提案した。
初めての政策立案に平和という高度な概念に取り組んだので、まとめるのはなかなか難しいと思う。
パブコメという市民意見のシャワーを浴びることで変わってくることを期待する。でも、全会派一致はなかなか難しい。
条例は市民と広島市の約束だが、罰則規定はない。


Q:条例素案が特別委員会の提言から比べて狭小的内容なのはなぜか?

馬庭さん:条例案を策定過程で、各会派の意見をまとめるために枝葉を落としたところがある。
条例があれば予算がつきやすい。核兵器廃絶と被爆体験継承だと一致しやすい。
議員だと、国際交流・平和首長会議・国連含めて「平和推進」と考える。


参加したメンバーからは、
*事実誤認するかもしれない危うい文章がある。(例:「人類史上最初の原子爆弾の投下」は、1945年7月16日のトリニティ核実験を踏まえ、「原子爆弾の人類史上最初の投下」ではないか?など)
*条例の文章チェック・リーガルチェックが必要なのでは?担当部署で他の法との整合性などチェックしているらしいけど、十分といえるのか?
*政策立案検討会議のメンバーの平和推進条例への思いが感じられず、条例素案にそれが出ている印象を受ける
*被爆の実相を語り継ぐなかには、被爆者だけでなく被爆建物も保存活用も大事
*軍都の記憶・アジアへの加害、グローバルヒバクシャとの連帯を考えると、広島の被爆者にフォーカスしすぎないほうがいいのではなか
*軍都廣島のことは資料館でさえわずかな扱いだが、「軍都」からの流れで条例を作ると大きくなりそうだし、反対もあるかもしれないが、パブコメを受けて議論が進めばいい
*議員の人と対話集会やりたい!
などの意見や感想が出ました。

これから、条例代案作成とそれをクリティークしてくれる専門家探し、ですね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?