VRChatにおける闲鱼でのアバター販売問題への個人的な思考
各作者のオリジナルコンテンツが中国の「闲鱼」で不正に転売されていることに、中国人の視点から具体的に私が知っている内容を述べ、この件についてより明確な理解を持っていただくことを願い、誤解や矛盾がさらに悪化するのを避けるために深くお詫び申し上げます。以下に詳細を述べさせていただきます。また、この記事に関してご意見や異なる視点があれば、ぜひ私と一緒に議論していただきたいです。私の考えは完全ではありませんし、常に新しい情報や異なる意見を学び、理解を深めることを目指しています。もし何かご提案や建議がありましたら、遠慮なくコメントやメッセージで共有してください。皆さんとの対話を通じて、より豊かな理解と解決策を見出すことができると信じています。まず自己紹介から始めますと、私はいま日本在住の中国人です。2019年からVRChatに接触し、2021年からは本格的に参加しています。
闲鱼とは何か？
闲鱼はeBayに似たオンライン取引プラットフォームで、中国で非常に人気があります。Office、Windowsなどの海賊版ソフトウェアのほか、さまざまなタイプの商品が取引されています。闲鱼の他にも、TAOBAOなどのプラットフォームでさまざまな海賊版ソフトウェアリソースを検索し購入することができます。
海賊版販売の理由
経済要因
過去数十年の中国の急速な経済成長は、すべての人の収入レベルが国際ソフトウェア製品の価格に追いつくことはありませんでした。Boothで販売されているモデルを例にとると、5000円のモデルでは、比較のために上海と東京のマクドナルドの時給を比較します。東京では、マクドナルドの時給は約1200円ですが、上海では約20元、換算すると約400円です。この差は約3倍で、多くの中国人は5000円のモデルが高額すぎると感じ、購入を断念し、より安価な海賊版を選択します。
Boothの購入が煩雑
Boothは日本のウェブサイトで、多くの中国人はVisaやMastercardを持っていません。ほとんどの人が持っているのはUnionPayの銀行カードで、WeChat PayやAlipayを使用しています。しかし、Boothでモデルを購入するにはWeChat PayやAlipayは使用できず、使用可能なのは比較的普及率の低いUnionPayのみです。さらに、UnionPayを使用するにはまずPayPalをインストールして登録し、さまざまな煩雑な設定を行う必要があります。これらの手続きはBoothでの購入のためだけに行うものです。そのため、多くの人はこの段階で購入を諦めます。一方、闲鱼や淘宝などのプラットフォームでは、Alipayを簡単に使用して購入できます。
監視環境と知的財産権保護意識の薄弱
中国の監視体系が海賊版ソフトウェアを容認していることは、多くの人が既に耳にしているでしょう。近年、中国政府は知的著作権に関する取り組みを改善していますが、これは主に国内の知的著作権や国内企業が合法的に代理する一部の知的著作権に限られています。外国の知的財産権に関しては、政府は基本的に見て見ぬふりをしています。たとえば、多くの中国の大学のパソコンで海賊版のWindows OSやOfficeソフトウェアが見られ、教師がクラスの生徒に海賊版ソフトウェアを直接配布することさえあります。つまり、中国の一部のコミュニティでは、海賊版ソフトウェアの使用が一般的になっていると言えます。
闲鱼で販売されている海賊版モデルの種類
Boothで購入したものをそのまま転売するもの。
未知の出所のソースファイル（アバターや衣装など）を改変して販売するプロジェクトファイル。
多くの中国ユーザーにとって、前者は単なるリソース共有と考えられており、後者こそが正規版と見なされています。国内のコミュニティでは正規版と海賊版に関する摩擦が多く見られます。具体的には、中国のある作者がどこかから入手したアバターや衣装のソースファイルをUnityで改変し、闲鱼で販売（二次販売）し、「これは私が作ったもので、私が販売している正規品です」と称しています。販売価格は約3000円です。この時、他の人がこの改変したプロジェクトファイルを購入し、低価格で三次転売すると、二次販売者は激怒し、自分の利益が損なわれ、もはや誰も彼の商品を購入しなくなるため、海賊版を販売する人々への嫌悪感を表明し、さまざまな掲示板で三次転売者のIDを晒し、一連の議論を引き起こしています。
このような転売現象はいつから始まったのですか？
転売問題はVRChatのリリース時から存在していましたが、最近になって日本で広く注目されるようになりました。現在、日本の作者がこの転売問題に気付き始めていますが、多くの中国人の反応は「今になって気付いたのか？」というものです。つまり、転売アバターは長い間横行していたのです。
では、現在ゲーム内で多くの中国人が使用しているアバターはどのように入手されたのですか？
明確な統計はありませんが、上述のように、中国人がBoothでモデルを購入するのは困難であり、多くの人々が淘宝や闲鱼で購入しています。中にはBoothが何であるかさえ知らない人も多く、闲鱼で購入したものが正規品であると信じている人も少なくありません。そのため、多くの中国のプレイヤーが使用しているアバターは、Boothから購入されたものではない可能性が高いです。
このような海賊版販売が作者にどのような不利益をもたらす可能性がありますか？
短期的には大きな影響はありません。
海賊版モデルを購入する層は主に中国に限定されています。支払い方法の制限、思想的な観点、経済的能力の制限により、一般的な中国人はBoothで購入することが困難です。たとえ闲鱼や淘宝がこれらの製品を取り下げても、人々はフォーラムやQQグループなどの他のチャンネルに移行するかもしれません。
非中国人プレイヤーにとっては、彼らが中国に居住していないため、Alipayの実名認証を通過することができず、闲鱼やTAOBAOを使用して海賊版モデルを購入することができません。
作者のDMや通報は効果がありますか？
DMは基本的に無効であり、通報により短期的に転売内容が取り下げられることはありますが、根本的な解決には至りません。闲鱼はeBayのようなオンライン取引プラットフォームであり、通報が成功しても、モデルに人気がある限り、不正転売者は現れ続けます。
では、作者は何をすべきですか？
私は法律の専門家ではありませんが、法律分野に関する知識には限界がありますが、個人的な意見を共有し、訂正や補足を歓迎します。
正式な手段を通じて苦情を申し立てる
すでに苦情を申し立てていますが、中国の法的手続きを通じて解決する必要があるかもしれません。これは、中国での実務経験を持つ弁護士を見つけることを意味します。ただし、アバター利用規約には「本利用規約の準拠法は日本法とし、日本法によってのみ解釈されるものとします。本利用規約に関して生じる一切の紛争については、権利者の所在地を管轄する日本国内の裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします」と記載されているため、正式な法的手続きを通じた申し立てには一定の困難があると考えられます。
SNSや公衆の関心を利用する
オリジナルコンテンツの作者として、このような行為を社交メディアで公開することができます。Twitterでの投稿は作品の知名度を高めることができますが、中国の大多数のユーザーがTwitterを使用していないことを考慮すると、影響は限定的かもしれません。
そのため、中国の社交メディアプラットフォームで公に批判することをお勧めします。例えば、微博や抖音などで、中国の一般の人々の著作権に対する注意を高め、合法的な購入者を引き付けることができます。
Steamのようなプラットフォームの探索
中国の著作権意識はまだ強化される必要がありますが、多くの中国のユーザーはすでにSteamで正規のゲームを購入することに慣れています。主な理由は、Steamのショッピングが便利で、Alipayやwechat payをサポートしており、さまざまな国や地域の経済状況や購買力に応じて価格を調整しているためです。この戦略は、世界的な販売量と収入のバランスをとるのに役立ち、各地域の消費者にとって手頃な価格のゲームを確保します。VRChatなどのアプリケーションに関しては、最近有料サブスクリプション機能を導入しましたが、これは実行可能な方向だと思います。Steamの内部支払い方法を直接使用して関連コンテンツを購入できるからです。
最後に
このような状況が発生したことを非常に残念に思います。しかし、経済発展の過程で、どの国も知識財産権に対する重視が徐々に高まっていくと思いますが、これは段階的なプロセスです。中国はグローバル化の過程で徐々に知識財産権の保護を強化していくでしょうが、この変化には時間がかかります。
12.21更新
クリエイターの収益化手段の考え
中国における個人クリエイターの収益化プラットフォームについて、ここに私が考えられる情報をいくつか紹介しますが、以下の情報は参考までにご覧ください。これらのプラットフォームの使用に関わるリスクは自己責任になります。
中国企業との代理店契約
手数料が高い可能性があり、中国政府のコンテンツ審査及び監督規定を遵守する必要があります。
中国のクリエイター収益化プラットフォームの利用
例えば、爱发电（https://afdian.net）や面包多（https://mbd.pub）。
爱发电はPatreonに似たプラットフォームで、海外のユーザーはPayPalで換金が可能です。面包多はBoothに似ており、あまり知られていないが、海外のユーザーはWeChatでログインでき、作品を公開する前に携帯電話番号を登録する必要があります。中国の携帯電話番号がない場合は、カスタマーサービスに連絡して解決を図ることができますが、一定の中国語能力が必要です。
これらのサイトは通常、中国の電話番号での登録が必要で、換金時には実名認証が求められることがあります。最近、海外のクリエイターにさらなる利便性を提供するために努力してるみたいです。
個人ウェブサイト
例えば https://onedoujin.com/ja/。これは私の香港の友人が数年前に作ったサイトで、StripeとAlipayの支払いに対応しており、中国国内のユーザーに適しています。
現在、このサイトではねことうふ先生のいくつかの漫画作品を販売しています。もしかしたらTwitterでねことうふ先生に使用体験について尋ねることもできるでしょう。
個人サイトはより大きな自由度とコントロールを提供しますが、大規模プラットフォームと比べて安定性や信頼性に劣るかもしれません。
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