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「先生」ではなくなった、僕は「何者」になるのだろう。


「辞めることは驚いたけど、このタイミングで辞めるのは何だか先生らしいなって思いました。」


こんなことを生徒から言われました。

私は、2021年3月に3年間働いてきた立命館慶祥中学校・高等学校を辞め、4月から株式会社シーラクンスに転職することとなりました。

高校2年生の担任をやっていた僕は最後の最後まで生徒の誰にも教師を辞めることを言いませんでした。最後の登校日である修了式に辞めることが発表され、クラスのみんなも驚愕でした。


週7楽しかった教員生活

確かに教員という仕事は忙しかったです。数字からして、教員の忙しさは他の職業を圧倒的に上回る結果が出ています。同期が「いえーい!夏最高!」とタイやハワイで楽しむ写真をアップしている中、僕はサッカー部の部活指導。

これ聞いてどう思います?
遊びにいけない僕は不幸ですか?


いや、僕はとても楽しかったです。

「どうやったら勝てるんだろ? でも、俺が勝ちたいって思うのは指導者のエゴ?負けたとしても、負けから学ぶことも多い。負けるからこそ、次に繋がる。って、おい、最初から負けること考えてどうする」

みたいなドラマみたいな葛藤を頭の中でしていたのが毎年の夏でした。

偏見かもしれませんが、土日のため、休みのために週5を頑張る大人が多いように思います。それも一つの価値観で、否定するつもりはありません。しかし、ほぼ週7で働いていたあの頃を美化するとこのご時世怒られるかもしれませんが、僕は楽しくてしかったなかったです。「休みたいなぁ」と思ったことは一度もありませんでした。まさに「やりがい」のある仕事でした。

職場環境はとてもよくだいたいやりたいことはやってこれました。

1年目
・サッカー部顧問(3年間)
・ニュージーランド研修
2年目
・担任
・ロイロノート の導入
・新海外研修の提案のためにセブ島へ

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・月1回コーチング面談
・新しい学校経営研究会に参加
3年目
・担任
・教えない授業
・Zoomの導入
・卒業生講演会

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・北海道新聞寄稿チャレンジ
・全国高校生SDGs選手権出場

・海外研修中止に伴う国内研修の企画運営

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たった3年間でここまでのことをやらせてもらえるなんてこんな学校あるのかと思うくらいありがたい職場でした。

「子どもたちが安心して挑戦できる環境をつくる」

僕のモットーです。僕がが教育実習の時に感じた子どもたちの自分に対する過小評価、一歩踏み出すことのハードルの高さ、をどうにかしたい。この思いはずーっと変わらず今も持ち続けています。

急に辞めることを知った生徒たちからいただいた言葉に「教員やってきてよかった」と心底思えました。

「先生と出会う前は『自分は不幸に生まれてきた。』と思っていました。こんな体で生まれてきたことに後悔していました。でも、先生と話して、『この特徴があること自体が幸せなんだ』と思えるようになりました」
「少しは自分に○(まる)をつけられるようになりました。」

そう!これこれ!これが教員として、生徒に抱いて欲しかった感覚!!

って最後の最後になりました。

教員になってわかったことですが、今の自分を否定する高校生が多いんです。うちみたいな世間一般から見たらエリートがいるように見える学校の中にも、自分たちを過小評価している生徒が多くいます。エリートはエリートでスポットライトが当たるのはほんの一部で、多くは競争に苦しみ、自分で自分を否定しています。

「こりゃどうにかせないかん。」

コロナ禍で部活動や課外活動に制限がかかり、子どもたちはさらに生きることへのモチベーションが下がりました。

幸運なことにうちの学校では自殺者はいませんでしたが、気持ちがすり減るような思いをしている子はたくさんいました。

「やったらできたという経験をどれだけ積み重ねられるか」

だから、ただたんに仕事するだけではなく、現状をよりよくしようとする姿を「背中で見せねば」と、とにかく「面白そう」と思ったことはたくさんやってきました。そして、それを逐一生徒に伝えてきました。

「#100日後に上手くなる絵」と題して、100日間絵を書き続け、「少しずつ積み重ねることの大切さ」を伝えたり、

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年10冊くらいしか読まなかった本が年間70冊に。

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毎月50km以上は走り、トレイルランの大会に初出場。

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冬道でホノルルバーチャルマラソン出場。

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人生で初めてアイスクライミングしてみたり。

「何目指してるの?」

と鼻で笑われながら聞かれることも多々ありました。最初は「は?」と思っていましたが、今では、聞かれることが気持ちよくなりました。「あ、この人じゃ理解できない領域に来れたんだ」って。頭おかしい、自分。笑

多分この1年だけでもこんなにチャレンジしました。だけど、これをいちいち人と比べていたら、ブログなんかかけません。「大したことないじゃん」と思われそう。みたいな架空のマウント取る人想像して何もしなかったら面白くない。だから、だいたいのことは自分がやろうと思ったらやれる。


7+3=□ではなく、□+□=10の教育

今までやってきたチャレンジは何かを解決してきたかというとあんまり課題解決できたわけではありません。

「子どもたちが安心して挑戦できる環境をつくる」

をより具体的にやりたいことが見えてきました。僕は7+3=□という1つしかない答えを教える教科教育はあまり好みではない。□+□=10という様々な答えがある中で自分なりの答えを作り出す教育がしたい。

どちらも学校でできることは間違いありませんが、現在の僕の力では、授業になると、9:1になってしまいます。そんなことを考えていると、北海道の教育を変えようと立ち上がった株式会社シーラクンスの存在を知りました。小・中学生向けのプログラミングスクールを運営している会社です。

もともとプログラミングが好きなわけではありません。マコなり社長の動画に感化されて、Progateとかやってもハマりませんでした。けど、実際に子どもたちが前のめりに取り組む姿、そして、一人一人にあった成果物ができあがるこの教材はとても面白いと思いました。まさにプログラミング学習は1つの答えにたどり着く方法がいくつもある。なんなら最後の答えもひとそれぞれ。それらに良いも悪いもない。認められるべき価値がそこにはありました。

シーラクンスの代表取締役フェローである藤澤さんとお話をし、プログラミング学習だけではなく、これからの教育をどうよくしていくか、どう教育を変えていくかにとても共感し、一緒に教育をよくしていきたいと思うようになりました。

仕事としては、これから僕は子どもたちにプログラミングを教えていくことや教室運営がメインになります。教えると言っても、「引き出す」がポイントですよね。今までの社会を教えるとは全く違う。

そして、僕自身もプログラミング学習中です。学んでいて気づきました。教えてもらえるのはヒントさえあれば十分と。あとは「ググる」。


札幌から世界を変えるギークになろう。

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この言葉はG's Academyでよく出てくる言葉です。シーラクンスは生涯教育を目指しているので、起業家・エンジニア養成コミュニティG's Academy UNIT SAPPOROを開校しています。

G's Academyというコミュニティはすごく面白いです。誰もがプログラミングやったことない中で、半年で新しいサービスを作り出す。


まさに「やらざるを得ない」環境を提供してくれるサービスです。インプット2:アウトプット8だから、自分の作りたいものを作れるから楽しい。(追い込まれるの大好き人間です。笑)

想像以上に難しいけど、毎日のようにコード打っている最中です。7月くらいには自分が作ったサービスをローチンする予定ですのでお楽しみに!(って言っちゃったからやるしかない)

コーチングも引き続きやっていきます。

コーチングも生徒に合計80人、社会人20人くらい実施してきました。毎月1回コーチングを実施しててきた生徒の変化は著しかったです。コーチング受けたい人、コーチングのワークショップやって欲しい人は、TwitterFacebookのアカウントまでご連絡ください。


結論、子どもたちだけではなく、色々な人の一歩踏み出すための背中を押せるようになっていきたいなと思っています。


最後は1人1冊の本と手紙を渡しました。

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最後のLHRで、その子にあった1冊をプレゼントしました。教育に多少のエゴは必要です。というか、おっせかいはこんな時代だからこそ大切だと思っています。ICT教育が推し進められていくなかで、「わざわざそんなしてくれるの?」と思うくらいGIVE&GIVEの暖かさを大事したい。

こんなことをしていたら、こんな若僧の僕を「恩師です。」と言ってくれる生徒もいました。

本当生徒と職場に恵まれた教員生活でした。

職場だけではなく、この3年間で色々な人に出会い、僕の価値観や視野を広げてくれた方々には感謝でいっぱいです。僕の周りにはチャレンジする方々が多いです。その人たちとの出会いがなければ、外に出ようと思うことなんてありませんでした。今度は僕があなた方の背中を押せるよう頑張ります。

これを読んで、「本当にその転職先でいいの?」と思う人もいるかもしれません。そういった意見も含めて、僕にアドバイスくれる方とお話できたら嬉しいです。ご時世的に直接会うのは難しいので、LINEやらメッセンジャーやらでご意見いただけたら嬉しいです。

ただここで1つ言える確かなことは、


「先生」ではなくなった僕が「何者」になるのか楽しみです。


以上、転職の報告(教員生活自慢の方が多めですみません)でした。

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