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うみいろノートNo.7 発見

いつまでも続くように思える人生に強く変化を求めていた。
それは普段の生活のこと、精神的なこと、創作のこと、そのどれなのかを比較的長い目で考えてきたけれど、多分その全部を少しずつ変えていきたいんだと、なるべく客観的に見てそう思った。

例えば、会社の帰宅時。
いつもは電車を3本乗り継いでいるが、最近は3駅分を30~40分歩いて帰っている。夏と冬に挟まれた季節は心地よい風を運んできてくれるし、最近買った茶色の革靴の履き心地も不思議となじんでくる。そして、普通なら知る機会もない道に次第に愛着を抱いていく。

精神的なところでいえば、以前よくしていたランニングを再開した。
以前から走ることについてエッセイでも書こうかなと考えていたけれど、かれこれ5年ほどランニングを習慣にしていて、マラソン大会に何度か出たこともあった。でも、忙しさやほかのことに時間を取られてばかりで、ここ数か月は遠ざかっていた。
久しぶりに走ったら目の前のよくある景色すら違って見えていた。部屋の換気みたいに新鮮な空気が体の中に流れてくる。好きな音楽を鳴らし、お気に入りの公園の緑を全身で浴びる、それだけでどんな薬にも代えがたい心のビタミンになる。

そして、創作。
たびたびエッセイなどに登場している絵描きの親友と、近々共作することになった。
この5月に引っ越しをした際、彼から壁掛け用の絵をもらった時、やっぱり僕は彼の作品が好きで、人柄が好きなんだと再認識した。ありがたいことに彼も僕の文章を好んでくれている。僕らは作品でも会話をして、それを形に残したいと思っている。


最初は些細な変化のように思っていたが、毎日積み重ねていくと新しい発見があるように感じてくる。

何かを見つけることって、自分の方から歩み寄らないと、きっと永遠に訪れないような気がする。
僕らが生きている毎日って、ごくごく限られた部分にしか存在していないのかもと思うと、まだまっさらな余白に飛び込みたくなる。

新しい世界を見つける。新しい自分を見つける。
その繰り返しの先に、誰もがワクワクする楽しい発見もあるかもしれない。

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進藤海/六月雨音/ようじろう/小宮千明/モグ。4人のライターがそれぞれの担当曜日に、ジャンル問わずそれぞれの“書きたいこと”を発信。

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