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カルロス・サンタナ〜ラテンロックの伝道者

サンタナの絶頂期はいつしかあるが、私が特に好きなのは1972年発表の「キャラバンサライ」から1980年発表の「スウィング・オブ・デライト」までである。
なぜこの時期なのかというとカルロス・サンタナが最もジャズに接近しギタープレイヤーとして優れたプレイをやってることにある。

カルロスはコンサートでマイルスデイビスを通じて懇意になった当時バリバリのジャズフュージョンギタリスト、ジョンマクラフリン に強い影響をうけ、「魂の兄弟」という作品を発表。
音楽のみならずインドの新興宗教を精神的に影響される。
マクラフリンとの交流は今もあり、時々共演してるが、宗教繋がりがなくなっても良き兄貴であるようだ。

この時期の1973年の来日公演は「ロータスの伝説」というライブ盤で収録されてるが、音の洪水ともいうべき内容。
のちに有名となるカルロスの有名曲のリプやメロディ挿入がもうこの時期にやっているのが興味深い。
このまま路線継続と思われたが、1974年の作品「不死蝶」がセールスで振るわず、路線回帰になる。
その後カルロスは自分がやりたいジャズフュージョンはソロ名義でやることを決める。 
ちょうど産業ロックといわれたムーブメントが出てきたのもあるのだろう。
キャッチーでポップなメロディ、売れる音楽を要求するメディアの策謀にベテラン勢もかなりの影響を受けた。
タイトルはあげないが、この時期のサンタナはパワーポップのような音楽もやぅてた。
たしかに大ヒットしたが、それは今評価されてるようには思えない。

カルロス名義のアルバムは1979年の「ワンネス」により始まる。
ジャケには仏像が並ぶ画像、東洋色が溢れる。
タイトル曲の「ワンネス」はまさにそんな感じだ。
ブルースギターとシタールと三味線が混ざったような独特のフレーズをカルロスがやっている。
○タイトル曲、ワンネス

セールス的に落ちたかもしれないが、カルロス
本人も2度と再現できない最高のギタープレイではなかろうか?

そして1981年の作品「スウィング・オブ・デライト」で頂点に達する。
マイルス門下生である、ハービーハンコック 、ロンカーター、トニーウィリアムスをゲストに迎えた演奏は最もジャズフュージョンに接近している。
カルロスもやりつくしたのかこの作品でジャズフュージョンの音楽は封印する。
これ以降は自分のルーツと若い世代とのコラボしたりしてボーカル重視に変わっていく。
そして1999年の作品「スーパーナチュラル」で再ブレイクする。
マリアッチを嫌い家出同然にアメリカへ渡ったカルロスだが、今はラテン系のミュージシャンとも普通にコラボする。
ジャズマンとの関わりが彼の音楽の垣根を取っ払った。
という意味でもこのジャズフュージョン時代のカルロスサンタナは重要に見えてくるのである。
○サルバドルにブルースを
息子サルバドルに捧げたインスト。
いかにもカルロス独特のフレーズが心地よい。










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