果たしてプログレはネクラが聴く音楽なのか?
プログレッシブロックはおそらくキングクリムゾンやピンクフロイドあたりから普及し出したロックの一ジャンル。
どうもピンクフロイドの1970年に発表された作品、「原子心母」においてプログレッシブロックという言葉が初めて使われたようだ。
最も70年代前半くらいでは海外ではまだ使われてなかった可能性が高い。
しかし今では欧米でもプログレッシブ・ロックというジャンルは定着しているそうだ。
そもそもプログレッシブロック略してプログレは70年代前半から終わり近くまでが全盛期だったが、それ以降は大きなムーブメントとしては起きていない。
ロックが市民権を得て、著しく成長していった時代とシンクロするのだが、この頃はハードロックも全盛期にあり、お互いのファンがぶつかりあっていた。
なかでもタイトルにある「プログレは根暗」の論争だ。
元々はロキノンあたりの音楽雑誌が始めたのかもしれないが、プログレを聴いているやつはネクラな奴ばかりだというようなバカにした発言だ。
その人も侮辱し、プログレというジャンルをバカにした発言ともいえる。
プログレにはクラシックやジャズに影響を受け、楽器や理論に精通したミュージシャンが多く羨望の的になった。
事実、それは70年代後半に起きたパンクのムーブメントの攻撃対象になった。
というのもロックという音楽はスリーコードで1.2.3とやれる音楽、すなわちテクニックとは無縁、プログレは体制に迎合した音楽であるとの批判だ。
無茶苦茶な理論ともいえるが、ロックという音楽が攻撃的で反体制な音楽であればそれもありなのか?
さて実際のところプログレファンはどうなのか?
プログレだけ聴いてる層とはなかなかいないのではないだろうか?
そもそもプログレ的な要素の音楽はどこにでもある。
レッドツェッペリンの「天国への階段」はトラッドとロックの融合、クィーンの「ボヘミアン・ラプソディ」はオペラとロックの融合、ビートルズの「イエスタデイ」はバロック音楽との融合だ。
逆にプログレのバンドであってもハードロックやメタルに匹敵する曲がある。
キングクリムゾンの「21世紀のスキッツォイドマン」やイエスの「ラウンドアバウト」の重いギターリフはどうだろうか?
ピンクフロイドのロングセラー、狂気の「マネー」のシャッフルや「タイム」のミディアムビートは?
プログレは本来言葉どおり進歩的なロックを意味したので、ハードロックやパンクやテクノを入れても不思議ではない。
だから単にクラシックやジャズを取り入れた音楽だけに留まらない。
だが、先に述べた70年代後半からのパンクやテクノの台頭や80年代の産業ロックの流れはかなりプログレに影響を与えた。
特にイエスやジェネシスの変わりようは私的にはショックであった。
この時代、ビッグヒットを飛ばし確かに売れたが、今もライブでとってる曲は少ない。
本当のファンとは売れた売れないのレベルでは割り切れないものだとつくづく思う。
長々と述べてきたが、果たしてプログレッシブロックは現在でも残っているのか?
もちろんYESだ。
プログレッシブメタルやシンフォニックロックはその後継者である。
○ドリームシアター〜プログレッシブメタルの代表的なバンド
そしてもう一つはロジャーウォーターズ、スティーブハケット、ヤンアッカーマンのようにソロ転向後もプログレを継承していくパターンだ。
○ロジャーウォーターズ〜ソロ転向後も音と映像を駆使した大掛かりなステージは健在だ。
改めてプログレッシブロックが魅力のあるジャンルであることが伝わっただろうか?
そうそう忘れていた。私がもう一つ好きなのはプログレバンドのジャケットだ。
インパクトのあるものが多いこと。
冒頭に貼ってあるのは一例なのでぜひ参考にして頂きたい。
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