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スティーブ・ハケット〜虹色のギターレジェンド

筆者がプログレッシブ・ロックの大手のなかでほとんど聴いてこなかったのがジェネシスである。
初期のジェネシスを聴かずに、耳にしたのは大ヒットアルバムインジブル・タッチだった。
だけどプログレとはなんだか違うなと思ったところ、中古レコード屋でたまたま手にしたのが、スティーブ・ハケットのスペクトラル・モーニングスだった。
‥凄いギターを弾くギタリストじゃないか。‥

そこからハケットが在籍したジェネシス時代へとたどり着くことになる。

○エブリデイ
アルバム、「スペクトラル・モーニングス」の最初に収録されてるアップテンポのナンバー。ハケットのカラフルな音色とスリリングなソロ、ライブの定番のようだ。

ジェネシスにハケットが在籍した時代は中世を元にしたファンタジックなサウンドを主としていた。
不思議なものだが、現在となってはジェネシスが一番売れた時代のサウンドより、ピーター・ガブリエルやスティーブ・ハケット在籍時の作品がリスナーの耳に焼き付けられている。

○ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ
ジェネシスの名盤「フォックス・ロット」から。ジェネシスの劇場的要素を取り入れた名曲。

スティーブ・ハケットはジェネシス時代から一貫してレスポール系のギターを主に使用している。
74才になった今もそれは変わらない。私的に感じるのは音の厚みを重視してるのだろう。

ステップス
ソロ作品の4作目「ディフェンダー」に収録。レッドツェッペリンの「カシミール」のような中近東風のメロディーとヨーロッパ系の音の邂逅とも言える曲。

ここ近年のスティーブハケットの活動は精力的だ。
今年も新作アルバム、サーカスと夜鯨の秘話
を発表。同世代のアーティスト達が死去、引退するなか嬉しい話である。 
特にジェネシスが実質2007年に活動終了してしまったこともあり、ハケットは実質継承者である。

シャドウ・オブ・ザ・ハイアラファント
初のソロアルバム、「ヴォヤージ・オブ・ジ・アカライト」に収録のナンバー。
この映像ではタッピング奏法を駆使したハケットのテクニックが満喫出来る。

彼はジェネシスの音を再現するジェネシス・リヴィジデッドのコンサートを何度か行なっている。
そして元ジェネシスのメンバーもステージに上がり共演をしている。
ピンクフロイドやイエスが、メンバー間の衝突で決定的な亀裂が入ってるのと違い,ジェネシスは寛容といえる。
ジェネシスがロックの殿堂入りの際も立ち会い,仲良くスピーチに応じている。
そう考えるとハケットは在籍時の音楽を中心にやりたくて脱退したが、ジェネシスがやっている音楽全てまでを否定してる訳ではないのだと思う。

ブルース・ウィズ・ア・フィーリング
1995年発表の全ブルースロックの異色アルバムの同タイトル曲。ハケットのルーツはブルースなのだが、世間的には評価は厳しかったようだ。


ジェネシス在籍時のスティーブ・ハケットと脱退後のハケット、その姿勢はほぼ変わらない。
クラシックレーベルからのアルバムを出したり、時にはルーツでもあるブルースアルバムも出す。
しかし基本はファンタジックな音作りだ。
先ほど書いた最新作も中期のジェネシスとコンセプトは共通してるようだ。

ピープル・オブ・ザ・スモーク
最新作からのオフィシャルビデオ。ハードなリズムに幻想的なオーケストレーションの味付け、ハケットのギターも健在だ。

では最後にジェネシスとスティーブ・ハケットを聴く機会を与えてくれた名曲スペクトラルモーニングスを。

スペクトラル・モーニングス
カラフルなオーケストレーションの効いたスティーブ・ハケットのギターが躍動するインストメンタルナンバー。

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