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フランク・ザッパ〜鬼のロックスクール校長兼異色のギタリスト

フランクザッパ、まあこの人ほど世間から誤解されてるアーティストはいない。
薬物依存症、反体制派、ギターが弾けない、、性格破綻者、変態などなど。

なぜそんなデマや悪評が広まっていったのか?まず見ればお分かりの濃い顔に上半身裸でギターを弾くスタイル(たぶん若い時代の一時期)、早口でラップのように喋りまくるようなボーカルスタイル、しかも人を食ったような下品なアルバムタイトルやタイトル曲、リアルタイムでロック聴いてた連中はほとんど避けて通った道に違いない。
私も昔はそうだった。
ところが一枚のアルバムからザッパに関心をもった。
そのアルバムはジョージデュークのフィール
1974年の作品である。
この作品でザッパは二曲オブデュエルXという変名でギターを弾いてるが、その衝撃的なソロにハマってしまったのだ。
そして世間的にも80年代に入りザッパの評価が上がってきて真の姿が見えてきた。

ザッパのバンド出身のアーティストが次々と脚光を浴びていった。
リトル・フィートのローウェルジョージ、スティーブヴァイ、ジョージデューク、エイドリアンブリュー、ウォーレンククルロ、エディジョプスン、テリーボジオら、彼らが注目されるにつれ、ライブバンドとしてのパフォーマンスが
高まった。
それもザッパスクールというべき規律が厳しかったことにある。

ローウェルジョージをやく漬けでクビにしたのは有名だが、彼は徹底したヒッピー嫌いであった。つまりバンドでは薬物はご法度、そういうメンバーには煙草を勧めた。なぜならヘビースモーカーだったからである。人を身なりで判断してはいけないものだ(笑)

話はギターに戻るが、彼のギターの弾き方はロックギターではかなり異色だ。

これは1976年テレビ出演した際の映像だが、
真摯にギターを弾くザッパの姿が見られる。
ピックを斜めに持ち、ボリューム奏法やヴァンヘイレンが得意としたタッピングをピックを使って既にやっている。ブルースを基本としてるが、スケールは独特でおそらくこんなスケールを弾くギタリストはアラン・ホールズワースとヤンアッカーマンしか思い浮かばない。

それにしても彼の音楽は多彩である、
ハードロックやブルースの影響があるかと思えば、ホーンセクションを使ってビッグバンドジャズやクラシックの曲を取り上げたり、およそ冗談と真剣さが混じり混沌とした音楽なのである。
だから聴くほうも何を聴いていいのかほんとに困ってしまうのだ。

晩年はほとんどギターを弾かず、指揮をしていたというが、ロックというフィルターにクラシックやジャズを取り入れた音楽はライフワークであったのだろう。
変人といわれながら家族を愛し、深く音楽の探求をしていたザッパの膨大な音源はまだ数多く残されているという。
いつか時代が追いつく日が来るのだろうか。


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