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開拓の壁 第5回ミーティング Vol,2

概要

日時:2022年09月02日 21:00〜22:00
参加者:全国各地の開拓クライマー7名 MC1名

第5回は、一時期話題にもなりました『御岳でのチッピング』について開拓者からの視線を含め、色々な側面から話してみました。
今回は第2回の最終のエピソードになります。

ミーティング発言者の扱いについて

基本的に参加者の発言順にA、B、C...と割り振っています。固定はMCのみとなりますので、ご承知おきください。
また繊細な内容も含まれていますので、ミーティング内容の全てを記載はしておりません。ご理解ご了承ください。

チッピングの意図

MC:御岳会議の中である方は「難しくしてやろう、というルートセッター的な意図を感じる」と発言してましたね。
C:「虫」も難しくなっているってことですか?
MC:「虫」にとっても重要なホールドになっているため、難しくなっていると思います。
A:虫ってチッピング後、今でも登られているの?当該ホールドがかなり悪いと難しいよね?
C:それなら「忍者返し」よりは「虫」に何かしてやろうという意図にも感じますね。 
MC:こういった話の中で言えることは、チッピング実行者の意図や真相を確認することはできないってことですよね。
B:ガバにするとか完全に登れなくするなら意図はわかりやすいですけど、程よく悪くする意図がわからない。
D:チッピングした結果、たまたまちょうどよい難しさになったって可能性もあるしね。
E:チッピングした人の考えは全くわからんよね。本当のところは本人にしかわからない。
MC:考えられる可能性は、大きく分けて次のどちらかなんですかね?
①     クライマーが悪意など何らかの意図を持ってチッピングを行う。
②     御岳を何らかの形で利用する人(クライマー以外)が、クライマーに悪意など何らかの意図をもってチッピングする。
A:ほかのチッピングで、よく言われるのはクライマーでないと、岩のどこがキーホールドかが判らないと言われるね。しかしながら今回はチョークがべったりなホールドなので、クライマー以外にも分かるかもしれません。
D:クライマー以外であれば、他のもっと簡単な手段をとると思う。例えばスプレーで悪口的なメッセージを残すとか。河原に脚立運んでわざわざ岩を削るような加工って、かなり手間ですよね?
B:地元の方なら、立て看板を立てるとか、海外なら、杭をたてるなどもあるね。
MC:富士川でありましたよね?スプレーで落書きとか、ホールドに石を詰め込められるとか。

チッピングの認識とクライミングの知識

MC:今までの意見だと、クライマー以外の方である可能性が低そうに感じるのですが、もしクライマーがやったとしたら、我々にどんな行動が起こせると思いますか?身近でさらに発生する可能性もありますし、何かしらの対策が必要な気がするんですよね。
D:単純に「防ぐ」のは難しいんじゃないですかね?
E:悪意の意味が、犯人の目的によって異なるし、そもそもチッピングが間違った行為であることを伝えるしかないよね。
B:そのための「開拓の壁」でもあるし、こういう場を上手く使うのが良いかなと思う。
E:チッピングをすること自体がクライマーとして自己否定的な行動ですよね。そのマインドの方にチッピングの意味を伝えることが難しいと思いますが。
B:そもそも課題が登れなくてチッピングするなら、チッピングを行う手法に労力を費やすより、どうすれば登れるのかを勉強した方が良いと思う。
MC:チッピングが「悪いこと」というのがどの程度認知されているのか知りたいですね。
B:初心者から経験者まで、いろんなクライマーがいる中で、トポにルールが掲載されていて、そして各岩場でそのルールも異なることを知らない人はたくさんいると思います。ですので、チッピングという言葉すら知らない人も多いと思うんですよ。
C:JFAの安全BOOKを読めばいいんだよ。安全に関しては、基本的なことだと思うし。
B:岩場や、そもそもクライミングの危険性を理解していない人は、安全BOOKの必要性がわからないんじゃないかな?
F:うーん、わかる気がする。

伝え方

F:いろんな方と会う機会が多いけど、相手を選んで伝えてしまいがちかも。
B:不特定多数に伝えるには、SNSなんかでキャッチーなことをやらないといけないのかな?
F:Blog、Instagram、Twitterなど時代によってコミュニケーションツールは変わっていくんだけど、ひたすら書き続けていくしかないのかな?
MC:文章を読まない人もいるから、そういう人にも伝えていける方法を考えないといけないのかもしれませんね。
C:SNSで写真を載せる時には人工物を極力写さない様に気を付けていますよ。
A:その意図は?
C:人工物を移さないことで、何かを感じてくれる人がいないかな?と。クライミングは自然と接しているということを伝えたいと思ってる。
E:クラッシュパッドもですか?
G:クラッシュパッドも含めて考えて、気を使ってます。
B:一人で登りに行くという人も少ないですよね。
C:ボルダーでも一人で登りに行くことを「ソロ」って言うみたいですよ。
MC:きっと冒険的な認識はあるんですね。

「カッコイイ」ってなに?

A:課題だけが知られている傾向がありません?
E:課題にしか価値を感じていないのかな?
B:「課題が有名であること」、「そのグレード」、「登りやすいこと」に価値を感じてる人もいるよね。
D:私達は「何がカッコイイか」を教わってきたと思う。今は「何がダメか」しか伝えられてなくて、本当に大切なことを伝えられていない。
B:その課題を、自分が好きか?嫌いか?だけで判断する人が多いかも。
A:カッコイイ、楽しい、とかだけなんですけどね。
MC:Dさんの言った、「カッコイイ」をうまく伝えられるといいですよね。「ダメ」を伝えるより、ポジティブでいい気がする。それは「チッピングするマインド」に対しても、もしからしたら有効かもしれない。継続的に岩場を使っていく、守っていくためにもすごく重要だと思う。
B:カッコイイってのが高グレードを登ればカッコイイと思っている人が多いと思うから、色々な価値観、多様な楽しみ方を伝えることが重要で、それによって、安全管理やマナーが伝わったり、クライマーのすそ野が広がったり、クライマー全体の意識が向上して岩場を守ることにつながると思う。
E:それぞれがどう伝えていくかが重要だよね。
MC:少なくともすぐにできることの一つに、自分たちの身の回りに伝えることは大切ですね、「何がカッコイイ」かを。

ミーティングテーマ募集

開拓の壁では引き続きお便りも募集しております。
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ミーティング終了後

恒例のweb飲み開始。今回は比較的重いテーマでしたが、その後はクライミングについて語り合いながら、楽しい時間を過ごしました。お忙しい中ご参加いただいた皆様ありがとうございました!

記:開拓の壁事務局

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