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キリコとエイコ(大阪217日目)

珍しく仕事のない週末。神戸の展覧会をハシゴした。

1件目は「デ・キリコ展」神戸市立博物館。

国内では東京都美術館と神戸の2ヶ所でしかやらない貴重な展覧会。それほどキリコの絵が好きってわけじゃないものの、ポスターのビジュアルがかなりカッコ良かったので参戦。

展示は、キリコの思考・人生を辿りながら、形而上絵画への変遷を解説する内容で、「自画像・肖像画」「形而上絵画」「伝統的な絵画への回帰」「新形而上絵画」といったテーマごとに、広場・マネキン・室内という3大モチーフがどのように生まれ、発展していったかの流れがよくわかるものとなっていた。

コスプレ自画像。遠近法がおかしいぐらい自分を大きくw
S字の形状のなにか。よくわからんけどバランスを取ってる。
タイトルが預言者と聞くともう「21世紀少年」にしか見えない
この水泳帽みたいな帽子はなんなん?そして後ろからのぞいてくる不気味。
一見、まともな絵のようで女性の表情や手間の果物、奥の人物など不気味要素満載
この身体のバランスがおかしい感じは今のアニメに繋がってる


全体として印象に残ったことを箇条書きにすると
・さまざまな塔が描かれているがいずれも絵の中の存在感がすごい
・室内のごちゃごちゃ感と、窓から見える風景の雄弁さによるバランスが面白い
・表情がないはずのマネキンに表情を感じる
・後世に登場する多くの「顔のない人」の絵やイラストの源流はここ
・謎の物体「S字の形状」だけどこれがあると画面が落ち着く
・まさか彫刻までやっているとは。しかもその表情がとても繊細。
・いろんな表現を「発明」した画家なんだと認識を新たに。

こうやってちゃんと系統立ててキュレーションして貰えると、絵画の見方が少しずつわかってくる(気がする)。



2件目は、「石岡瑛子 I デザイン」兵庫県立美術館

石岡瑛子さんは、広告デザインが好きだった自分にとって神の一人。コロナ禍に行われた東京都現代美術館の大規模展は時節柄見にいけなかったので、この展覧会を楽しみにしていた。

エントランスが素晴らしい

残念ながら、東京都現代美術館の時のものとすると、ずいぶんと規模が小さかった(舞台装置や衣装はゼロ)。それでも、原寸大の珠玉のポスター群が見れて感激したし、圧倒された。

遠景の写真だったものを限界まで拡大した一枚。近くで見ると画像が荒いがそれも含めてのインパクト。
このポスターも原寸で見たかったもの。大迫力だった。
レニ・リーフェンシュタールの写真集が欲しい
理科の教科書をデザインしてとは知らなかった

情報として既知のことが大部分ではあったものの、これまでにない表現、本質的な表現、そして時代を切り開いていく表現を追求し続けた求道者なのだと再認識できた。今回の展覧会のキーコピーは、彼女が残したこんな一言。

着地は熱情であらねばいけない。    

ー石岡瑛子ー

しびれるなあ。ふるえる。


ひどい雨に降られたけど、良い1日でした。


ネギそば(小)とチャーハン/順徳
海老と穴子の箱寿司/檜垣




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