ソウルの春(大阪147日目)
韓国で国民の4人に1人が観た(あの『パラサイト 半地下の家族』などを上回る1,300万人以上の観客動員を記録)という大ヒット映画「ソウルの春」を鑑賞してきた。
1979年10月、独裁者とも呼ばれていた韓国の朴正煕大統領が暗殺され、民主化の機運が一気に高まる中、後に大統領となる全斗煥が中心となった軍の一派がクーデターを起こそうとする一夜の出来事を描いている。
近年、韓国現代史を扱った映画がいくつも製作され、またそれぞれが大ヒットしている。日本の民主化は、第二次世界大戦の敗戦によって一気に進んだが、韓国ではほんの45年前に「始まった」のだ。
例えば代表的な作品と、史実の時系列はこんな感じ
1979年10月:朴正煕大統領暗殺事件「KCIA 南山の部長たち」
1979年12月:粛軍クーデター「ソウルの春」
1980年5月:光州事件「タクシー運転手 約束は海を越えて」
1987年1-6月:6月民主抗争「1987、ある闘いの真実」
これらの映画は、史実が史実だけに重厚な内容だが、製作者側に「広くこの内容を知らしめたい・残したい」という強い意思があるせいか、いずれの作品もエンタメとしても一級品の仕上がりで、感動の余韻が深い。
今や、映画のみならず、音楽・ファッション・コスメ・グルメなどで世界を席巻する韓国カルチャー。それがほんの2世代前までは、軍が全てを掌握し、異を唱えるものは簡単に逮捕・拷問・虐殺される社会だったという現実。
そのギャップが感動的でもあり、また恐ろしくもあるのよね。
主演のファン・ジョンミンは共感度ゼロのサイコ野郎を快演、そしてw主演のチョン・ウソンは相変わらず三浦友和に激似。シネマート心斎橋にて。
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