手に惹かれる
本当に、私は男性を観察する際、手に目がいってしまう。
手は顔や首と同じように、体の部位の中で外気と人の目に触れる数少ないものである。
結構誰でも手は剥き出しで普段生活しているわけだから、わたしは男性の手を見るのが好きで良かったなぁと心底思う。
爪の大きさ
爪の形
肌の色
指の長さ
節張り
指の腹
指先の幅
手の甲に浮かび上がる骨
手首の関節
内側の手首と掌の境界
全体のフォルム
指輪との調和
見るところはたくさんある。
繋ぎ心地とは全く別の話。
しかし綺麗なものには触りたいと思う。
許してくれさえすれば。
どうしてもその綺麗な線をなぞりたくてなぞりたくて仕方ない。
眉と頭髪のその間に指先を。
頬を寄せたい。
あまりにも綺麗であれば、口をつけたいとすら思うこともある。
例えばピアノを弾くその手、指の開き具合、手の甲に浮かび上がる骨の蠢き。
例えば通勤鞄を持つその手、握られたことでわかる骨の山、伸びる指の長さ、手の厚み。
例えばお猪口を持つその手、そっと壊れないように掴むとできる空間、間から見える薬指と小指の先。
例えばワイングラスを持つその手、繊細なスタンドを掴む親指と人差し指と中指のなんと優しいこと。
手に出会うたびに、触れたいと、なぞりたいと、熱くなってしまう。
とにかく手が好きでたまらない。
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