結局ウェストハムってどっちなの?
皆さんお疲れ様です。
最近ぼちぼちウェストハムの試合を追えるようになってきて、また少し気になるような事が出来たので、Twitterだと書ききれず皆さんのTLを荒らすような事になってしまうので、ここに纏めておこうかなと思います。
今シーズン試合ごとの振り返りをnoteに纏めることはしなくなったのですが、理由としてウェストハムが今後どうして行くのかがあまり見えてこないと言いますか
題名どおり「どっちに行くんだウェストハム」
と日々僕は勝手に海の向こうにある見に行ったこともないチームの事を頭を悩ませながら考えています。前置きはここまでにしてさっさと書いていこうと思います。よろしくお願いします。
1.調子は取り戻しつつあるウェストハム。課題は新戦力との融合?
新戦力は必要だったの?
今季3連敗でスタートダッシュに大コケしたウェストハムですが、現在少しずつ勝ち星を上げられるようになり、何とか降格圏から13位まで順位を上げる事に成功。シーズン当初に期待していた位置とは程遠いですが、とりあえずは安心でしょうか。ですが得点力不足というのは未だ改善が見られず、13節を終えて11得点13失点となかなか苦しい得失点になっています。
決定機を決めきれていない。シーズン序盤の前線の選手たちの不調が響いた。というのも原因かと思いますが、そもそもこのウェストハムというクラブに確固たるオフェンスのコンセプトがあるのか?という所です。
今までのウェストハムのオフェンスというのはビルドアップをほぼ放棄したもので、GK、DFラインからのロングボールを主にアントニオが収めて前線がサポートに来る時間を稼いだり、相手が弾き返したボールを回収したりと保持の形からシュートまで行く形というのがそもそも少ないものでしたが、それでも前シーズン60得点も取れていた理由として前線のフィニッシュ力がかなり上振れていたのと、アントニオのハルクみたいなフィジカルを生かしたポストプレーがあまりに偉大で独力でもチャンスを作れていたというかなり選手への依存度が高いオフェンスだったかと思います。
そしてこれを
今シーズンの13節時点の総得点を比べてみます
22/23 ウェストハム 13節時点で11得点
21/22 ウェストハム 13節時点で24得点
まさかの半減以下
というか前シーズン点取れすぎだろというところです。今思えばやはり上振れしていたなという印象です。
じゃあ何が変わったのか
それは元気いっぱいのオフェンスとディフェンスが出来なかった。本当にそれだけです。
例年通りであれば。
2.新戦力について
ここからは主にプレータイムを与えられている2選手をピックアップしました。
・スカマッカ
気になるのは新戦力の躍動があまり見られないということでしょう。昨シーズンのオフェンスのコンセプト自体であったアントニオからポジションを取ったスカマッカ。今はここが最大の難点ではないでしょうか。
彼自身非常に能力が高い選手で、その能力を遺憾なく発揮できた時は止められない選手であるとPLでも数試合見せていますが、やはりルーカスパケタという存在がいなければ彼にボールが入る回数が減り、コート上で孤立してしまい、ここ最近めっきり活躍の場面は減ってしまいました。やはりアントニオと同様の役割を与えられると厳しい。スカマッカはアントニオにはない195cmというサイズと、それに見合わない高いスキル。懐の深いボールキープが得意で、非常に高いフィニッシュ能力、レンジのある強力なシュートが打ててさらにはチャンスクリエイト力も備わっている本当にスーパー選手なのですが、アントニオほどフィジカルエリートではなく、消火器のようなビクともしないアントニオほどのパワーやスピードもありません。なのでそこまで長時間キープしたり、ライン際で打開するようなプレーよりも、密集地帯で囲まれながら少ないタッチ数で味方に預けて、また次のプレーへと連続性がある選手です。彼が輝くためにはとにかく孤立させず、スカマッカに対して適切な距離間を持ちながらオフェンスを展開する必要があります。そしてそのオフェンスを展開するためにはそろそろビルドアップに手をつけなければならないという事です。
・ケーラー
そして補強したCBにケーラーとアゲール
非常に現代的でビルドアップが得意な選手達の補強に成功。これはついに!と思っていましたが、アゲールはPS中に怪我を負ってしまい復帰も間もないですが少し置いといて、問題はケーラーです。
ケーラーは3節以降スタメンが続いている選手で彼の能力は言わずもがなビルドアップに必要なものを全て持っていると思いますが、彼に足りないのはやはり守備能力とフィジカルの強さ。最終ラインを務めるにはかなり心許ない。パリ時代からかなり守備面に不安要素がある選手ですが、やはりPLでも露呈。加入した3節以降のウェストハムは10失点。その中でケーラーが直接失点に絡んだのは5失点。流石に多い。どれも空中戦、絞る判断の遅さやシュートコースが切れないなどと言ったものです。
特に対セインツでのアダムズに対する対応。この試合では失点に絡むことはありませんでしたが、ハイラインを敷いた状態からアダムズと5分の状態で裏抜け勝負になったケーラー。この場面でも少し出遅れてしまい、スピードフィジカル共に剥がされてしまって決定機まで運ばれてしまったシーンがあります。ここは流石のファビアンスキの好セーブによってなんとか失点にはなりませんでしたが、他の場面でも完全にアダムズにポストプレーを許してしまい、GKと1対1という場面を作られていましたがこれもファビアンスキの好セーブ。本来ならアダムズに2失点叩き込まれていました。アダムズも非常に良い選手ですというのも踏まえて、彼よりもスピードもフィジカルも勝る選手はプレミアにはごまんといるのでこれからPLでCBを主戦場としていくならかなり厳しいものがあります。
ケーラーは確かに守備面に関してかなり厳しい選手ではありますが、オフェンスに関しては別人のように輝きを増します。相手のプレッシングを予知してSBに預けた際に、直ちに後方に3mほどダッシュして彼らの逃げ道を作るポジショニングを取る事が出来ます。
だから何?と言われたらそれまでですが、ウェストハムにこれが出来る選手がDFラインにはアゲールしかいないのです。本当です。
これをする事で、味方のSBがサイド圧縮を受けた際にいつでも安全にサイドチェンジする準備が整うわけです。そこから素早くサイドチェンジを繰り返していく中で相手のスライドが追いつかない所にギャップができるわけです。
・ビルドアップの問題点
ですがそんな彼の良さを半減している問題がいくつかあります。まずCBで一緒に組む相方の男。クルトズマです。僕はプレシーズンの時から彼の事を不安視していました。
ズマは守備面、特に空中戦ではケーラーを牽引する存在ですが、ビルドアップが非常にまずいことになっています。というより彼を修正する人がこのチームに存在しないという事が1番の大問題なわけですが、その大問題をほんとにダメだけど一旦置いといて
彼の問題であるビルドアップの立ち位置ですが、彼は平面のサポートしか出来ていないという事が原因かと思います。彼自身がケーラー並みに技術があって相手を引きつけるのを狙っている、という意図があれば良いのですが、両方とも備えているとは思えないのでまずは彼の技術のなさを立ち位置でカバーする必要があると思います。
ボーンマス戦からある場面をピックアップした図を作りました
この後ズマはケーラーにリターンパス。
ケーラーをこれをダイレクトでファビアンスキに戻し、ベン君へ繋ぎますが、相手のスライドは完全に間に合ってしまい危うく低い位置でカウンターを食らうところでした。
足元でのプレーがそこまで得意でないズマであれば、もう2.3m後方でボールを受けたほうがいいのではと思います。ズマのようなCBでも他クラブであればここまで悪目立ちしつづけないのですが、いかんせんウェストハムというクラブはここまでビルドアップにメスを入れることはしなかったので、これは本人が気づくしかないというのがかなり難易度です。彼自身が気付くまではビルドアップが上手くいく形を継続して見せていくのは至難の業です。
今の状態でケーラーをCBで使っても良さが半減してしまいます。ケーラーからしか起点が作れない。縦パスが通らない。彼の良さを半減したまま守備が不安すぎるCBで使い続けるのはハイリスクローリターンなのではないかと思っています。
3.まとめ
従来の戦い方とは少し方向性の違う能力を持った選手の獲得
オフェンスに幅が出来る事を願っていましたが、13節終わった時点ではなかなか上手くチームに組み込めていないと思います。
でその結果、彼らの良さを活かすにはどうしたらいいのか。
そもそも活かすつもりがあるのかどうか。
従来通りの戦いを続けるなら、その戦い方にあった選手を獲得するべきだったのではないか?と、彼らを見ていると思うわけです。彼らほどのスキルを持った者たちに従来のやり方を押し付けるのは正しい事なのか。ほんとにこんな大量補強は必要だったんでしょうか。それはシーズンが終わってから考えることにします。
おわり
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