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3連勝!とはならず。第3節クリスタルパレス戦

1.両者のスターター

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2.整理されたクリスタルパレスに対策されたウェストハム。

レスター戦と違ったのは相手のビルドアップの仕方。普段から見てるわけではないので分かりませんが。中央を締めるウェストハムに対し、この試合ではクリスタルパレスはアンデルセンとグエイの2CB+グアイタの3人が基本ライン。グアイタから始まるときはCB間で段差を付けるような立ち位置を取り、中央にクヤテが陣取ります。アントニオとトップ下のベンラーマは縦関係を強いられる。こうなると1トップのアントニオだけでは両方は見れない状況。パレスの両CBはドリブルで持ち運ぶ力があり、フリーになると前にドライブしてきます。この試合では特にマッカーサーの立ち位置が厄介だった。中央からサイドに開きながら走り込む動きでウェストハムの中央を空けられ、何度かDFラインから縦パスを通される場面も。

・クリスタルパレスのボール保持

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前線でなかなかプレッシャーを掛けられなかったウェストハム。クリスタルパレスの両CBはかなりボールを出せるタイプ。パレスDFラインからのロングフィードに、CBの1人がこれの対処に狩り出されるわけですが、この場合一時的に後ろが3枚になりますから、ここにアユーがDFラインの背後に走り込んだり、ザハが中に入って絡んできたり、中盤の2枚のどちらか(ギャラガーマッカーサーどちらかはカウンターケアで残る)が走りこんで来ます。ベンテケに対するサポートが手厚い。こうなるとライスソウチェクはこれをチェックする必要があるので、なかなかCBとボランチのプレスバックで挟み込む事が出来ない。そうなると局面的にパレスの前線のタレントと1対1を強いられることになり、テクニックとフィジカルを持ち合わせるザハや、空中戦で圧倒的なベンテケの前に立つことが難しくなり、こうなってくるとどうしても全体的にラインは下げざる負えない展開。

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そしてこの試合での空中戦の勝負はクリスタルパレスに完敗。特にベンテケのこの試合で12回。いつもはこのトップ5に必ずと言っていい程ソウチェクの名があるのですが、この試合のソウチェクの空中戦勝利回数は2回。パレスの中盤のアグレッシブなアップダウンに手を焼き、そもそも空中戦に参加させて貰えなかった。まるでニューカッスル戦の前半を思い出させる光景。これに合わせてパレスはDFラインを上げて高い位置で即時奪回を狙う。徹底的にウェストハムの苦手な戦い方をしてくる。試合序盤から苦しい展開が続きます。LWBを入れて5バックに出来たら中盤の走り込みに対応できるのですが、肝心のマスアクはまだ調整中。彼がいなければ中々これに踏み切ることは出来ません。タグリアフィコの名がデッドラインに流れたのはおそらくここ3試合で似たような展開があったからでしょう。

・ウェストハムのボール保持

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クリスタルパレスは非保持の時、4-3-3の形からアユーを左SHに戻して一旦4-4-2の形になります。基本的はサイドの選手が高い位置を取るSBを見る。ですがザハがあまり勤勉に守備で動くことはなかったので、ザハが左に流れるクレスウェルについていくと4-5-1のような形になり、前へのチェックはボールサイドに近い選手が出てくる。その代わりアユーはこの試合では前へのチェックと左サイドに上がってくるツォウファルのクロスをブロックしたりとかなり走っていた印象。

なのでウェストハムからしたらあまり規則がないパレスの前線のラインを越える事はそこまで難しくなかった。そこを越えると2列目の選手がコンビネーションで相手の中盤のラインを破っていく姿も見られた。

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左サイドにアントニオが流れ、左で数的優位でボールを保持し、同サイド圧縮してくるパレスを誘いつつ、逆サイドで高い位置を取るツォウファルへとライスが一気にサイドチェンジ。受け取ったツォウファルが中に位置するボーウェンへとクロスを上げる場面が何回かありました。

序盤は苦戦を強いられましたが、徐々にブロックの外でゲームをコントロールすることが出来るようになります。そして先制点はウェストハム。そんなの関係なしのお得意のロングカウンター発動。ウェストハムのクリアボールにアンカーのクヤテが反応し前へ出てきて弾きますが、これを回収したのはツォウファル。これをダイレクトでクヤテが空けたスペースにいたベンラーマに鋭いパス。これを完璧にコントロールできるのがベンラーマ。裏に抜けるアントニオに時間をかけず最小限の動きでアウトサイドで絶妙スルーパス。アントニオがゴール前まで運んでシュートと見せかけてストップ。上がってきたフォルナルスにマイナスのパスを送るとすかさずフォルナルスはアントニオにリターン。アントニオはこれを叩き込むかと思いきやまたフォルナルスにリターン。まさにパーフェクト。West Ham Way.。この間13秒。

そして前半終了。少しやり辛さを感じつつ1-0で折り返します。

3.コナーギャラガー覚醒。ズルズルといってしまった後半。

後半始まって序盤はウェストハム優勢。前線からのプレッシングがハマるようになり、徐々にいつものウェストハムに。相手のビルドアップを中盤で引っかけて少ない手数で一気にゴール前。49分にはライスが回収しボーウェンにロブパス。これを胸で完璧にコントロールしたボーウェンは裏にアクションを起こすベンラーマへスルーパス。ベンラーマもこれを振りぬきますがミートせずにキーパー正面。惜しい場面が続きます。

ですが決めきれないウェストハム。クリスタルパレスも徐々に中盤のギャラガーと前線のザハが低い位置に降りてきてビルドアップに関与してくるように。ザハもヴィエラに喝を入れられたのかサイドへのプレッシャーに絡むように。

そしてウェストハム失点シーンです。直前にドーソンがGKへのバックパスをベンテケにチェックされ、一気に押し込まれてしまったところをパレスにやられました。

ウェストハムが11人全員自陣に撤退し、クリスタルパレスのグエイにボールを運ばれると、ライン間に立つマッカーサーが左のザハに捌き、これを少ないタッチでクロス。これを今日負けなしのベンテケに触られ突っ込んできたギャラガーにやられ同点。少しツォウファルがザハに寄せきれなかったか。

このギャラガーのゴールで息を吹き返したパレス。前半序盤のような動きを取り戻し、押し込まれウェストハムはかなり苦しい展開に。

それでもクレスウェルからのロングボールに反応したアントニオが一発しばき上げ2点目を決めてウェストハムの流れに戻したかったのですが、パレスはキックオフから果敢に押し込むとマッカーサーにサイドからクロスを入れられ、ギャラガーに狭い狭いところで完璧にコントロールされ、対峙していたドーソンを冷静なキックフェイントであっさりかわし足を振りぬかれ再び同点。もう止まらない。


残り時間少なく縦に急ぐウェストハムでしたが、なかなかパレスの速い帰陣をかいくぐることは難しく、もうバテバテなウェストハム。これはいったん落ち着かせるために、ついにコヴェントリーの出番か?と思いましたが、モイーズはソウチェクとライスの2ボランチの牙城を崩してまでトップチームでの経験がまだないコヴェントリーに任せることは出来ないと踏み、ボーウェンに代えてランシーニ、フォルナルスに代えてヤルモレンコと前線に一発のある選手を送り込みも不発に終わり、スコアは2-2で試合終了。内容を見れば勝ち点2を落とすことになりました。まあよく踏みとどまったとも言えるか。

おわりに

夏の移籍市場もデッドラインデーを終え、ウェストハムも最初の方はアレオラのみの獲得しかなく、大丈夫なの?と思っていましたが、終わってみればアレオラに加えて、ズマ、ヴラシッチ、クラールと実力と名がある選手たちをチームに加えることが出来ました。よってコヴェントリーがローンでチャンピオンシップに行くことにはなりましたが、モイーズは現時点で力のあるクラールを選んだことで今年は相当賭けてるものがあると感じ取れます。どんとこいELでしょうか。代表ウィークからチームに合流するのが楽しみですね。新加入選手たちがどんな活躍をしてくれるのか。期待しましょう。ではでは。


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