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21/22 ウェストハムユナイテッド通信簿 GK〜DF編

・はじめに
お疲れ様です。カイラです。
今季のプレミアリーグも終わりまして
皆さまご苦労様でした。
ELを抱えて臨んだ今シーズンでしたが、ウェストハムはリーグ戦7位。ELベスト4とFAカップベスト16。リーグ戦は昨シーズンの位置を維持したままコンペディションでも上々の結果。サポーターとしてとても誇りに思います。それとともに今シーズンウェストハムはCL、EL圏内を目指していましたが、やはりビッグ6の壁は高かった。そういったシーズンにも思えました。ですが結果として昨シーズンから設立されたECLへの出場権を手に入れ、またヨーロッパの曲者たちと合間見えることが出来ます。ありがとうウェストハム。

ということで今回も毎年恒例の
今シーズンのウェストハム選手たちを10点満点評価で通信簿を付けていきたいと思います。付ける点数には出来るだけバイアスなしを心がけました。さらに去年と同様に点数以外にもプレミアリーグ出場試合数(途中出場含む)、付随するスタッツ等を記載して行こうと思います。では始めます。

GK

1 ルーカス・ファビアンスキ 8.5

今季 37試合出場 クリーンシート8 (プレミアリーグ11位)

同ポジションのアルフォンソアレオラの加入から始まった今シーズンのウェストハム。ファビアンスキはもう37歳になり、28歳のアレオラとついに世代交代かと多くのハマーズサポはお思いになったかと思います。ですが晩年を迎えつつあるこのファビアンスキはしぶとくチームに貢献。流石の反応速度やベテランなポジショニングの良さでファインセーブ連発。まだまだその神セーブでハマーズサポTwitterのTLを騒がすことになりそうです。特に今季はPKを6回中4回セーブに成功。このPKセーブ数はプレミアトップです。契約自体は今季いっぱいで終了ですが、今季の活躍からもう一年契約延長する可能性をクラブは示唆。これ上なく頼りになるGKですが、今季は今まで見られなかった珍しいミスも増えてきた印象。来季こそはそろそろ彼との世代交代を行うべきかと思います。

13 アルフォンソ・アレオラ 8.0

今季1試合出場 EL11試合出場 FAカップ3試合 カラバオ3試合出場

今季のウェストハム移籍第一号であったアレオラ。パリからレンタルでやってきた彼は買取OP付きでの獲得となり、その買取額はなんと格安の12mと報じられ、ウェストハムサポーターは歓喜の渦に。37歳になった神様ファビアンスキには感謝の意を込めた世代交代の年になるかと思いきや、長年チームを支えてきたこの晩年ファビアンスキが全く隙を見せる事なく、世代交代どころかリーグ戦ではほぼアレオラに出番は回ることはなかった。ですがリーグ戦の出番は少なかったものの、EL、FAカップ、カラバオカップではスタメンを任された。ウェストハムのEL大躍進の陰には彼の何本ものビッグセーブがあったからこそ。

今シーズンのウェストハムのベストセーブはEL準々決勝セビージャとの2ndlegで見せたアレオラの右手1本でのワンハンドセーブ。早い流れの中で繰り出された近距離かつパワーのあるシュートを右手1本でパンチング。

彼のこの力強いセービングと手を広げた時の圧迫感、スケールの大きさはあのノイアーを彷彿させます。

高身長ながらも反射スピードも格別に速く、どんなシュートにも触れる速さと広さを持ち合わせた正統派GK。実はキックの精度も良く、ガタイの割にはサイズのない低身長高タンパク質なアントニオに合わせた丁度いい高さのキックはもっと重宝されるべきものだと思います。来季こそは彼がウェストハムのスタメンを担う事を願っております。


25 ディヴィッド・マーティン 

19/20シーズンのチェルシー戦。33歳にしてプレミアデビュー。
見事なセーブ連発でクリーンシート。勝利に貢献。

35 ダレン・ランドルフ 

2015~2017年に主にウェストハムで活躍。20年~ウェストハムにバックアップGKとして再加入。

今季はアレオラの加入もあり、3rd.4thに回ったランドルフとマーティン。今季は特にGKの故障もなく出場はなかった。そして今季で契約が切れるこの2人。2年前のチームが苦しい時から支えてくれたGKたち。この2年でリーグ戦でも何試合か出場し、見事なパフォーマンスでチームに勝ち点を持ち帰ってきてくれた。バックアップではありましたが非常に頼りになるGKでした。新天地のご活躍を楽しみにしております。

DF

3 アーロン・クレスウェル 8.5

今季31試合出場 2ゴール3アシスト クリーンシート7(チームDFトップ)

左足でのキック精度が持ち味なウェストハムの象徴ともいえるレフトバック。今季もそのキック精度で左サイドの攻撃の中心を担った。しかし昨シーズンの活躍で警戒されたのか、シーズン序盤から相手マークが厳しくなり、彼の一番の持ち味であるクロスを上げる回数は昨シーズンの207本→145本に激減。クロス成功率も29%→23%。ビッグチャンスクリエイト数も12回→5回。アシスト数も昨シーズンの8アシスト→3アシストと攻撃面のスタッツは昨シーズンからかなり落としています。ですが今季は1試合平均のパス数は昨シーズンの45本→55本へ増加。昨シーズンよりプレーエリアを少し下げてビルドアップや左に流れるアントニオへの球出し。さらに左サイドを駆け上がるだけではなく、ライン間に入って中継役になることもあり、昨シーズンと少し違う役回りでチームに貢献。今季は久しぶりの直接FK弾もあり数字以上にインパクトを残した。さらに今季は守備面が向上。チームDFの穴だった存在であったクレスウェルがディフェンスで、この年齢で目に見えるほどで成長するとは。実はタックル成功率は昨シーズンの41%→64%に増加。1対1でも簡単に負けることがなくなった。ですが彼も32歳。シーズン途中での怪我が予想以上に長引き、彼がいない状態のウェストハムは攻守において不安定になっていました。流石にこの左SB、バックアッパー兼後釜が欲しいところであります。

4 クルト・ズマ  7.5

今季24試合出場 1ゴール クリーンシート5

チェルシーから移籍金45億円4年契約で獲得したウェストハムでは念願であったネームバリューのある笑顔が素敵なCB。だった…。プレミアで随一のフィジカルモンスターで地上戦では長い脚とフィジカルを活かしたタックルや、難しい体勢でも素晴らしいクリアリング能力、空中戦ではジャンプ力も化け物じみてるズマはほとんどの相手を封殺。守備面に関しては隙のないコンプリートDF。ボール保持でも果敢にボールを運ぶ勇気は見せた。特にオグボンナを相方にした2CBはウェストハムの歴史を見てもナンバーワンのバックラインなのではないでしょうか。ですが怪我もそれなりに多い印象があるズマ。今季も少しチームを離れてしまう怪我を負ってしまった。それでもウェストハムのCB事情もありギリギリの状態で試合に出ていたことから終盤につれてパフォーマンスも低下。ボロボロの状態でありながらなんとか最後まで試合に出続けた。例の件が発覚してからシーズンが終わるまで一貫して、試合中彼がボールを持つとスタジアムのハマーズサポからブーイングの嵐。そりゃそうだ。

5 ヴラディミール・ツォウファル 7.0

今季 28試合出場 4アシスト クリーンシート5

ウェストハムが誇る鉄壁ライトバック。90分攻守に愚直にアップダウンを繰り返すことが出来るスタミナに高精度のクロス精度を持ち合わせる。ですが今季は怪我で少し戦列を離れてから本来のパフォーマンスまでなかなか復調できず。今季はベンジョンソンにポジションを奪取されかけるも、今度はそのベンジョンソンが負傷離脱。EL準決勝にてフランクフルトに敗退した際には一番悔しがっていたツォウファル。ここから徐々に本来のパフォーマンスに復調。守備面では戻りつつあるも、クロス成功率は昨シーズンの26%から18%へと低下。復調さえしてしまえば全くいう事がない選手。来季はスタートからウェストハムを引っ張って行って欲しい存在です。プレミアリーグで最も過小評価されている選手だと思います。

15 クレイグ・ドーソン 9.0

今季 34試合出場 2ゴール クリーンシート5

今季のスペシャルワン。昨シーズンからチームに欠かせない選手へと上り詰めたドーソンですが、CBの故障が重なり、3.4番手の選手からまさかまさかのスタメン常連のCBになってしまいました。さらに今シーズンは選手としてまさかのレベルアップ。彼の持ち味である泥臭いDFで相手のシュートをブロック。マークマンに対しては縦パスを入れられた際に反則ギリギリのタックルでボールを奪取。時には普通に反則プレーで相手のオフェンスをファウルで止めたり。彼の今季の圧倒的な活躍にBallon d'or(バロンドール)を文字った「Ballon dawson」や「VVD(ファンフィルファンダイク)はファンフィルファンドーソンだ」と偽名を付けられるぐらいにリーグ戦でもELでも安定感がありました。今季特に目立ったのはシーズンが終盤になるにつれてボール保持の部分。いつどこで習得したかも分からない精度のいいロングフィードに、元々ボールを運ぶ勇気は持っていたドーソンはビルドアップでもそこまで穴になることはなく、そのあだ名に恥じぬパフォーマンスを続けてみせた。そして今季もほとんど試合を欠場することなく最後までバロンドーラーであったドーソン。ウェストハムは今季この人に1番救われたと言っても過言ではありません。これからくる未来のCB達は「ウェストハムで活躍するCB」になりたければドーソンは見本にしたらいいのではないでしょうか。ウェストハムのメシア。

21 アンジェロ・オグボンナ  6.5

今季11試合出場 1ゴール 3クリーンシート

高い身体能力と空中戦の打点の高さ、また左足から繰り出されるフィードで存在感を示すウェストハムの最強レフティーCB。彼のライン統率はほぼ完璧で、彼がいるだけでウェストハムのチームDFが向上します。ですが昨シーズンから大きな怪我が続き、今季も序盤でシーズンを棒に振る大怪我。チームにとって非常に重要な戦力でありながら、年齢もベテランの域。怪我が多くシーズン終盤まで戦えない選手を軸にDFラインの構築を考えるのは難儀を示すため、彼の代役、特にレフティーのCBというのはかなり必須かと思います。怪我さえなければプレミア屈指のCB。ここ最近は非常に勿体無いシーズンを過ごしています。

23 イッサ・ディオプ 6.5

今季13試合出場 1アシスト クリーンシート2

ウェストハムの秘密兵器。スピードとフィジカルを満遍なく揃え、ボールを運ぶ力やフィードの精度も正直チームトップです。今季はオグボンナの故障もあり左CBでの出場が多かったディオプ。本来のポジションとは少し違う立ち位置でのプレーを求められた今シーズンでしたが、第25節レスター戦にて、DFラインからダイレクトの素晴らしいロングフィードでボーウェンのゴールを演出するアシストもあり、ポテンシャルの高さを見せつけたディオプ。ですがモイーズはどうしても彼の起用を見送っています。理由はシンプル。彼はチームDFをなかなか会得しきれていない。いやプレミアで90分通してプレーできる集中力が乏しいと言った方がいいでしょうか。ですが個人のDFスタッツは最悪ではなく、デュエルの勝率は5割(CBでは少し心もとない数字)ではあるものの、タックル成功率80%を誇ります。彼のポテンシャルを買って、いや現能力でも欲しがるチームは結構数いる中、ウェストハムがどのような決断をするのか。個人的にはズマよりも良い選手になるポテンシャルは間違いなく秘めていると思っております。根気強く信じ抜いてもう一年。ウェストハムで見たいところであります。

24 ライアン・フリデリックス 6.0

今季7試合出場 出場した際のウェストハムの戦績 3勝2敗2分け

プレミアでもトップのスピードを持ち合わせる右SB。年々出場機会が減っている選手ですが、今季はツォウファルの怪我、不調もありベンジョンソンとポジションを争う形で出場機会を確保。守備面では徐々に不安要素を克服出来たものの、やはり攻守においてポジション取りや特に高い位置をとった後のパフォーマンスが厳しく、今季のクロス成功率はわずか11%。ユース上がりで同ポジションのベンジョンソンに出場機会を渡す形で今季ウェストハムとの契約が満了となりました。ですが出てる試合で足を引っ張っていたわけではなく、むしろそのスピードで自らミスマッチを作りだすことが出来ていた。高い位置までボールを運べる力を持っている選手なのでどこのクラブに行ってもまだ輝ける選手だと思います。

26 アルトゥール・マスアク  6.0

今季13試合出場 1ゴール1アシスト 1クリーンシート

ロマンがあるアタッカー系レフトバック。一度をボールを持ってしまえばかなりの期待値の高さでチャンスを演出してくれます。ですが守備面においてはかなりよろしくなく、第17節アーセナル戦で明らかにサカとの1対1を何度何度も演出されてたのはトラウマです。さらに今季ウェストハムはスタートから3バックを採用する試合が少なく(リーグ戦での3バック採用数4回)彼の本来のポジションWBの位置でプレーすることがなかなか出来ませんでしたが、第15節チェルシー戦では途中出場から、左大外からのクロスに見せかけたまさかのニアを撃ち抜く無回転シュート。チェルシーGKメンディが僅かに開けた瞬間を狙っていたのか、身体が少し流れたが故にインフロントでミートし、それが無回転シュートとしてたまたまゴールになったのか。本当の事は本人にしか分かりませんが、チェルシー相手に勝ち点3をもぎ取ったゴールだったのは確か。実はこのゴールはウェストハム在籍6年目のマスアクのプレミア初ゴールとなりました。意外。ここ最近4バック採用が中心になってきたウェストハムではなかなか出場機会がなく、放出の噂もちらほら。個人的にはバーンリーのコルネみたいにポジションを上げて左ウインガーのバックアッパーとしてなら全然価値がある選手だと思うので、放出はなんとか考え直してくれないかフロント。

31 ベンジョンソン 7.5

今季20試合出場 1ゴール 3クリーンシート

今季最も成長した選手かもしれません。昨シーズンは主にストッパー役として左SBのバックアッパーで主力の負傷などで地道に出場機会を貰っていたベン君。今季は右のツォウファルの怪我もあり本来の立ち位置である右SBでの起用が増えると一気に才能が開花。守備面では鉄壁のストッパーとして、攻撃面では昨季の左SBでの経験が活き、第10節アストンヴィラ戦では右サイド深くからカットインすると、利き足とは逆の左足を振り抜いたシュート。このシュートはゴールネット左端に吸い込まれる素晴らしいゴール。攻守両面でインパクトを残せる選手へとレベルアップしました。特に今季はクロス精度が向上。昨季は左SBでの起用が多かった為、クロス成功率は16%。今季は利き足サイドの右SBの起用が主だったこともあり、クロス成功率は25%まで上昇。この数字は今季のランシーニと並んでチームトップタイです。しかしこのベンジョンソンも第15節チェルシー戦にて負傷離脱。素晴らしいシーズンを過ごしていたために残念でしたが、ウェストハムはユースから見事に選手を育て上げることに成功しました。来季のウェストハムの右SBを務めるのはツォウファルなのかこのベンジョンソンなのか。ツォウファルには良きライバルとして、ベンジョンソンには良い見本として互いに高めていってほしいものです。

50 ハリソン・アシュビー 5.5

今季 1試合出場 EL1試合出場

少しずつ頭角を現しているユース上がりの20歳の右SB。主に攻撃面で面白いものを持っており、オーバーラップとインナーラップを同サイドの相方の位置を見て使い分け、そのままシュートまで攻撃にかかわり続ける事が出来る選手です。クロス精度もかなり良い。守備面でもインターセプトの読みが鋭く、今のままでもトップチームでチームDFの穴になることはなさそうです。今は主にアンダー世代のウェストハムのリーグ戦に出場しているが、その中のメンツでも1つ頭が抜きんでてる印象。今季はリーグ戦では途中交代の6分ほど。ELではディナモ・ザグレブ戦。ターンオーバーで臨んだメンバーに選出。90分PTを貰うもその後はトップチームでの出場なし。なにかキッカケがあればトップチームに帯同する未来も想像できます。

MF-FW編へ続く…

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