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新シーズン始まるよウェストハム

みなさんお疲れ様です。
ついにプレミアリーグが僕らの日常に戻ってきますが、ユーロやオリンピックがあり、なんだかあっという間に始まってしまう感じですね。

さて、世界的なイベントに隠れて欧州のクラブは準備を進めていたわけですが、ウェストハムのプレシーズンマッチの結果は7戦5勝2分。なんと無敗。昨シーズンの勢いは衰えることなく今シーズンを迎えることが出来そうです。

そこでプレシーズンの全日程を終えた所で5点のテーマを元に今から語ってから新シーズンを迎えようと思います。ではよろしくお願いします。

1.強豪アタランタ戦の感想

セリエAの強豪アタランタとの一戦。プレシーズンのまとめになる試合となりました。結果は2‐0で見事な勝利。ウェストハムらしい内容でプレシーズンを終えました。

ウェストハムは非常に完成度が高い守備構築で昨季はプレミアリーグで躍進を遂げましたね。相手にボールを前進させずに横パスを出させ、中盤以降のポジションの選手は常にインターセプトを狙いカウンターの機会を狙う。盤面を大きく動かすことなく虎視眈々とチャンスを伺うこのスタイルはウェストハムの新たなWestham Wayとなりました。アタランタとの1戦で何人か評価をされる選手もいた事ですし、今一度振り返ろうと思います。

アタランタは3バックでビルドアップを行おうとしましたが、ウェストハムは5‐4‐1から両サイドハーフのベンラーマとヤルモレンコ、1トップのアントニオの3枚で数的同数ぶつける5‐2‐3に可変し、まず相手のビルドアップを妨害します。3トップの両ウイングの選手は相手CBとWBの両方を相手の中盤へのパスコースを見つつ牽制し、1トップのアントニオはプレッシングのスイッチ役になります。まずはサイドに誘導し相手WBにボールが渡った時に一気にパスコースを封鎖。相手に横パスの選択肢を迫ります。
この横パスが甘ければ、ウェストハムの2ボランチのライス、ソウチェクが強烈なタックルをお見舞いします。そして仮にこれが失敗したとしても、直ちに片方のボランチが出て行った選手のスペースを埋め、サイドの選手も中央に圧縮して選手が出て行った出来たスペースを埋める。この動きが一貫しているのがウェストハムの強みですね。

この場合ボランチ脇が空きがちなのですが、そこで出てくるのが3バック。彼らのディアゴナーレ(前の選手の斜め後ろからカバーリングすること)がこのゾーンDFの肝です。ウェストハムCBはボランチ脇に立つ相手選手への縦パスを防ぎ、ボランチの選手と挟み込みインターセプトを狙います。ハーフスペース攻略がモットーになってきている時代ですが、ある程度押し込まれはするものの、相手選手たちを自陣に引き込みつつ、後ろから前へ出てくるベクトルをそのまま得意のカウンターに勢いが出ます。この点においてディオプはかなり優秀だと思っていて、彼の前へ出ていく推進力はこのチームの強みでもあります。

この試合もあまりボールは握らずに、ボールを保持して攻撃を展開することがあまり上手じゃないのがウェストハムですが、それでもいつも通り中盤のプレッシングからボール回収し、素早くシュートまで持ち込むウェストハムらしいオフェンスはアタランタにも通用していました。
今回もベンラーマが得点に絡む活躍にアントニオのパワーオフェンスも健在。ゲームを作りつつ果敢にゴール前に飛び出すフォルナルスも見られ、コンディションは整っています。2列目+アントニオの流動性から生まれるこの破壊力はやはり絶大。サイドに流れても中央には上がってくるソウチェクが補完しますから。今季は何点取れるのか。昨季は62得点ですからね。1試合平均1.63点。またこんくらい取れたら嬉しいね。

2.ヤルモレンコのオーディション結果


おそらくアタランタ戦がヤルモレンコのオーディションだったと思うのですが、やはりウェストハムで出番を得るのは厳しいと思います。ウェストハムのサイドの選手に求められる守備のタスクは上記したように前線のプレッシングとSBへのけん制を中盤を見つつ行わないと行けないのですが、相手の中央を意識するあまり、外の選手をないがしろにする場面が多く見られ、さらにバックラインの選手たちとの守備の連係が嚙み合わず、右サイドを攻略される場面が多かったです。そして一番気になったのは低い位置でボール回収した際のプレー選択と判断の遅さ。彼は高い位置でボールを持てれば得意の左足から繰り出されるカットインからのシュート、クロスというプレーが増えると思うのですが、低い位置で相手に背を向けた状態でのプレーが不安で右サイドでボール回収してもヤルモレンコのところでボールを失ってしまい、またカウンターを食らう場面が見られました。やはりそうなるとスタメンに名を並べることは難しい、スーパーサブ的な起用?かなり高給取りですしどこかのチームに動かしたいんですけどねえ。神戸マネー待ってます。

3.ベンラーマはパイェになれるのか?


僕はベンラーマの事を常々「こいつはアザールだ!」と言っていますが、やはりウェストハムの左WGといえばパイェ。いわゆるパイェほどのチームのフランチャイズであり、スコアリングリーダーになれるかどうかが今季のベンラーマの目標なのかなと思います。プレシーズンを見る限りはかなり身体のキレも良く、得点のにおいがするバイタルエリアでアイデアを持ち積極的にプレーするベンラーマ。低い位置でもファーストタッチで敵を誘い込み、2つ目のドリブルで完全に抜き去る様は完全にアザールですが、パンチ力のあるミドルレンジのシュートでもプレシーズンでゴールを記録しています。彼の課題は守備面にありますが、以前よりは首を振る回数がかなり増え、周りの状況を把握できるようになりボールウォッチャー癖はかなり改善されています。彼が今のようなパフォーマンスに数字がついてくれば、ウェストハムのスーパースターになる事でしょう。今シーズンは面白くなりそうです。

4.コヴェントリーの可能性


「ウェストハムはコヴェントリーをレンタル移籍する意思がある」

僕はTwitterの翻訳が間違ってると思い、本棚から高校生のころに使ってた辞書を引っ張り出して自分で訳しましたが、目を疑いました。コヴェントリーのプレシーズンのプレーを見た上で言ってる!?じゃあもうユース組からトップ昇格は無理ってことだね!もう解散すれば!?馬鹿じゃないの?とちょっと怒りそうになっていましたが、ウェストハムは何とかコヴェントリーのレンタルを踏みとどまり、トップチームの帯同させることを決定しました。昨季のカレンの件やディアンガナの件もあったので本当に良かった…いやまだ油断できないのか。

さて、コヴェントリーのプレーぶりをみたウェストハムサポーターなら彼に心をグッと掴まれたと思いますが、ここで彼のプレースタイルを少しおさらいします。基本的には低い位置から少し上がった中盤のあたりでボールを配給するのが上手い選手ですが、これがかなり洗練されています。コヴェントリーが相手陣地に少し入った位置でボールを保持していると、幅を取っている味方SBに正対して相手の中盤をサイドに少し開かせたところでライン間に立つフォルナルスにスパーン!と縦パスを刺す場面とか、自身にプレッシャーがなければ急がずにSBが幅をとるオーバーラップを待ってフロアバランスを整えてからボールを配給したりと、先の先のプレーが見えてるようなプレーが得意です。ウェストハムにはこういう選手はいないので、これからウェストハムで貴重な存在になる事間違いなしです。長短に正確で走り手のスピードを殺さないパスが出せますし、ライン間でボールが受けることが多い2列目の選手(特にフォルナルス)や、サイドでオーバーラップを仕掛けるSBとの相性も抜群です。守備面でもライス、ソウチェクには劣るものの、当たり負けしないフィジカルがあり、カバーリングの意識が高いのでこれは…とんでもない逸材なのでは!?と勝手にコヴェントリーに夢を持ってしまいます。16番は彼に決まりかな。

そんなコヴェントリーですが、現在のウェストハムのスターターに食い込めるのか?といわれるとライスとソウチェクの壁は分厚いので難しいですが、どちらかが怪我で出れない、少しコンディション不良だ、というときには必ず出番が回ってくるでしょう。さらに相手によって今日はボール保持がメインテーマだ。というときはスタメンから使われるかもしれません。中盤の位置でこれほどボール配給出来る選手はこのチームにいませんから。

5.今季のキーマンは?


正直今のままの戦いぶりでもトップハーフは固いかな?というのが僕の印象ですが、昨季のようなEL権を取った大躍進、またはELでトロフィーを掲げるには必要な部分だと思います。

Twitterでも言いましたが、個人的に今季のウェストハムが躍進を遂げるにはGKがキーマンだと思います。特にアレオラ。もちろんシュートストップというGKとして最も大事な役割はあります。その点に限ってはウェストハムのGK陣はとても優秀です。ですが、あまり足元でのプレーは好まず、前から圧をかけられたときに上手く対処が出来ないのが懸念点です。ウェストハムは中盤のプレッシングから縦に速い攻撃で相手を仕留めるのが主軸なので正直ここは省略できる部分ではありますが、攻撃の幅を広げるにはやはりここに注視しなければなりません。

相手が1トップなら2枚、2トップなら3枚、と原則は相手の前線のプレッシングの人数+1で数的有利を作り出して前進するきっかけを作るのがビルドアップの基本ですが、ドリブルで持ち運んだり精度の良いフィードを蹴り分けられるCBが増え、あまりDFラインでも時間を与えるのは良くないとビルドアップの枚数と前線のプレッシング人数をピッタリ合わせ、しっかり圧をかけに行くのが基本になってきています。その際にGKがどれだけビルドアップに参加し、数的優位を保つことが出来るのかが相手のプレスを回避するカギになります。

ウェストハムのGKはここら辺のスキルはあまり目立たないですが、これからはかなり求められるかもしれません。今までウェストハムのビルドアップは受け手の能力とアントニオのボールキープ次第でしたが、徐々にDFラインから攻撃を始めようとチャレンジが見られ、先日のアタランタ戦でもファビアンスキからまずDFラインからという意識が高かった。まあこれはアントニオのフィットネスを気にしただけかもしれませんが。今のアップテンポな戦い方だけでなく、疲労が溜まって来たときに試合をスローダウンさせて、自分たちの力で試合を展開できるのか。ELに出るので試合数も増えます。怪我で離脱する選手も増えると思います。ウェストハムのここ最近続くこのテーマですが、今季中にもしかしたら?何かしら改善が見られるかもしれませんね。ここら辺は無理せず1歩ずつ改善していけばいいかなと思います。

みなさんのウェストハムのキーマンは誰になると思いますか?是非教えてください。今日はここまで。読んでいただきありがとうございます。ではでは。

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