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ややや、お久しぶり。というわけで、ルーアン大聖堂の話。

これを見つけた皆さん、こんにちは。


また私をとりあえずフォローしてくださっている皆さん、ご無沙汰しております。


最後にここ更新したの、いつだっけ……


と思って見たら、2021年でした(笑)


どんだけほったらかしにしていたのよ⁈と自らにツッコミを入れたくなったほどですが、まあ去年の私は怒涛の展開とサバイバルな毎日(現在進行形)で、


ちゃんと日記でもつけておけばむしろ面白かったかも、としみじみ思っている今日この頃……


まあ過ぎたことは氣にしない(笑)書き綴っておこうという氣力すらなかったのですから。


というわけで、やっとそろそろここを更新させたいぞという氣持ちが湧いてきまして、


前から書きたかった絵について、よっこらしょと重い腰を上げて書いてみます。


タイトルの通り、「ルーアン大聖堂」です。ええ、クロード・モネの大連作。



その前に、ルーアンって?という方のために、ざっくりどんなところかをご説明させていただきますと、


フランス北西部。←ざっくりし過ぎ


ここはかつて、かのジャンヌ・ダルクが火刑に処せられた哀しい歴史があるところです。


ジャンヌ・ダルクについては……たぶん皆さんご存知ですよね。


一応ざっくりご説明しておきますと、


フランスの大ピンチを救ったにもかかわらす、火刑に処せられた悲劇の聖女です。享年19。←これまたざっくり


ちなみに、彼女が列福からの列聖されたのって、何と20世紀になってからなんですよ。彼女が生きてたのは15世紀前半。


これだけ有名な人でありながら、聖人となるまでこんなに時が必要だったとは……ちょっと驚きです。


閑話休題。


で、このルーアンには、ノートルダム大聖堂とも呼ばれる大聖堂がありまして、


クロード・モネは2年ほど滞在し、若干見る場所を変えつつ、30作品ほど描きまくったわけです。


ルーアン大聖堂、作られたのは1145年頃で、完成したのは1544年。何と400年近くかかっています。


美しいゴシック式の建物で、第2次世界大戦のとき爆撃を受けて修復されたりとかもしています。19世紀には世界で1番高い建築物だったときもあるんですよ。



連作は外で製作したものもありますが、基本的には目の前の建物に部屋を借りて、せっせと描かれたそう。


そこは洋服屋の試着室のあったフロアだったのですが……何も知らない客が見たら、たぶんビックリしたでしょうね。


長い髭のおっさんが、キャンバス並べて一心不乱に筆を運ばせているんですから……


そんなモネ、かなり苦悩したようで、


教会が自分の上に崩れ落ちてくる夢を見るほどだったとか。


そんなになるまで……?と後世に生きる私としては、驚きを隠せません。ごめんモネ、凡人過ぎて。



一連の作品をネットでもいいから観てみてください。


彼が時と光を追い求め、(たぶん)取り憑かれたかのように描いていたのが伝わってきます。


連作はルーアンで完成したわけではなく、自宅のあったジヴェルニー(ルーアンよりパリに近くて、パリとルーアンを結んだ線の真ん中あたり)でも製作を続けます。


そして完成した連作のうち、20作品が画廊で発表され、そのときに8作売れたとか。やるな、モネ。



ルーアンを離れる頃になって、やっと理解できるようになったと言っていたそうですが、


ガンガン朝の7時から18時頃まで描きまくった巨匠ですら、光を捉えて表現することの難しさをこう語っているあたり、


所詮普通の人の自分には到底到達することのできない何かが、そこにあると思わざるを得ません。



実は私、写真を撮るのが好きなのですが、


その昔光を学ぶ上でやったことがありまして、それは、


被写体を窓辺に置いて、ひたすら時間をおいて撮り続ける、というもの。


朝から日没まで、ただただその被写体を撮るわけです。


朝日、午前中、ランチタイム、おやつの時間、夕方早め、夕焼け、夕暮れ……その時々で被写体の姿は光の変遷に従って変わります。


そう、モネが描いたルーアン大聖堂のように。確かそのときは1時間おきで撮ったような……


でも、私はモネほど取り憑かれもしませんでしたし、今に至っても学びきれていないと思っています。ダメ人間です。勉強足りません。


だからこそ、モネのエネルギーと情熱、そして探究心はスゴいとしか思えないし、


実際に絵画に、しかも連作となった作品群を観るたび、光を捉えることの難しさと、その表現のハードルの高さを思い知らされるのです。


彼の光の捉え方は、本当に鋭く、繊細で、その場の空氣感も伝わってきます。


あ、ここまで書いて一応ことわっておきますが、現物を観ていないわけではありません。全部じゃないけれど。


モネは他にも、睡蓮はもちろん、積みわらとか連作を多く描いています。


彼が連作として遺した作品は、現在全作を一度に観ることはなかなか困難ですが、


せめて数点でも同時に観て、彼が捉えようとしたものを追い求めてみると、彼の偉大さがほんのちょっとでも感じ取れるのでは、と思います。



こんなの、時間時間で捉えれば簡単じゃん?色とか影とか変わってくるんだし、みたいに思ってしまうかもしれないですが、


光ってそんな単純なものではないのだなということを、モネは今も私たちに教えてくれます。


もしモネの作品を観る機会があれば、ぜひ少し離れて観てみてほしいなあと思います。


彼が伝えたかった光の世界が、圧倒的なパワーで迫ってくるのを感じられるはずです。

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