見出し画像

HBD Johannes Vermeer

先日調べものしようとグーグル先生立ち上げたら、


Doodleがフェルメールでした。生誕389年。


あれ?Wikipediaでは、10/31に洗礼を受けた、つまり同日かそれよりちょっと前が誕生日なんじゃ、って話になるんだけど……はて。


日本でも大人氣、そして有名画家にも関わらず現存する作品が30ちょいしかない画家。



最初の頃(1650年代)は、キリスト教や神話が主題になった作品を描いていたフェルメール。


やがて風俗画を、あの左手に窓の部屋が背景となった絵を手がけていきます。


フェルメールと言ったら、「フェルメールブルー」。超高級画材であった、ラピスラズリを使用したウルトラマリン
を用いています。石を粉にして、画材にしていたのですね。


パブ兼宿屋を経営していたこと、奥さんのお母さまが裕福だったのと、パトロンがついていたので買えていたのですが、それもずっと続いたわけでなく、


実際後年家計は火の車。何しろ15人の子どもがいた(4人夭折していますが、それでも大家族だよね)ので、そりゃ家計は大変だったんじゃ……っていうか、


純金と同じ価格だったらしいから、そりゃ大変よね、と思うなど。だけど彼のブルーは本当に美しい。


風景画も残しています。現存しているのはわずか2点です。その内の1点である、この「デルフト眺望」の眺めの美しいこと。17世紀後半のオランダの1都市の風景って、こんな感じだったのですね。


この彼女が着ていらっしゃる、黄色の上着は財産目録に記載されているものと同じなのではないかと言われているもの。


当時のオランダ女性の流行ファッションスタイルが、こういうAラインで、しかもふんわりした感じだった模様。今着てもかわいいんじゃないかしら。


フェルメールブルーと共に、彼の作品作りに欠かせなかったと言われているのが、「カメラ・オブスクラ」。


当時、覗くとまだ上下逆さまになって見えたとは言え、遠近感正しい絵を描くのに重宝してらしいです。かなり大きかったみたいですが。


他にも、作品中の1点から糸を引いて、遠近感正しい作品を描いていたりしていたそうで、作品にその1点を定める鋲を打った小さな穴があるそうです。


生前から高い評価を受けていながら、あまりに制作数が少なかったこともあり、のちに忘れかけられてしまったフェルメールですが、


19世紀に入ると再評価されていきます。そして20世紀、有名な「メーヘレン事件」が起こります。


メーヘレンは人の名前。画家として成功しなかったゆえに、次第にオランダ絵画界に対してネガティブな思いを抱き、


贋作をかなり巧妙に描くことになります。当時の画材とか溶剤とか研究したり、古びた感を出したりと、そりゃまあ見事に。


上の「エマオの食事」なる作品、これもフェルメール作品と称した贋作で、1937年に描いたもの。当時真作と判定されて、ボイマンス美術館がオランダ美術界史上最高額で買ったもの。


まんまと騙されたわけですね(笑)


これが贋作とわかった経緯も面白くて、別の作品がナチス・ドイツの手に渡った経緯を調べたら、メーヘレンの名前が出てきて、


オランダの宝をナチスに売った悪い奴と逮捕されたとき、「いや、それ、自分が描いた贋作だし、何ならボイマンス美術館が買ってくれたのも自分が描いたんだけど」とカミングアウト。


で、それを証明するために、わざわざ裁判中に皆の前で描いてみせた。で、メーヘレン、一転して「ナチスを騙したスゴいヤツ」認定されて、刑が超軽くなりました。

ま、服役する前にお亡くなりになったそうですが、ボイマンス美術館には相変わらず「エマオの食事」が展示されているそうです。


面白い。観に行ってみたいものです。画家というより天才贋作者として名を残すことになったものの、結局絵が展示され続けることになったのは、彼にとっては喜ばしいことなのではないでしょうか。


話をフェルメール本人に戻しますが、


世界には各国にあるフェルメール作品を追っかけて旅するような方もいらっしゃるほど、人氣者となったフェルメール、


盗難事件に巻き込まれることも多々ありまして、現時点でも発見されていないものが。


上の「合奏」がそれ。無事だと良いのですが……どこにあるのでしょうねぇ……


さてと、ずいぶん長く書いてしまいましたが、そう、私も世間さま同様に、フェルメールが大好きなんです。


メトロポリタン美術館展(東京は来春開催予定)には、彼の作品がやって来ると聞いております。


実物観られるのが、今から超楽しみ!



こちらの展覧会、土曜から大阪で始まったばかり!大阪、または大阪が近い方、ぜひ。ビッグネームの作品も多数来日しておりますし、日本初公開作品もかなりあります。


東京に来るのが楽しみです。


Doodleのおかげで、久々にじっくり、フェルメール作品を眺めることとなりました。


ありがとうDoodle。


観てよ、この、真珠が光を放っているかのような輝きの描写、濡れて輝いているように描かれた唇の美しさ。


ダリが「作画しているところを10分でも見られるのなら、右腕を切り落としてもいい」と讃えたそうですが、


その氣持ち、わかるわー。腕は切り落としたくないけれど(笑)

よろしければサポートお願いいたします!今後の活動費、勉強代に活用させていただきます!