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2022/03/19 電音部 2nd LIVE -BREAK DOWN- 感想

3月19日、みなとみらい駅から程近いパシフィコ横浜にて電音部2nd LIVE -BREAK DOWN-が桜卯月の部、神無月の部と称された昼夜2部構成で開催された。
自分は今回こそはと思い2部両方とも参加したのだけど、いや、本当に……凄まじいライブでしたね……。
という訳で、今回はそんなライブの感想をここに残しておきたいと思います。
前置きとして、自分は執筆時点でアーカイブ等を確認していませんので、多少の事実関係との齟齬には目を瞑っていただければと思います。

桜卯月の部 開場前

電車に揺られつつ会場に向かう中、電音部楽曲を片っ端から流していた。

(結局、この曲は流れなかったのですが……)
この時はノベルやストーリーについて新しい展開があれば良いなー、あと「爆裂タウマゼイン」とかで全力で屈伸運動したいなーとか思いながら聞き直していましたね。あと今回はアザブの銀華様役である澁谷梓希さんが出演なされないということで、エリアのセトリがどうなるかとかもとても気になっていました。

そして開場1時間ほど前にパシフィコ横浜に到着。物販にて諸々を購入したりフォロワーの方にご挨拶させて頂いたりしながら開場までの時間を過ごしていた。

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会場が海を臨む場所にあるのも……めちゃめちゃ良い!日中は快晴とまでは言わずとも晴れていて、待ち時間の間に周辺をふらふらするのにも最適な気温でした。

そして正午を回って開場、自分は列がある程度止んだタイミングを見計らって入場した。

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開演までの1時間は各展示を見て回り、それと2時間を最後まで生き延びるための飲料の購入などをしていた。

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My New Gear REMIXの新作、めちゃめちゃ楽しみですね〜。

そんなこんなしている内にあっという間に13時が間も無くという時間になり、私はすたこらと自分の座席の方に戻った。
ここで座席位置についてなのだけど、今回私は昼夜両部ともに10列台後方、かつ比較的中央よりというステージに近い位置に座ることが出来た。やったね。

そして13時丁度。遂に2nd Live 桜卯月の部が幕を開けた。


桜卯月の部

開幕、照明が暗くなってから繰り出される爆音の「Sirens in the Beginning」!!鉄骨が剥き出しになったようなステージ背景と、1stとは趣の異なる治安最悪な音楽が合わさって「BREAK DOWN」というタイトルを否が応でも思い起こされ、まだ完全には準備ができていなかったテンションも一気に高まってしまいました。


1st BREAK DOWN ハラジュク

そして始まる2nd Live、トップバッターは1stと同じくハラジュクの犬吠埼紫杏さんで、曲は「Eat Sleep Dance」!!トップバッターということもあったのだろうけど最高の出だしに「おお……!」というどよめきが会場内から挙がっていたのが印象的だった。もちろん自分もその一員でした……。
やっぱりEat Sleep Dance、めちゃめちゃ良い曲ですよね。全力で腕を振り回したり飛び跳ねるような、ハイテンションになるという訳ではなく、かと言って落ち着いたチルっぽい曲という訳でもない。ただ純粋に音に身を任せて体を揺らしたくなるような楽曲で、やっぱりMoe Shopだよ……となっていた。
またハラジュクらしい「Kawaii」を意識したステージ上の演出、可愛らしい衣装を身に纏いつつもクールに歌い上げる長谷川さん、キレッキレのダンスを披露するダンス部の方々と、ステージのパフォーマンスも素晴らしく、また1st の時の昂りを思い出さずにはいられませんでした。やっぱり最高だよ、電音部のライブ!

そして2曲目は水上雛さんによる「ミルキータイムライン」!先ほどとは打って変わって可愛らしいFuture Bassが体を揺らす。そしてドロップの時は治安悪めの音に合わせて頭を揺らす。電音部のライブは本当に、クラブに来たような感覚で楽しめてしまうのが凄いですよね……。
そして1stに引き続いてやっぱり大森さんのキャラクターとしての振る舞い方が輝いていた。マイク越しに伝わってくる声とステージ上のパフォーマンスはやはり雛さんそのもののように見えて、とても楽しむことが出来ました。

そして3曲目、美々兎さんによる「Do You Even DJ?」!!!!!!まさか現地で聞けるなんて!!!!嬉しすぎる!!!!!!!!!

本当にノベルを読む前から好きで、ノベルを読み終えてから一層好きになってずっと現地で聴きたいと思っていた楽曲なんですよね……。ただ、前回のサンリオでのイベントで披露されていたという風の噂を耳にしていたので正直あまり期待はしていなかったのですが、いや、本当に嬉しかったなあ……!
可愛らしい美々兎さんの声とともに届けられるビックリするほど治安の悪い、頭を全力で振りたくなるような音、やっぱり現地で聞くのは楽しすぎますね。「違い、わかったら手を上げて」「はーい!」を一体となって出来たのも最高でした。
そして小坂井さんが……、本当に美々兎さん!歌声に込もる「美々兎」としての感情や、最後のセリフパートも身振り手振りも交えて本当にキャラクターに成り代わっていたのが、本当に嬉しかったですね……。いやあ、本当に良かったなあ……。

そしてダンスパートを経た後。流れ始めたのはもう幾度となく聞いたあのイントロ、「Hyper Bass」!バッチバチのアンセムはやっぱり流れると嬉しいしドロップに至ってはやっぱり頭を全力で振りたくなってしまいます……。この時点で既に「電音部最高!」の感情が最高潮に達しましたね。


2nd BREAK DOWN シブヤ

そして2nd BREAK DOWNはシブヤ。さて、前回はジャングルでわっほいから始まったけれど今回は一体どうなるか。そんなことを思いながら待っていると……、

崩れました、感情が。
ピアノの伴奏が聞こえステージ上が水のような青色に染まった瞬間、変な呻き声が口から漏れ出てしまいました。流石に叫ぶことはできませんから……。
クレアさんの透き通るような綺麗な声と光の演出がノベルの内容を、まるで走馬灯のように次々と想起させていく。様々な気持ちが心の内を駆け巡りながら、心ここにあらずと言った風に腕をただ振る傀儡と化してました。本当に、海月さんはさあ……。

そして次はルキアさんによる「NANAIRO STAGE」!私がとても好きなYUC'eさんの楽曲です。
楽曲も最高なのはそうなのだけれど、特筆して演出がめちゃめちゃにキマッていたのが印象深い。冒頭の「NANAIRO STAGE 駆けるよ SHOOTING STAR」のタイミングでステージ、そして観客席までもが七色の光に当てられ輝き出した瞬間は素晴らしく、ぐちゃぐちゃになっていた心が無理やり固められてテンションも一気に高められてしまいました。
そしてシブヤダンス部のパフォーマンスも光っていた。Vの肉体を持つために派手に動くことの出来ない演者さんの分も派手に動き回っていて、ストリート系の振り付けが本当にカッコ良かったですね。

そしてシブヤソロ最後を飾る鳳凰火凛の楽曲は……「CHAMPION GIRL」!帝音渋谷最高!帝音渋谷最高!
この40週連続リリース楽曲の中でも屈指のキラーチューン。治安最底辺の低音がバッチバチに効いたドロップを現地で聴くのが夢でした。……叶った!
そして健屋さんの歌声がめちゃめちゃにカッコ良い。音源と遜色のない歌いっぷりに感激してしまいました。巻き舌のところ、本当に良い……!「最強の女」たるパフォーマンスをなさっていたなとつくづく思います。

そしてシブヤ、ダンス部によるショーケースがマジでカッコ良かったんですよね……。元々ストリート系のダンスを見るのが好きだからというのは多分にあるとは思うのですが、荒っぽさを前面に出したパフォーマンスに心惹かれてしまいました。
特に印象に残っているのが、ソロパートで右上(奥)で踊っていた方!あの方のソロ出だしでみせたクソ強空中ヒットの衝撃を今でも鮮明に覚えています。
いやあ、本当に最高のショーケースでした。今後の3rd,4thでもダンス部はそのまま続投してもらいたいですね……。

そして2nd BREAK DOWN最後を飾ったエリア楽曲は「REIGN」、AZK&Toki楽曲だ!本ライブでの数少ない澁谷梓希さん要素に嬉しくなってしまいました。
この曲もとても楽しかったけど、惜しむらくはドロップの合唱パートが発声禁止のために歌えなかったこと……。いつか発声可能な状態のライブで、是非もう一度この曲でノりながら思い切り声を出したいですね。


3rd BREAK DOWN アザブ

そして3rd BREAK DOWN、1曲目は「MUSIC IS MAGIC」。1stの時2日目のみ参加だった自分にとって思い出の1曲ですね。
そしてやっぱり嬉しかったのは「ミラーボール 回しなさい」でミラーボールが回りだすあの演出!1stからの続投の演出ですがとても煌びやかで、煌様の楽しそうな様子も伝わってくるのが本当に良いんですよね……。
そして今回、小宮有紗さんが絢爛な衣装を身に纏いながらキレッキレに踊っていたのがとても印象深い。公演後のコメントを拝見したところマイクではなくヘッドセットを用いていたため手が自由になって振り付けが出来たということらしく、なるほどと納得はしたものの、それでもやっぱり歌って踊る小宮さんの姿は今でも目に強く焼き付いています。

そして2曲目。こちらも1stから続投、電音部を象徴するアンセムこと「いただきバベル」!やっっっぱりコレですよ、コレ!!
2度目の現地ですが改めて、秋奈さんの高速ラップはめちゃめちゃにカッコ良い。今回は前列、演者さんの表情が視認できるような位置で見れたこともあってより衝撃をくらってしまった。
そしてビルドアップから観客側から巻き起こる高速クラップも……とても楽しい!アザブの前までの2曲、そしてハラジュクのHyper Bassにも言えることだけれど、1stで一度経験した楽曲とかだと観客側がノリ方を分かっていて、その分一体感が増していた様に感じた。

ちなみに夜の部でも流れたいただきバベルの際には、自分も高速クラップ起動に参加させていただきました。めちゃめちゃ楽しかったね〜〜。

そしてダンスパートを経て、次に流れたのは……煌様のソロ曲「No More」!自分はソロの後、エリア楽曲を2人で歌唱するものだとタカを括っていたのでめちゃめちゃにビビってしまいました。嬉しい誤算だ!
ミラーボールを回しているときとは打って変わってどこか大人な雰囲気を感じさせる楽曲。こちらでも煌様は歌って踊っていましたがターンの時に広がるドレスがとても美しくアザブの高尚さというのをひしひしと感じました。
いやでもまさか、本当に1公演でソロを2曲披露してくれるとは全くの予想外で……これで次の現地でPlatinum Whiteを聴ける可能性が高くなったというのが、実はかなり嬉しかったりします。

そしてたまちゃんも2曲目!!こちらも電音部の中でも指折りのアンセム「Catch a Fire」だ!キャッチャファイヤッだ!!!!
これも現地で飛び跳ねられるのが最高だった楽曲の一つですね。正確に言えばジャンプ禁止の現場だったので全力の屈伸運動だった訳ですが。
このたまちゃんソロ2曲、聴いてリズムに乗って最高になれる楽曲でありつつ、しかも黒鉄たまというキャラクターの文脈がしっかり乗った楽曲であるというのてとても嬉しい。特にCatch a Fire は2番のヴァースの歌詞が好きで、縦ノリで気持ち良くなりながら感情をぐにゃぐにゃさせていました。あとミラーボールがフロアを照らし出す演出、やっぱり好きですね〜。


4th BREAK DOWN アキバ

エリア最後を飾るアキバ、そのトップバッターは茅野ふたばさんで「アイドル Break All」!
1stの時に披露された「アイドル狂戦士」でも感じていたことなのだけど、演者の堀越せなさん、茅野ふたばさんを憑依させてしまうんですよね……。冒頭と最後のセリフから感じる「表のふたば」、そしてサビやサビ後のシャウトで現れる「裏のふたば」。瞬時にどちらにもなり変わるパフォーマンスがキャラクターコンテンツとして完璧で、圧巻でした。
あとこれは小宮さんにも共通することなのですが、セリフパートの内容を桜卯月と神無月で変えてくれているのが細やかながらも良かったなあ……。同じ曲でも2部両方とも聴いたことに意味を与えてくれるのはとても嬉しかったりします。
あ、それとラスサビ前の歌唱の時にダンス部の方々が物販のペンライトを使って回していたの、しっかり笑顔になってしまいましたね。

そして2曲目はイノタク楽曲の「トアルトワ」。雨の音や電車の音が会場内に響き渡るのが、本当に良かった……。
トアルトワ、まずとにかく楽曲が良い。これを現地で体全体で浴びることができたという時点で最高です。
そして天音みほさんの歌唱が心底良かったと感じた。東雲和音さんらしい、少女の情感をたっぷりと込めた歌い方に魅せられて、特にラストドロップ前の「そして今日が終わって」での艶かしさすら感じるロングトーン、そしてドロップの思いを弾けさせる様な歌いぶりは、「踊ろうぜ」と言われて踊りだすまで呼吸を忘れてしまうほどでした。いや、本当に素晴らしかったなあ……。

と、天音みほさんのパフォーマンスから感傷に浸っていたら

また崩れちゃいました、感情が。
……いや、まあメロディーの抱擁が流れたからにはこの曲が流れるのはほぼ明らかではあったのだけど、しかし実際に流れるとやはりノベル、そして先ほどのメロディーの抱擁の歌声を思い出して目頭を熱くさせてしまいました。
ステージ上の演出も美しく、時折挟まれる青色の光が否が応でも心に突き刺さる。この曲は周りも腕を振るなどの行為を見せていなかったこともあって、ただただオレンジ色に光るペンライトを正面に構えるだけで過ごしていました。本当に、良い曲だよ……。零奈さん、どうかお幸せに……。

そしてここでアキバダンス部のパフォーマンスが挟まれるのですが……楽曲の治安が悪すぎない!!??
一応、アキバサイクルをアレンジした楽曲なのだろうけど原型を留めておらず、強い音に乗せて腕を振り、足を回し、体を激しく動かす様なダンスで魅せる。ストリートスタイルを貫くシブヤとはまた違う、まさに「BREAK DOWN」というにふさわしいようなダンストラックでめちゃめちゃビックリしてしまいました。でも、めちゃめちゃにカッコ良かった……!

そしてアキバ最後のエリア楽曲は「NEW FRONTIER!」!これもまた良い楽曲!
この曲もseason.0 の文脈が多分に含まれた、和音さんの成長とアキバエリアとしての友情を強く描いた楽曲であり、透き通る様なトラックと3人の歌声を聴いていけばいくほどにキャラクターを思い出してしまい、音に揺られながらも感情も激しく揺れ動いていました。飛び込め、NEW FRONTIER!


FINAL BREAK DOWN オールエリア

FINAL BREAK DOWNの最初の楽曲は「Future」。ノベル文脈だ!
シンプルにリズムに揺れるのがとても楽しいKawaii Future Bass。ビルドアップでクラップしたくなるし凶悪さを感じるドロップでは腕や頭が勝手に動き出してしまう魔性を持った曲で、しかもその時は気付いていなかったんですけどこれライブ初披露だったんですよね、そうか……。
ノベルでもハラジュクの転機となった様な楽曲なのでこの2ndという機会に披露されたことがめちゃめちゃに嬉しかったです。いやあ、聞けて良かったな。

Futureが終わり、ステージが暗転。そして流れてきたイントロは……

タウマゼインだーーーー!!!!ヤッターーーー!!!!
やっぱり他の多数の観客の方々も待ち望まれていたようで、気づいた途端会場内にどよめきが走ったことを今でも覚えています。
この曲はもう、純粋に楽しい!ハイテンポに駆けていくようなルキアさんのパートに、落ち着くような海月さんの歌唱の後、「一、二、三、ハイ!」から繰り出される最高に縦乗りしたくなるドロップ!これを現地で浴びたかった!!叶った!!
ライブも終盤となって正直なところかなり疲弊していたのだけど、この曲が流れたら一気にテンションが上がって疲れもどこかへと吹っ飛んでしまった。めちゃめちゃ楽しかったね〜。

そしてFinalのアザブ楽曲は……、まさかの銀華様のソロ楽曲「KOI WAZURAI」の煌様、たまちゃんによるカバー!本当にビックリしましたね。
というより、東雲さんのような「恋を知らずとも恋を歌う」ことは往々にしてあるという前提を置きつつも、それでも銀華様に並々ならぬ思いを寄せ、その前にNo Moreを披露した煌様がこの曲をカバーするというのは中々に面白い。それこそ銀華様のソロ楽曲であれば元々エリア楽曲として作られたらしい「ウサギとカメ」とかもあるんですし……。
銀華様の蠱惑的な楽曲をしっとりと歌い上げる秋奈さんと小宮さん。ライブならではの貴重な体験をさせてもらいました。

アキバからは「アキバサイクル」。もうさっきから同じようなことしか言っていない気がしますが、この曲も現地で聞けて嬉しかった曲の一つです。
口ずさみたくなるようなフレーズに落ち着きつつも自然にノれるような曲調。アキバのTEMPLIME楽曲はどれも独特な心地よさがあって好きなんですよね。KOI WAZURAIからのグルーブ繋がりも良く、演者さんたちが楽しそうに歌っているのもとても印象に残っていて良いステージでした。

そして、遂に流れた第1部エピローグ楽曲こと「Sync My Lights」!エリア越境楽曲、本当に嬉しいよ……!
ステージ上で全く雰囲気の異なる装いをした2人が向かい合っている姿は今でも鮮明に覚えています。あの時の感動たるや……!2人で交互に指を重ね積み上げていくような振り付けも印象的で、光の演出なども相まって零奈と美々兎、2人の姿を幻視してしまいました。この楽曲をこの場で聴くためにノベルを、電音部を追ってきたのだとすら思ってしまうほど、本当に良いステージだったと思います。

そして桜卯月の部の最後を飾ったのはハラジュクエリア楽曲「シロプスα」……のオールエリアカバーバージョン!最っっっっっ高!!!!!!

シロプスα、二面性が強く現れがちなハラジュクエリア楽曲の中で唯一「Kawaii」一辺倒で貫いてくれる楽曲で、電音部全体で見ても三つ指に入るほど好きな楽曲です。ただ、1st Day1で一度披露されていたので期待薄と思っていたのですが……、まさかこうして、オールエリアでのパフォーマンスという想像の斜め上の形で披露されるとは思わずもうめちゃめちゃに興奮してしまいました……!
オールエリアでとても印象深いのはアキバエリアの「すーはー」パートで零奈さん、もとい蔀さんが元気よく「おー!」と歌っていたところ。後で確認したら確かに歌詞通りではあるんですが、元の音源だと楽曲の雰囲気も相まってかどちらかというと気の抜けたような声に聞こえて、それとのギャップが零奈さんらしさが出ていてとても可愛らしかったなあ、となっていました。
それにこの、「ハラジュクエリアの楽曲をオールエリアで歌う」ということ自体がとても嬉しくて……。このステージ上に映る光景が、この第1部で彼女たちが底辺から築き上げてきたものを何よりも如実に表しているように感じて、筆舌に尽くし難い激情が私の中胸の内を駆け巡りました。本当に、良かったなあ……!


キャストコメントパート&雑感

そして最後の曲を終えて、キャスト1人1人のコメントへと移っていった。特に印象深かったのは美々兎さん役の小坂井さんによるコメント。
『本番前までずっと緊張していたんです。でも美々兎のツインテールをつけて、ステージに上がった時に観客席に見えるピンク色の光が見えたら途端に、楽しさがぐんって緊張を上回って……』
確か、こんなことを嬉しそうに話していたのを覚えている。ノベルでの美々兎さんも「DJブースに入る前はちょっぴりだけど緊張する、でも大勢のお客さんがフロアにいると嬉しい」というようなことを話していて、ああ、小坂井さんは本当に「美々兎」としてステージに上がっていたのだと思って、聴いているこちらも嬉しくなってしまった。
そしてもう一つ、神無月の部開演までずっと頭に残っていたのは大森日雅さんによるコメントだ。
『"BREAK DOWN"の本当の意味は、神無月の部で分かると思いますよ』
確かに、桜卯月の部は第1部の総決算として最高のステージではあったけれど、電音部公式SNSから再三匂わされていた新展開のようなものは一切片鱗を見せずに終わってしまった。
果たして一体、神無月の部で何が起こるのか。満足した心と体に一片の疑念を残しつつ、桜卯月の部は幕を閉じたのであった。


神無月の部 開場前

神無月の部開場までの間、自分は小腹を埋めつつ桜卯月の余韻に浸り、そして次に一体何か起きるのかと頭を悩ませていたりした。
桜卯月の部が終わった後も「電音部の世界」の方のTwitterアカウントでは何やら不穏なツイートばかりが流れてきて、期待と共に未知への恐怖も募っていった。
ただまあ、取り敢えず第1部完結を飾った「夜明けのアンセム」「月詠のダンス」がまだ披露されていないので取り敢えず聴いておこうかな、とか思いながら時間を過ごしているといつの間にやら17時、開場時刻になったので私は再び大ホールの方へと向かった。

開演ではまた同じように、展示をもう一度見て周り写真を撮り直し、その後は今度は廊下側の配置では無かったので開演の10分ほど前まで2階のホール外スペースで待機をしていた。
そして開演10分前。心と体の準備を整えて、私は座席の方へと移動した。

神無月の部の幕が今、上がった。


神無月の部

桜卯月と同じく、爆音のSirens in the Beginningで開幕した神無月の部。そして今回のトップバッターは……


1st BREAK DOWN シブヤ

瀬戸海月さん!!!???しかも桜卯月と変わって「ペトリコールを渡って」だ!!
凪いだ海のような静けさと荘厳さを兼ねたイントロから始まるペトリコール。1stの時も現地で聞いた経験はあるけれど、楽曲に秘められた海月さんの激情を図ろうとすればするほど苦しくなる曲です……。というより、海月さんの楽曲はどれもが彼女の半生と魂を強く描いた楽曲で、どれを聴いても心が崩れてしまいます……。しかしやっぱり凶悪なドロップを中心にEDMとしてとても良い楽曲で、崩れつつも心地良くリズムにノれてしまうのがこの曲の凄まじい点だと思います。心と体がちぐはぐだ、助けておくれ……。

そして次に流れたのは桜卯月の部と同様「NANAIRO STAGE」と「CHAMPION GIRL」。その日のうちに一度聞いている楽曲だけれど、最高の音楽を体全体で浴びればそんな些事お構いなしで純粋に楽しめてしまうというのが面白い。寧ろCHAMPION GIRLを1日に2度も現地で味わえるのはまさに僥倖といった気持ちになりました。

そしてエリア楽曲も、神無月では入れ替わり「In my world」となった。良いね〜。透明感と治安の悪さを両立した楽曲からは帝音渋谷の「最強」の風格を感じさせます。
……やっぱりシブヤダンス部、めちゃめちゃにカッコ良くないですか?いや、ただただストリート系のダンスにゾッコンになっているだけかもしれませんが……。でも単純にストリートスタイルのダンスだと振り付けの作りづらいであろうドロップ部分とかも音に合わせてバッチバチに決めていて、観客側へのレスポンスも返している感じがマジで大好きですね。


2nd BREAK DOWN アザブ

アザブは桜卯月と変わらず「MUSIC IS MAGIC」「いただきバベル」「No More」「Catch a Fire」の4曲。どれもほんの4,5時間前に聴いた、でも……めちゃめちゃ楽しい!煌びやかなステージ演出に最高の音楽が流れていたらそれはもう最高で、何度味わったっていいんですよね。1度目と相も変わらず全力で腕振り頭振り、思うがままにリズムにノってしまいました。


3rd BREAK DOWN アキバ

アキバもソロ楽曲については変わりなく「アイドル Break All」「トアルトワ」「しあわせの魔法」の3本立て。こっちもこっちで楽しい曲ばかり!!そして堀越せなさんのステージ上のパフォーマンス、やっぱりめちゃめちゃ好きだなあ……。表情も生き生きとしていて、見ているだけで笑顔になってしまいます。

そしてエリア楽曲は……「pop enemy」だ!!ヤッターーーー!!
ラップ調の歌詞に「ドーンだよ!」からの軽快なドロップが印象的な1曲。演者さんたちの振り付けもとても可愛らしいんですよね。良い……。
飛び跳ねるとかではなくて、音に合わせて体を自然と揺らすのがめちゃめちゃに楽しく、アキバエリア全体で見てもトップで好きな曲です。1stで流れた時も嬉しかったけど、まさか2ndでも流れてくれるなんて……!


4th BREAK DOWN ハラジュク

ハラジュクも紫杏さん、雛さんのソロ楽曲については変わらず「Eat Sleep Dance」と「ミルキータイムライン」でした。
そして、ならば美々兎さんの楽曲もも桜卯月から変更無しかと思ったら……

「Princess Memeism」……!めちゃめちゃ嬉しい!!
Snail's Houseさんの純粋な「Kawaii」を詰め込んだ音楽に乗る可愛らしい歌声と美々兎さんの切実な思い。ノベルでも電音部というコンテンツとしても美々兎さんが最初に披露された楽曲ということもあって、この2ndという節目の機会に聞けたというのが最高でした。
そしてもう何度目という言及ですが小坂井さん、美々兎さんなんですよ……。歌っている際の表情も美々兎さんに見紛うかというような、まるで彼女が宿っているような面持ちをされていて、本当に素晴らしいパフォーマンスをなさっていました。
『こっち向いて 逸らさないで 私だけ見ていて 誰よりかわいい 私だけ愛して』
最後のこの歌詞のところも、少しあざとすぎるという位可愛らしさを多分に含んだ仕草で、それがまた美々兎さんとリンクしていてメチャメチャ良かったです。

そして美々兎さんのソロも終わり一度舞台が暗転。さて、エリア楽曲はどうなるか……そんなことを思っていると、流れてきたのは忘れもしない、あのノイズがかったようなイントロでした。

「Distortion」だあああああああああああああああああああああああああ!!!!
この曲も会場中にどよめきが湧いていましたね……。
1stでサプライズ発表された新曲で、異常なサウンドとその音に劣らない過剰ともいえるほどの演出に、当時現地にいた自分も訳が分からないまま盛り上がっていました。
ただ、つまるところこれは一度経験したことのあるステージ、自分も含めてノリ方についてはある程度心得を持っているハズ……と思っていましたが、ちーゃんと全然しっかりダメでした!!可愛らしい振り付けとは全く異なり青と赤のポリゴンショック、暗転明転を繰り返し正常な感覚を麻痺させるステージ、やっぱり何度聞いても聞き慣れることのない歪でしかしどこか心地の良い音楽。結局のところノリ方なんてついぞ分からず、演者さんの振り付けをただ真似て腕を動かすだけの傀儡と成り果てていました。わっかんないよ……。でも、めちゃめちゃ楽しかった……!


FINAL BREAK DOWN オールエリア

さて、怒涛の勢いで続いていた2nd LIVEももう最後のパートとなってしまった。そしてそのトップバッターを飾ったのは……鳳凰火凛のソロ曲「Beat Me!」!
火凛さんの曲だと「Shining Lights」「CHAMPION GIRL」がクラブで流れると嬉しいアンセムという印象ですが、この曲は鳳凰火凛というキャラクターの心情が強く現れていて、上の2曲とまた違った意味で現地で聞きたいと思っていた曲でした。
健屋さん、本当に歌が上手いな……。Vの肉体であるが故に激しく動くことの出来ない彼女ですが、マイク越しに伝わるその圧巻の歌声に虜になり、ステージ奥に佇む健屋さんに釘付けになっていました。マジで「最強」ですよ……。

そして次は「Mani Mani」!こっちも歌ってくれるんですか、やったあ!!
トアルトワとは打って変わって軽快で心地よく、しかし透明感も持ち合わせる音楽と、その上に乗るどこか楽しげな歌声。聞き惚れるのではなく演者さんと一体となって曲の波に乗るというのはとても楽しい経験です。
1stから続投の曲だけど何度浴びても楽しいな、この曲……。そんな思いとは裏腹に、次は「ベルカ」の方も現地で聞いてみたいな、という欲望もふつふつと湧いてきてしまいました。いつか聞きたいね〜。

ソロ曲ラッシュ、3曲目はたまちゃんの「MIDNIGHT TOWN」。まーた良い曲が来てしまいましたよ。
アザブエリアパートで披露していた2曲とはまた趣の異なる、落ち着いたサウンドの楽曲。マルチにDJをこなすたまちゃんの実力が伺えます。この終盤に来てのMIDNIGT TOWNというのが本当に丁度よく、基本的に休憩の無い電音部LIVEで熱った身体をクールダウンさせるのにとても上手く働いていました。
秋奈さんも、また歌が上手なんですよね……。音源に決して劣らない安定感にキャラクターとしての個性もしっかり出ていて、とても安心してステージパフォーマンスを観ることができました。

そしてソロラッシュ、次は何が来るのか……

ぐちゃぐちゃだああああああああああ感情がああああああああ!!!!!!
第1部完結を飾る一曲、シブヤとのSTACKバトルで披露された姉への思いを吐露する零奈さんのオリジナル・トラック。流れることは想定し、覚悟していましたが、いざ流れるとやはり心が崩れてしまいました。本当にさあ……。
しかも何より光の演出があまりにニクい。橙色を基調とした光が、「忘れない 縫い合わせた記憶」のパートでパッと青へと変わりステージを染めたりと、2人の絆、繋がりを表す演出が心の中で感情の荒波を形作っていく。途中で熱くなった目頭を押さえてしまうほど、本当に良いパフォーマンスでした。

……そして、その次は……

やっぱり崩れちゃった、感情が……。
まあそりゃあ予定調和でしょって話ではあるんですがやっぱり連続で流れるのはやっぱりズルい。そしてここでもアンセムと同様に光の演出が感情の奔流を形成していく。ノベルの内容が脳を巡る、巡る。海月さん、零奈さん。遅ればせながら、お誕生日おめでとうございます。どうか共に歩むお二人の人生が今後とも幸せに満ちていますことを、心よりお祈りしています……。そんな風に思いを馳せつつ、腕を振りながらステージを眺めていました。

そしてここで、桜卯月には無かったダンス部オールエリアによるパフォーマンスが挟まれた。いや、メチャメチャ良いですね、これ……。治安悪めながらも様々なエリアのトラックが混ぜられた楽曲に乗せて、雰囲気から全く異なる装いをした4人が息を合わせてパフォーマンスを行う。全く予想だにしていなかった演目だったけれど実際に見ると本当にカッコよく、今後のライブでも是非行ってもらいたいなと感じました。

そしてオールエリアのダンスパフォーマンスも終わり、次に聞こえてきたイントロは……

本日2度目のHyper Bass!こんなんなんぼあっても良いですからね。一番良いですからね。ねー有難いですよ本当にね。
という訳で全力で腕も頭も振ってしまいました。名実ともにハラジュクのキラーチューンですからね、本当に何度流れてもめちゃめちゃ嬉しいんですよ……。

そして詰まるところここからは大詰めのエリア楽曲ラッシュ!次に流れたのは……

シブヤから「Let Me Know」!In my worldと共に1stで一度経験している楽曲ですが、この曲も低音が効いたドロップが楽しくて何度浴びても良い楽曲です。
そしてこの曲、ドロップの時のVの肉体を持つ演者さんたちの振り付けが名実ともに最強のシブヤらしからぬ、可愛らしい振り付けなのがまた良いんですよね。こう、前屈みのような姿勢になって腰でリズムを取るような振り付けをずっとやっているのが……。キャラクターとのギャップを感じてふふっとなってしまいました。

次はアザブで「Where Is The Love」、たまちゃんと煌様のデュエットです。……また煌様、文脈が生まれていませんか……?
この機にぶっちゃけた話をしますと、自分は1stで銀華様役の澁谷梓希さんから強烈な灰島ムーブを食らった結果、演者さん込みで銀華様のファンになってしまいまして……なので今回2ndに出演なされないと知った時にはかなり落ち込んでしまっんですよね。でも、こうして逆に「演者さんが欠席なさっているがために観ることの出来たパフォーマンス」というのは確かに存在していて、それをこうして現地で浴びれたというのはとても嬉しく、逡巡の末にチケット応募して良かったなあ、とつくづく感じました。

そしてアキバエリアからは「Blank Paper」。TEMPLIME楽曲だ……!
Blank Paperはアキバエリアのプロローグ曲という印象が強く、また1stのトリを飾った「Hand Over」と同じくDJや人との繋がりを「バトンを渡す」と表現していて、日高さんという存在が各エリアの架け橋となって物語が進んだ第1部を象徴した楽曲のように思っています。

各エリアのキャラクターが出演していMVもとても良い出来で、やはり電音部というコンテンツを語るに欠かせない一曲でしょう。
そんな「始まり」の楽曲をこの2ndという場で披露された、そのことが本当に嬉しかったですね……。

そしてBlank Paperが終わり会場中から拍手が湧き上がると、舞台裏から各エリアの演者さんたちがステージに上がってきた。そして
『……ということであっという間でしたが、2nd LIVE BREAK DOWN、これで最後の楽曲となりました!』
こんな風な言葉と共に、エンディングのキャストコメントのコーナーへと移っていったのだった。

…………あれ、新曲は?新展開は?

『BREAK DOWN』って、結局一体何だったんだ……?


キャストコメント

若干どころではない動揺をどうにか隠しつつ、楽しそうにコメントをするキャストさん達を眺めていた。恐らく観客席側にいる多くの人々も同じ気持ちだったのだと思う。会場には言い知れぬ不安感、緊張感のようなものが漂っていた。
そしてどこか、キャストの方々もよそよそしい態度に見えるのは、気のせいだろうか?
また、ここでも大森日雅さんが不思議な言い回しをしていた。詳細はあまり思い出せないものの、このようなことを言っていた記憶がある。
『BREAK DOWNの意味は分かりましたか?……是非、最後まで見届けてくださいね』
しかしそんな雰囲気を、小坂井さんが景気良く払拭してくれた。
『やっぱり美々兎のパフォーマンスが一番可愛かったわよね?』
『そう思う人、手を上げて!』
『元気ないよ!……周りに迷惑がかからないようにして、足を上げて!』
『難しい?じゃあ、耳上げて!』
Do You Even DJ?になぞらえたコール&レスポンスに会場の空気が再び緩む。小坂井さん、本当に凄い方だなあ……。そんなことを思いながら、全てのキャストのコメントが終わった。
そしてこれでおしまいという風に、若干の辿々しさを感じつつ閉幕の合図が始まった。
『それでは皆さん、せーのでお別れとしましょう』
せーのっ
演者の方々が、一斉に腕を上げた。

『『『電音部2nd LIVE、これにてへいま…………』』』

その瞬間、舞台が一瞬にして暗転し、モニターに何やらノイズのようなものが走る。爆発音、または音割れのような不快な音が大音量で、会場中に響き渡る。
演者が舞台袖にはけていく。いつの間にかモニターには紫、桜、あのポスターの月の色、または舞台開演前最後に公式からツイートされた一枚の画像の画像に映る結晶に似た色の「なにか」が映し出されていた。
しばらくすると音楽が流れてきた。モニターの映像も切り替わっていく。消えては浮かび、また消えては浮かんでくるような描写であったため仔細は分からなかったけれど、しかし確かにその背景は1st閉幕直前に流れた、あのPVの場所であったことは確信した。
楽曲は不穏さを感じるEDM、気づくとステージ上には狐の面を被った6人の演者が姿を表していた。そして彼らはその曲に合わせて激しく、そしてどこか人間離れしたような雰囲気で踊り始めた。
恐らく呆気にとられるとは正しくこういうことを言うのだろう。何の前触れもなく起こっているダンスパフォーマンス、その異様さにただただ呆けてしまってパフォーマンスが終わりダンサーが捌けていっても会場からは一切の拍手の音が聞こえてこなかった。

そして、気づくとまた新しい曲のイントロが流れていた。どこかで聴いたことのあるような、しかしいやに暗く、陰鬱なイントロだった。
そしてステージに1人の演者が上がる。最初は誰だか分からなかった。分かりたくなかった。しかし、曲が始まったら否が応でも理解させられた。

『希望頂戴 これが最底辺』

Do You Even  DJ ?のリズムで紡がれる歌は、しかし彼女の高慢さとは程遠い、絶望と憎悪から発せられるような歌詞だった。

『理想論だけじゃ変わらない 全然』

その衣装は彼女と全く同じであったけれど、しかしトレードマークであるうさ耳と、ツインテールが見えなかった。

だから彼女じゃない。そう信じたかった。
けれど何よりもその声が、彼女が彼女であることを強く物語っていた。

緑と赤の光が交差するステージ、そこに立っていたのは紛れもなく、虚勢を張っていても決して挫けることなく前を見続けていた、桜乃美々兎さんその人だった。


孤独と怒りがステージを支配していた。激しい音楽に乗せて絶望を綴る歌が吐き出されていく。演者さん、ダンサーさんたちはハラジュクの時と同じ衣装をしていたのに、決して可愛いなんていう言葉を使えないほど凄絶な景色が広がっていた。
ステージがやけに広く見えた。このライブの中でも今まで何度もソロパフォーマンスを見ていたのに、そこには美々兎さんの孤独がくっきりと写っていた。

『散々じゃん マジでふざけんな』

歌なのか叫びなのか分からない声が会場中に響き渡る。あまりに悲痛で、吐き出される言葉の矛先は美々兎さん本人に向かって深々と貫いているようにすら見えた。
歌わないで、もう歌わないで……。
ライブでそんなことを思ってしまうのは、初めての経験だった。

『Do You Even DJ?』

何度も聞いたその言葉の意味が全く変わって突き刺さる。耐えることなんて出来なかった。

最後のセリフも、もうまともに聞いてなんていられなかった。彼女口から漏れ出ていた言葉は曲としてではなく、耳をつんざくような本物の痛切さをもった叫びだった。恐怖で、涙がこぼれそうになった。
曲が終わり、月がモニターに映し出される。その横を逃げるようにして消えていく小坂井さん、いや美々兎さんはやはりどこまでも痛々しく見えた。


いや…………は?


その後スタッフロールや新エリア、第2部の告知などがなされたけれどあまりしっかりと覚えていない。その後、退場の指示に従って下に降りて、公開されたという4枚目の絵の写真を流されるままに撮り、ハラジュク3人の等身大パネルを何度も撮影した後、予約していたホテルまで呆然としながら歩いた。

終わりの雑感

正直なところ、本当に完全に心がぽっきりと折れてしまっています、今……。
あんなに凄絶な楽曲を、何の覚悟も出来ていない状態で聞かされたらそれは、折れない方が無理っていうところじゃないですか……?
しかも私、本当に「Do You Even DJ?」という楽曲が好きだったんですよ。テンションもバッチバチに上がるし、美々兎さんらしさがたっぷり詰まっていて、MVの方もとても可愛らしいし……。でもさあ、こんな曲を聴かされたらもうマトモな感情で聴ける訳がないじゃないですか……。もう数日たった今でも、最後の彼女の絶叫が耳に残っています。

それで一応楽曲の方も公開されましたね。私は現時点で2度この曲を再生しましたが、1度目は聞いている途中でイヤホンをぶん投げました。2度目もこの感想記事を書くためにしぶしぶで、まあもう聞きたくありません。本当にもう、やだよ……。

と、こうやっぱり最後の衝撃に全ての印象を持ってかれている節はありますが、けど振り返ってみると本当に素晴らしいライブだったと思います。
楽曲も昼夜の部で随分と入れ替わっていてどの楽曲の演出についても最高、恐らくノベルを読んだ人が現地で浴びたいと思っていた楽曲の殆どを浴びることができた上に、定番アンセムも多く披露されていてクラブミュージックコンテンツという点でもとても良い内容でしたし。
それに、桜卯月の部で多分に美々兎さんやハラジュクの絆、成長を描いたような楽曲を採用することで、両部ともに参戦する方がどちらか一方よりも段違いの衝撃と地獄を感じることが出来るというライブ構成は、どんな感情を引きずるかは別として両部参戦の方が最高の満足感を得られるという点でとても良いと思います。私も今本当に辛いけれど、こうした貴重な辛さの体験ができたのもライブの妙あってこそと思っているので、今は取り敢えずバンダイナムコライブクリエイティブに向かって感謝の意を込めた中指を立てています。ありがとうございます。

それにしても小坂井祐莉絵さんのパフォーマンス、マジで凄かったですね……、誰もが認める2ndのMVPなんじゃないでしょうか。1stの電脳ロリポップの時からキャラクターを演じるのが上手い方だと思っていたけれど、今回は流石に衝撃が過ぎました。楽曲数としてもかなり多い(エリア、デュエット楽曲を含めると8曲……8曲!?)のに、そのどれもでキャラクターを宿した振る舞いをなさっていたのは本当に凄かったと思います。いやあ本当に、良かったんですよ……。

電音部2nd LIVE -BREAK DOWN-。決して手放しに「楽しかった!」「面白かった!」と言えるライブでは無かった。けれどこのライブでしか手に入らなかった楽しさと感動、そして憎悪にも似た激情は確かにあって、こうした良い意味で強い印象を残していった以上最高のライブだったと言う他はないと思う。少なくとも私は今後も電音部というコンテンツを追っていこうという気持ちを改めたし、3rdや次のライブイベントがあったとしたら絶対に行きたい。銀華様のソロ曲もまだ全然聴けていないですしね。
……というより、ハラジュクが幸せになるまではもう、電音部から離れることなんて出来ないでしょう。もう本当に、どうしてくれるんですか……。

まあ、恨み辛みも含めて諸々吐き出しましたが、まとめると電音部というコンテンツは最高です!これからも応援していきたいと思います!!そしてハラジュクよ、お願いだから幸せになってくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

意味わからないくらい長くなってしまいましたが今回の日記(感想記事)はここでおしまい!


※追記
桜卯月の部で全演目を終えてキャストの方々が舞台裏に捌けていく時、蔀さんの指ハートがとても可愛かったのを今更ながら思い出しました。良かったね!!


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