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2023/09/12 雨の日

現在は13日の1時30分を過ぎたころ。『雨の日のアイリス』をあとがきまで読み終えて、一頻り涙を流した後にこのnoteを書いている。
ちなみに今日の天気は曇り、時々雨でした。

雑記 

とても良い本でした、そしてその気持ちがあとがきを読んでその気持ちが抑えきれないほどに膨れ上がってしまいました……。

ここで閑話なのだけれど、私は創作活動について(観念的な話で)大きく二つのセクションに分けられるという認識でいる。
まず一つ目は「世界の探索・発見」、いわゆるネタ選びだ。作者は自らの思考内で考え得る「面白そうな世界」を選んで、それを起点にモノを作っていく。
二つ目は「他者がその世界を覗けるようにするための穴作り」となる。自分の中で面白い世界を見つけても、他者と自己の思考の間には決定的な壁がある以上直接共有することは叶わない。ゆえに創作者は執筆やイラスト制作など、その壁に「覗くための穴を開けていく」作業をする必要があるのだ。
このとき、例えば他の人が世界全てを見渡せるようにしたいとするのなら、できる限り大きな穴をどかんと開けるし、渾身の1シーンが存在する世界なら、それがとびっきり魅力的に映るように穴を開ける位置を細やかに調整することもあるだろう。つまりこの「穴を開ける」という作業に、主に作者の個性が見出せると私は常々考えていた。
逆に世界を発見する、という作業については個人的には楽しいと思うし自らの力で観測できる世界には個人差があるため創作の上でも重要ではあると思いつつも世界の存在自体は普遍的、かつ「そもそも多分、面白くない世界なんて存在しない」という考えがあり、故に私が作品から創作の過程を穿って見る際は、その「穴の開け方」の方に注力することが基本であった。

思わず長くなってしまった。話を戻して……。そして今回の「雨の日のアイリス」はその「穴の開け方」もさることながら、描こうとした世界自体に含まれる暖かさとささやかな願いがあまりにも切実で、あとがきを読みながら思わず涙を溢してしまった。この世界への不条理とそれに抗えるヒトの強さ、そして愛への祈りの物語。これらがぎゅっと詰まった本が一人に捧げるために存在していること……。もう初版出版は10年以上前になるけれどあの手紙が、そしてこの物語がそれぞれの届いて欲しい人の元に届いたことを切に願うばかりです。


ということで今回の雑記はこれでおしまい。アイリスの話しかしていないし、本筋の感想自体も全然内容ペラッペラなの、これでいいんです……?感はある。でも、正直あの一冊の中に全てが込もっているのでこれ以上私が語ることもないんですよね……。
最近はふつふつと小説の読書に対するモチベーションが高まってきているので、またこんな感じで突発的に文字を綴ることがあるかもしれません。無いかも、しれません……。


※余談
最近、『アンドロイドガール・ナンバーアンダー』を読み返したいという気持ちに駆られていたり……します。(公開期間中に保存しておけば、良かった…………。)

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